一日尼僧修行もできる 厄除け祈願の「笠原寺」

厄除け祈願の寺院として知られ、尼僧修行や護摩祈願法要が行われる「笠原寺(りゅうげんじ)」。真言宗智山派の大本山川崎大師平間寺の京都別院として、弘法大師1150年御遠忌に笠原政江尼が開山、昭和58年10月に創建されました。山科盆地東山三十六峰を望む大本堂は、母屋造桃山様式で、厄除弘法大師の分霊を安置。境内本堂奥に立つ総檜造の開山堂には、本尊の大日如来を祀っています。また、一日尼僧修行(女性のみ)は笠原政江尼が悩める女性のために始めたとして知られています。そのほかにも新春の護摩祈祷や節分会、青葉まつりなど季節の催しや、毎月21日にはお大師さま御縁日護摩祈願法要なども行われます。

太陽を司る毘盧舎那如来(びるしゃなにょらい)とも呼ばれる本尊の大日如来。真言宗の教えでは、如来や菩薩などほかの仏尊の本仏とされています。

修行大師像に健康祈願を

境内の本堂前に建つ修行大師像は、宗祖・弘法大師1150年の御遠忌に奉納されたものです。参拝すると健康、健脚のご利益があるといわれています。

修行を通して自分を見つめ直す「一日尼僧修行」

一日尼僧修行で有名な笠原寺。女性が抱える悩みや苦しみを取り除き、強く生きる力を培う場として、開山主である笠原政江尼が始めたのがきっかけ。宗派関係なく気軽に参加できる修行体験で、仏教の歴史や教え、座禅の仕方や経の意味などを丁寧に教えてくれます。まず初めに行うのは心身を清めるための足香。続いて俗世間との区切りをつける儀式・おかみそりを行い、その後法衣をまとい、雑念を取り払うべく瞑想に入ります。読経・法話では、現代社会の生き抜き方やお釈迦様、弘法大師の教えが説かれ、修行の最後を締めくくるのは大厄消除のための厄除護摩祈祷。ここまでを経て体験は終了となります。修行の全行程を終えると、自分だけの盛満之証と法名が授与されます。 写真は、二回目の修行で行われる「写仏」。仏教の経典を書き写す「写経」とは異なり、仏画を描き写す「写仏」の様子。笠原寺では心に願い事を念じながら大日如来を描きます。 心身清浄のため修行の最初に行われる「足香」 。白衣に着替え、真言を唱えながら香炉をまたぐことで仏門に帰依するという意味を持ちます。 弘法大師の修行地であった四国八十八箇所巡りを模した修行。境内の八十八ヶ所を参拝すると大師の御霊徳を授かるとされています。

毎月21日には「弘法市」を開催

笠原寺境内では毎月21日、弘法市(フリーマーケット)が開催されます。さまざまな露店が出店され、多くの人が訪れます。フリーマーケットのほかにも、12月21日の縁日には「厄除け大根炊き」 のふるまい(有料)や、参加者が各自持ち寄った古い御札やお守りを供養する「御札お焚き上げ」が行われます。 [hr][/hr]

まとめ 川崎大師京都別院 笠原寺(りゅうげんじ) TEL.075-572-9400 ●京都市山科区大宅岩屋殿2 ●地下鉄東西線「椥辻駅」下車、徒歩約20分 ●参拝無料(一日尼僧修行は有料・要予約) ●9時~17時 ●無休 ●P50台(無料)