京都の紅葉を見るなら三千院へ。東洋の宝石箱と称賛された庭園を見に行ってみませんか。

【更新:11月19日現在 紅葉の状態:今が見頃】

京都の紅葉が美しい、大原にある三千院という寺院をご存知ですか。パワースポットとして知られていて、春には桜、秋には紅葉の名所として有名です。聚碧園と有清園という美しい2つの庭園を求めて三千院には1年中観光客が訪れます。三千院にはこの2つの庭園はもちろんのこと、他にも沢山の魅力的な場所がありますので、紹介していきます。

三千院は門跡(もんぜき/もんせき)の一つで、門跡とは天台宗のお寺で皇族や貴族が住職をする由緒あるお寺のことです。三千院、妙法院、青蓮院を三門跡、そこに毘沙門堂、曼殊院を含めて五門跡と言います。中には12世紀の末に、高松中納言藤原実衡の妻(真如房尼)が、亡き夫の冥福を祈って建立したとされる往生極楽院などがあります。三千院は元々は比叡山にありましたが時代の流れの中で何度も移転し、現在の大原には明治維新後にやってきました。1200年の歴史を持つ格式高いお寺になります。

三千院 詳細

● 住所:京都府京都市左京区大原来迎院町540
● 電話:075-744-2531
● 駐車場:なし(公共交通機関のご利用をおすすめします)
● トイレ:あり
● アクセス:京都バス大原バス停下車、徒歩約10分
● 拝観料:一般 700円(団体30名以上600円) 中学生・高校生 400円(団体30名以上300円) 小学生 150円
● 拝観時間:9:00~17:00 (11月 8:30~17:00、12月~2月 9:00~16:30)
● ライトアップ:行われていません
● 『もみじ祭り』~秘仏出世金色不動尊御開扉~
令和5年10月28日(土)~11月28日(火)

三千院

住所:〒601-1242 京都府京都市左京区540

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三千院の紅葉

三千院が位置する大原の里は、山間の盆地であるため寒暖の差が大きく、それが功を奏して紅葉の色鮮やかさは格別となります。 そんな三千院は紅葉の名所としても知られており、美しい三千院の紅葉は、あの有名なJR東海の「そうだ 京都、行こう」のCMにも使われたほどです。CMの中ではナレーションが、 「ここにあるのは、美しいだけの秋ではありません。 さっきは紅葉の中で、仏様と目が合ってしまいました。 当分携帯は、切ったままにさせてください。あしからず。」 と流れています。 日本の伝統や歴史が根付いたような奥深さのある三千院は、なんだか空気が澄んでいて、背筋がピンと伸びる心持ちさえします。紅葉としては特に2つの庭の美しさは格別です。それではこの2つの庭についてはお話しさせていただきます。

紅葉の美しい2つの庭園

三千院を紅葉期におすすめする理由はお庭の美しさです。聚碧園と有清園という庭園がありますが、この2つは全く異なる雰囲気の庭園で、井上靖が「東洋の宝石箱」と称賛しました。近くを訪れた際にはぜひ見ていただきたい庭園です。秋には紅葉が美しく、三千院は「そうだ 京都、行こう。」でも使われた有名な紅葉名所です。11月には三千院の、もみじ祭りが開かれ、聚碧園で有料のお茶席が設けられ、ゆっくりと庭園を見ながらお茶をいただく贅沢な時を過ごすことができます。

聚碧園(しゅうへきえん)

江戸初期に千利休に茶の湯を学んだとされる茶人・金森宗和(かなもり そうわ)が手掛けたお庭で透き通った綺麗な池と清流のせせらぎが美しく、縁側に座ってみる景色は木々と苔と飛び石と池が見事に調和された見ごたえのある庭園です。 自然豊かなこのお庭は、紅葉期には温かい色が追加されて、他の季節とはまた一味違うお庭になります。日本らしい柔らかな色の紅葉が計算された美しい庭に映えて、見る人の目を楽しませてくれます。

有清園(ゆうせいえん)

有清園は地面一面、緑のじゅうたんのような苔庭と美しい池、すらりと立つスギやヒノキが圧巻の景色を作り出す広大な池泉回遊式庭園です。春には豪華なシャクナゲ、夏には緑の鮮やかさが増した苔、冬には美しい雪化粧が楽しめます。苔庭の中には石彫刻家の杉村孝氏の作った可愛らしい童地蔵が顔を覗かせており、美しい庭園の中の愛らしい姿に心が温かくなります。童地蔵は顔だけ覗かせていたり、立っていたりと何種類かあるので、じっくり見つけてみてください。 秋には木に色づく赤い葉はもちろんのこと、散った紅葉の葉が緑の苔に生えて美しく、大変魅力的なお庭になります。

