京都は昔からの歴史的建造物などが多くあることを、みなさんご存知だと思います。京都には、世界遺産が17つもあると言われています。清水寺をはじめ、二条城や天龍寺、東寺など多くの方がご存知の場所も多いでしょう。日本の中でも世界から認められている素晴らしい場所が多くある京都には、まだまだ知られていない魅力もたくさんあります。京都の寺院で見られる歴史的建造物と桜が作り出す美しい景色を少し覗いてみませんか?
京都の寺院を訪れるならば、ここで桜を見るべき場所は、「仁和寺」と「東寺」になります。さてそれぞれの魅力を見ていきましょう。
仁和寺は、平安時代に建てられ江戸時代の終わりまで代々皇族が住職を務める寺院で由緒正しいお寺になります。平安時代から鎌倉時代においては、最も格式が高いとされた寺院でもあります。仁和寺の桜が素晴らしい場所と言えば、中門をくぐった西側一帯になります。国の名勝にも指定されている「御室桜」の林には、約200本の桜があります。重要文化財である高さ32メートルの五重塔と「御室桜」が作り上げる絶景は、ぜひ多くの方に見て頂きたいものです。この「御室」とは、天皇が出家して住まわれた御座所のことを言います。平安時代、宇多天皇が出家して仁和寺に御室を設けて住まれたことから、「御室御所(おむろごしょ)」と称されるようになりました。御室桜は「日本さくら名所100選」にも選ばれるほど美しいものになります。
御室桜の特徴は、高さが低いことになります。普通の桜の樹高が、例えばソメイヨシノであれば10m~15mであるのに対して、御室桜の樹高は2〜3m程しかなく、比べてみると樹高が低いことがよくわかります。この樹高が低い理由は、近年までは桜の下に硬い岩盤があるためと言われていました。しかし、最新の調査では岩盤ではなく粘土質の土壌が原因では…とも言われ、現在も「御室桜」の背の低さの秘密については、解明されていないようです。樹高が低いことに、お多福の鼻が低いことが掛けられ、お多福桜と昔は呼ばれていました。御室桜の絶景は、樹高が低いことにより生まれたものとも言えます。
世界遺産の五重塔と樹齢130年の桜が作り出す絶景「東寺」
多くの人には東寺として知られていますが、正式名称は教王護国寺と言います。国宝に指定されている「五重塔」は徳川家光が再建したものになります。高さが55mと日本一の高さを誇ります。ここでおすすめしたいのがライトアップされた東寺と桜の景色になります。樹齢130年を超える不二桜の佇まいを表現しようと思ったら、言葉を失うほどの美しさと、まさに言えるのではないでしょうか。弘法大師空海の「不二の教え」にちなんで、名付けられた名物桜とも言われています。国宝・五重塔をバックに華麗に咲き誇る姿は、歴史的建造物と桜が作り出す京都らしい景色とも言えます。この絶景と合わせて楽しい魅力は他にもあります。東寺では、毎月21日には「東寺弘法市」が開かれ、さまざまな店が出店します。お店の数は1,200店~1,300店と大変多く、骨董品だけでなく、京野菜やお酒など、京都のおいしいものも並ぶのでこれに合わせて桜を見に行くのもいいでしょう。
京都の寺院で桜を楽しむ為に大事なことが、桜の見頃や満開になるタイミングを知ること
京都の平年の開花は、3月28日と言われています。2024年最新の開花情報では、2024年の京都のソメイヨシノの開花は、3月22-23日頃と発表され、平年より数日早いと言われています。開花から満開になる目安として、気温が大きく関係してきます。詳しい温度で見ていくと、ソメイヨシノであれば、2月1日以降の最高気温の合計が600度を超えると開花すると言われ、800度を超えたときに満開になると言われています。桜の開花のタイミングはもちろん地域によって違いますが、だいたい開花後5日~1週間で満開になります。なお京都市内には、二条城内に標準木があり、その桜が5~6輪以上咲いたことで、開花宣言が出されます。2024年京都の桜の満開は、おおよそ4月1-2日ぐらいぐらいと言えるでしょう。
さてあなたも2024年の春は、京都の寺院で桜を楽しんでみてはいかがですか?
2024年京都の桜情報の総合記事はこちらです。
日本の桜の名所が多く集まる京都。2024年の見頃はいつ頃になる?