京都市内には、古くから染色技術や西陣織のような織の技術が発展してきました。また、茶道や華道、日本舞踊など、伝統芸能の発展と京都舞子の存在が、それら着物に関する職人の技術の発展を支えてきました。同時に、簪や草履、バッグなど、和装を彩る和装の小物も発展してきました。
京都祇園にある井澤屋は、その創業が慶応元年(1865年)幕末の頃と歴史が古く、祇園の舞妓さんや着物文化とともに、歩み続けて現代に至っています。南座の前にお店を構えていることもあって、梨園の方にも愛されている名店です。そんな井澤屋が扱う和装のバッグは、京都西陣織の生地を使った「葵」「ふたば」という2つのシリーズがあります。「葵」はフォーマル使いを、「ふたば」は日常使いをイメージして作られています。また、化繊ちりめんや麻などを使った、普段使いのトートバッグやショルダーバッグ、ボストンバッグなどもあります。和装バッグとはいえ、洋装のサブバッグとしてももてる、可愛らしいデザインのものが豊富に揃っています。
和装バッグの中には、小紋やアンサンブルなど、カジュアルに着物を着た時のバッグとして、また洋装で持てるような、かわいいデザインのカジュアルバッグもあります。
創業1886年のさんびという、四条烏丸や嵐山に店舗を構える和装小物を扱っているお店の、近江ちぢみを使った手提げバッグは、留め具代わりに組紐を用いた、可愛らしいフォルムをしています。無地なので、着物だけでなく、洋装にも合わせることが出来ます。
また、がま口専門店などで扱っているがま口のポーチやバッグも、和装・洋装どちらでもカジュアルに持つことが出来ます。
トートバッグなどは、お茶やお花のお稽古バッグとして使うこともできます。
京都には、西陣織という先染め糸を使った紋織物があります。平安から続く技術を用い、創造力・表現力豊かな文様が織り続けられています。
嘉永3年(1850年)から西陣織の製造と販売を行ってきた仙福屋宗介では、西陣の帯からバッグを作っています。面の部分にお太鼓の美しい文様が来るよう裁断して制作しますので、1本の帯から3つのバッグしか作ることが出来ません。西陣織の帯をぜいたくに使って作るバッグは、西陣の帯を十分に理解した職人が、帯を1つ1つ吟味して裁断し手作りしています。
caedeのZIMAは、京都の竹垣をイメージして作られており、ナチュラルな白のレザーを使って作られていますので、どの様な和の装いでも、持つことが出来ます。
■ zimaシリーズはこちらから
Zima
また、Piccoloは、ボストンタイプの小ぶりのハンドバッグで、カエデの葉があしらわれたシンプルなデザインです。
フォーマルな場ではなく、カジュアルな場で和服に合わせて持つこともできます。
ショルダー用のベルトも付いていますので、洋装でも持つことが出来る、可愛らしいバッグです。
■ piccoloシリーズはこちらから
https://caede-kyoto.com/collection/piccolo/
さんび堂は、明治19年創業の歴史ある和装小物のトップブランド「さんび」が展開する和小物の専門店になります。その店構えは、街に溶け込み昔からそこにあったかのような雰囲気です。日本の伝統技術を生かし洗練されたデザインの和小物、がま口・風呂敷・手拭い・帯留・バッグなどのオリジナル商品含む、選りすぐりの商品が並びます。
ここでご紹介するのは利休バック。服装に同じくバッグにもTPOに合わせた決まりがあり、ハレの席では「殺生を嫌う」という意味で、革の小物は避けるのが古くからの日本のしきたりでした。そこで使われるのは西陣織帯地をはじめとした、選りすぐりの素材です。細密に織り上げられた織り目が生み出す光沢感、やさしい手触り、緻密な縫製から伝わる安心感など細部までこだわり、職人の手によって、ひとつひとつ丁寧に作られています。
京都でスタンダードともいえる梅の絞りの正絹帯揚げ地を全面に使用した利休バックや、また、カラフルな持ち手が可愛い和モダンな手提げバッグ、こちらは伝統のある「伊勢木綿」で仕立てられています。たくさんの商品が目を引きます。
様々な京都の伝統を感じる高級感ある商品が並ぶので、一度覗いてみてはいかがでしょうか?