三千院の見どころ

三千院の庭園が有名なため、その他のものはあまり知られていませんが、魅力が沢山あります。三千院は広いお寺なので、その中でもぜひ見てほしい魅力的な場所をご紹介します。

宸殿

建物自体は大正時代に建てられ、御懺法講という天台宗の大事な法要を行う場所です。三千院の御懺法講は毎年5月30日に行われ、900年の歴史があり悪行の懺悔と心の中にある悪い部分を無くすために行われます。仏教音楽や神楽と組み合わせて行われるので、まるで音楽を聴いているようです。御懺法講は一般の方も参加できるそうです。

往生極楽院

往生極楽院は平安時代に建てられ、有清園の中の瑠璃光庭の中にあります。恵心僧都(天台浄土教の大成者)と姉の安養尼が父母の供養のために造ったとされています。建物の中には国宝である本尊の木造阿弥陀如来及両脇侍坐像が安置されており、お堂に対して大きいため天井を舟底型に高くして納めています。天井には極楽浄土などの様子が描かれていますが、残念ながら肉眼で確認するのは難しいようです。

紫陽花園

1000株以上の紫陽花が植わった紫陽花園は6月中旬~7月中旬に見ごろを迎え、杉の木を背景に咲く美しい花は見事です。春の桜や秋の紅葉に比べると知名度が低く、穴場スポットとも言えます。美しい苔庭と一緒に初夏を堪能するのもおすすめです。

呂川と津川

三千院は、呂川と津川という2つの川に挟まれています。中国の伝統的な音階、呂旋法と津旋法から名前を取った川で、律川にある音無の滝は三千院の背後にある小野山の中腹にあります。音無の滝は聖応大師良忍が歌の練習をしていたところ、その声が滝の音に同調して音が消えて無くなったということから名前が付いたそうです。

参道

石垣と茶店の間を約50mと続く参道には、そこを沿うようにして枝を張るカエデの木々があります。紅葉シーズンには、色づいたカエデが色鮮やかな姿で出迎えてくれます。

夏のお盆には、幻想的な「三千院万灯会」

世界平和・諸願成就を祈願する為といわれる「三千院万灯会」。祈りを込めて献灯されたローソクを1本灯して、夏のお盆の時期に行い、先祖の精霊を回向します。光に浮かぶ幻想的な往生極楽院や観音堂が、圧巻です。

紅葉シーズンの三千院

三千院は、春は桜・秋は紅葉の名所としても知られ、その三千院がある大原(洛北)は「日本の紅葉の名所100選」にも選ばれた京都を代表する紅葉の名所です。 ここには楓(カエデ)が主に植えられていて、紅葉と約50メートルほどの参道・杉木立に囲まれた聚碧園・有清園などのコラボレーションが素晴らしいといわれています。 「聚碧園」は豊臣秀吉が命じて作られた庭と言われていて、作家である井上靖が「東洋の宝石箱」と賞賛したほどです。 もう一つの庭園、「有清園」は庭一面を覆いつくすほどの苔が生えていることで有名ですが、紅葉シーズンには杉木立とこの美しい庭園、それに合わせて紅葉と、とても贅沢な景色を眺めることが出来ます。 そして有清園の杉苔には、各所に杉村孝作のわらべ地蔵が置かれていて、庭を回遊する人を温かいまなざしで迎えてくれます。苔に埋もれていたり、かたや寝そべっていたり、色々な姿をしたお地蔵さんを見つけるのも楽しみの一つになりそうですね。 なお、三千院の紅葉が始まるのは、市街地よりも少し早めの11月上旬となっています。 例年の見頃は11月中旬~11月下旬になります。 郊外にある三千院ではありますが、その美しい紅葉を見に紅葉シーズンは多くの観光客でにぎわいます。 開門してから1時間もすればあっとゆうまに大混雑といっても大げさではありません。 よっておすすめする時間帯は早朝の開門直後8:30~9:30頃となります。 大原散策の際は、三千院をまずは拝観して、そのあと順に周辺のスポットを巡るのが良いでしょう。 京都随一の紅葉の名所をぜひ訪れてみてくださいね。

