京都「原谷苑」は隠れた桜の名所。静かな中で桜をじっくり愛でるにはおすすめ。

地元の京都の方も1度は訪れてみたいと思っているのがこの「原谷苑」。京都市内でありながら、実はなかなかたどり着けないと言われている穴場スポット。とても興味深い「原谷苑」について、紐解いていきましょう。

原谷苑」は、洛北の原谷にある個人所有の桜園のことを言います。山中の小さな集落に、なんと4万坪という広大な敷地を持つ「原谷苑」。京の桜の隠れ里とも言われ、今までは世の中に出ることなく、過ぎていってしまっていたのです。ここには、樹齢60年をこえるベニシダレザクラが200本以上あると言われています。4月上旬から中旬に見頃を迎えたシダレザクラは苑内全体をピンク色に覆います。

アクセスが大変な分、見られた喜びは人知れず。

「原谷苑」は、常に公開されているわけではありません。桜の咲く時期に合わせて一般に公開されます。最近では紅葉の一般公開もはじまりました。「原谷苑」があると言われている場所が、金閣寺から見て北西の方向にある原谷という小さな集落になります。ここにたどり着くまでには、なかなか大変であると言われています。

実際の原谷苑へのアクセス方法は?

桜が咲く春の一般公開の期間は、自家用車で行くことは不可能になります。

アクセス方法は、全部で3つあります。
■京都市バス
■タクシー
■シャトルバス

京都市バスは、立命館大学前と原谷の間を結ぶM1系統は、1時間に1~2本のみ。ただ原谷へ通じるたったひとつの公共交通機関となります。他には、2時間に1本程ですが、北大路バスターミナルと原谷を結ぶルートもあります。大人数で行く場合は、タクシーの方が効率がいいとも言えます。最後のシャトルバスは、実は原谷苑へ向かう物になります。原谷苑が自らサービスとして運行しているようです。あまり知られていないのですが、乗り場はわら天神宮の鳥居前あたりになります。こちらからシャトルバスに乗れば、原谷苑の門前まで辿り着くことが出来ます。午前9時~午後4時の間、、20-30分間隔で走行しています。2019年、2020年も運行されました。料金も無料ということです。

但し2020年は期間の途中で非常事態宣言が発出され、後期は中止となりました。 今年2021年は現在(1月下旬時点)では未発表です。

原谷苑の魅力とは?

原谷苑の桜は、シダレザクラ以外にも見所が満載。京都に多いとされているソメイヨシノをはじめ、シダレザクラの種類も豊富です。ヒトエザクラやヤエザクラも見ることが出来ます。そして色の種類もとても豊富です。その他には、黄桜や御室桜などの、他では見られない珍しい桜もあります。桜以外にも、ボケや雪柳なども同じ時期に咲いており、花の園が現実にあったなんて…と思ってしまうのも仕方ないほどの、どこを見てもお花でいっぱいと言えます。

原谷苑のシダレザクラを更に満喫するには?

「原谷苑」のシダレザクラの数は圧巻です。この数だからこそ、見て欲しいポイントがあります。シダレザクラの木の真下に立って、空を仰いで見てください。シダレザクラの特徴でもある下向きの花が、すべてこちらを向いているように見えます。この景色は、ここでしか見られません。ソメイヨシノの桜の花を想像してみて下さい。ソメイヨシノは、それぞれ花はバラバラな方に向かって咲いています。しかしシダレザクラは下向きなので、シダレザクラの木がこちらをのぞき込んでいるような不思議な景色に包まれます。

原谷苑の見頃は少しずれている?

1番大事なのが、この見頃です。簡単に行けるところではない分、またすぐに来ようと言うのが出来づらいので、きちんと知っておくことが大事なのです。まずは、「原谷苑」の見頃は、京都市内のソメイヨシノの見頃よりも、1週間遅れてやってきます。桜の開花には気温の上昇が必要ですが、山あいにある「原谷苑」は、市内より気温が上がりにくいのです。逆手にとれば、京都市内の桜の見頃が終わってしまっても「原谷苑」はまだ桜を楽しむことが出来るということもわかります。目安として、遅咲きで有名な「御室仁和寺」 と見頃がほぼ一緒であると覚えておくとわかりやすいかと思います。 なかなか行けない場所にある素晴らしい景色をあなたも見てみたいと思いませんか?今年は現実にある桃源郷で春を満喫してみてはいかがでしょうか。

※ご注意: 原谷苑の開苑(公開)については、新型コロナ感染症の観点から、中止や  時期の変更などの可能性があります。詳しくは原谷苑のホームページなどで事前にご確認ください。

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