京都 きもの京小町は着物を楽しみ、着物について学び、作り手さんの想いを伝えることを主体として、着物はもちろん和装小物まで幅広く販売しています。京都に本店はありますがオンラインショップもとても充実していて、覗いてみるとその取扱い商品数の多さと幅広さに驚かされます。着物一つとっても格式高いものからデニム着物といった風変わりのもの、子供の七五三用などあらゆるニーズに対応できる品揃えとなっています。また、着物のクリーニングや汚れ防止の加工までお世話もしてもらえますし、着物にちなんだイベントや教室なども様々行っています。ホームページには着物デビューを応援といった内容も記載されていますが、まさにそれが感じられるサービス内容となっています。これから着物に挑戦してみたいという初心者から、こだわりを持って着物を楽しんでいる上級者までぜひおすすめしたいお店となっています。
そんな中バッグの品揃えといいますとこちらもまた幅広く、カジュアルお出かけバッグからこだわり素材やデザインの置物バッグ、お着物収納バッグやブラックフォーマルまで様々です。きっとお気に入りのバッグに出会うことができるでしょう。
アーケードが目印の寺町京極商店街の入り口、四条通りを北へ向かうと5軒目にある白色のビルが 「 ゑり正本店 」 です。
1775年(安永4年)より創業している歴史ある老舗ではありますが、特に敷居が高くて入りづらいといったこともなく、あくまで普段遣いの商品を取り扱う気楽に入ることができるお店となっています。
店舗の顔となるショウウィンドウには一週間ごとに切り替わる季節にあったおすすめ商品が並びます。お買い物の参考にしてみるにも良いでしょう。また、店内には、半襟・帯揚げ・帯締め・肌着襦袢・着付け道具など多岐にわたるオリジナル商品がメインとなり所狭しと並びます。また、常設ワゴンには作務衣・簡単な木綿のキモノ・ 夏は甚平、冬は綿入り袢纏なども販売されています。
こちらのお店のおすすめバッグは、オリジナル商品その名も「モケモケ」です。広く愛されるあおりバッグをベースにファーでもないキャンバスでもない絶妙な素材感が楽しいカジュアルにも正装にも対応できそうな逸品です。その他にもリネン素材のトートバッグや、上品なレース柄のあおりバッグなども取り揃えがあります。
和小物さくらは、老舗が数多く存在する京都の中ではまだまだ日が浅い会社ではありますが、現代のニーズを取り入れつつも和の心京都らしさを大事にした和装まわりの小物を手掛けています。
その特徴としては、現代の着物文化に適応するようなモダンスタイルに加えて京都職人の技が光る逸品の数々です。和小物さくらとしては初となるニューヨークでの展示会を開催するなど意欲的な活動をしています。
そんな和小物さくらが手掛けるバッグは、持っていると女性として気分が上がるような上品で繊細なデザインのものが多く、モダンでやさしい京都らしさが光り、着物に合うように大きさや形までこだわり抜かれた品々です。中でもタイ製竹細工バッグは、タイのバンコク郊外に構える自然に囲まれた工房にて、女性メインの職人たちによって手編みされた、まるで織物のような繊細な模様が施された逸品たちです。こちらはタイ王室で国賓への贈答品としても用いられています。
まとめ
多くの和装バッグは、西陣織などの帯を使ったもので、利休や伊達など、形も決まったものが殆どでした。また、振袖を着た時に持つバッグなどは、草履とセットで作られたものが多く、洋装には合わせにくいデザイン・柄のものが多くみられました。
しかし、現在ではカジュアルにもてるような和装バッグなども増え、洋装で持っても違和感がないデザイン・柄のものもあります。
更に、レザーの和洋を問わず持てるバッグも増えており、その選択肢が増えてきています。
それでも、京都の伝統的な織物でもある西陣織のバッグは、若い方ももてる柄もありますので、1つは持っておいて欲しいバッグの1つです。