三千院周辺の紅葉スポット

宝泉院の紅葉とライトアップ

額縁の庭に紅葉が生える宝泉院は、樹齢300年にもなる「娑羅双樹」、さらには圧巻の樹齢700年「五葉の松」が人気を集めます。 昼にはお抹茶と茶菓子を頂きながら、ゆっくりと秋の景観を味わうことができますし、夜には色鮮やかな紅葉を照らす夜間ライトアップが行われます。額から眺める庭園は、空気が澄み切りピンと張りつめたような静寂に包まれ、幻想的な風景は時間を忘れるほどの美しさです。 そのほかにも竹林・宝楽園・鶴亀庭園や血天井・大原の里が見渡せる額縁の庭園など数多くの見どころがあります。

【所在地】京都府京都市左京区大原勝林院町220
【電話番号】075-744-2409
【拝観時間】9:00~17:00
【拝観料】大人:800円、中・高校生:700円、小人:600円 ※お茶菓子付きです。
【紅葉の見頃】11月中旬~12月上旬
【アクセス】京都バス「大原」下車徒歩約15分
秋の夜灯り 京都 – 2023 – 大原宝泉院
【夜灯り期間】2023年11月3日(金)から12月3日(日)
【拝観受付時間】17時45分から20時30分
【拝観料】大人800円
【紅葉の見頃】11月中旬~12月上旬
【アクセス】京都バス「大原」下車徒歩約15分

宝泉院

住所:〒601-1241 京都府京都市左京区大原勝林院町187

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実光院の紅葉

実光院は、不断桜といわれる桜が秋から春頃まで咲き続け、他では見ることの出来ないもみじ×桜というなんとも珍しい組み合わせを目にする事が出来ます。庭園では一年を通して四季折々の草花が咲き誇り、いつ行っても美しい光景が出迎えてくれます。 拝観料にお抹茶とお菓子がついているので、そちらをいただきながらゆったりと紅葉を眺めることができます。

【所在地】京都府京都市左京区大原勝林院町187
【電話番号】075-744-2537
【拝観時間】9:00~16:00(11月は16:30まで)
【拝観料】700円(抹茶・菓子付きです) ※11月16日・17日・23日・24日は500円・呈茶なし。
【紅葉の見頃】11月中旬~12月上旬
【アクセス】京都バス「大原」下車、徒歩約12分

勝林院

紅葉シーズンには多くの観光客でごった返す大原ですが、ここは比較的混雑も少ない方なので、ゆったりと紅葉を楽しみたいという方にとっては穴場スポットとなるでしょう。他の有名スポットに比べると落ち着いた雰囲気の中で、境内に広がる美しい緑色の苔と、色鮮やかなモミジの共演が、趣があって京都の風情を味わうのにぴったりの場所です。

【所在地】京都府京都市左京区大原勝林院町187
【電話番号】075-744-2537
【拝観時間】9:00~16:30
【拝観料】高校生以上:300円・中学生以下:200円
【紅葉の見頃】11月中旬~下旬
【アクセス】京都バス「大原」下車徒歩約12分
※駐車場がないため車で行った際は周辺の有料駐車場を利用することになります。
また、大原に向かう途中で狭い道を通らなくてはなりませんので、出来る限り公共交通機関を利用することをおすすめします。

寂光院

ひっそり静かな山里に佇む寂光院は、「平家物語」ゆかりの地として有名ですが、秋の紅葉も素晴らしいものです。秋が深まると、山門へ続く石段を鮮やかな紅葉が彩り、周囲の山々と調和している庭園も真っ赤な紅葉で埋め尽くされます。、静けさの漂う寂光院は、比較的混雑が少ないので、ゆっくりと秋の深まりを堪能することができます。

【所在地】京都府京都市左京区大原草生町676
【電話番号】075-744-3341
【拝観時間】9:00~17:00 
【拝観料】600円
【紅葉の見頃】11月上旬~下旬
【アクセス】京都バス「大原」下車徒歩約15分

寂光院

住所:〒601-1248 京都府京都市左京区大原草生町676

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まとめ

いかがでしたでしょうか? 呂川と津川の上流にはほかにも寺院などがあるので、併せて宝泉院などを訪れるのもおすすめです。三千院のある大原ではお漬物が有名で、三千院の周辺では試食しながら買うことのできるお漬物屋さんがありますので、そこでお土産を購入するのもおすすめです。