竹は古くから、道具として加工され使われてきました。古くは、正倉院にもその遺品が所蔵されていたそうです。そして、鎌倉時代になると建材としても利用されるようになっていきます。
京とは、そんな竹の名産地としても古くから知られ、竹細工の工芸士なども多く存在しています。そして、その竹細工の中には、竹籠があり、現在ではその竹籠をバッグにアレンジしています。
1898年に東京で創業し、現在は京都に本社を構える「公長斎小菅」は、竹工芸品の製造と卸し・小売を行っている竹工芸のメーカーです。
しなやかで靱性がある竹を加工する技術を追求し、インテリア雑貨やキッチン雑貨などの現代の生活様式にも合った製品を作っています。
その竹細工の技術を活かしたバッグは、染めた後に漆を塗り込んでいますので、独特の光沢を放っているだけでなく、使い込むことでより良い味わいを醸し出します。本体は細く割いた竹で編まれた篭で、中に巾着袋を装着しています。その色合いも、竹の色に合わせた渋めのものであったり、黒く染めた竹に合わせた色で合ったりと、落ち着いたデザインです。そのため、和装だけでなく、洋装にも合わせることが出来ます。
夏の絽の着物に合わせて持つと、熱い京都の中でも涼しさを演出することが出来ます。
京都市内にある竹工房では、竹細工の体験教室なども行っています。経験内容の中には、竹篭作りもあります。
工房によって、作れる竹籠の種類が違いますが、殆どが「四海波」という花篭です。この「四海波」以外の篭作りを行っている工房もあります。横山竹材店では、よろず篭やえび篭なども作ることが出来ます。対象年齢が6歳からとなっていますので、子供連れでの体験も可能です。
また、竹細工の多くが茶道具として使われているということもあり、茶杓つくりなども行っています。茶道具を主に作っている工房なら、茶杓のほか茶筅つくりの体験を行っていることもあります。茶杓つくりの場合、白竹だけでなく、煤竹や錆竹などを選択することもできます。また、竹製の茶杓入れを別途購入することもできます。
茶杓は、先を火であぶって曲げなければなりませんが、その工程が上手くできれば、それほど難しくはありません。ですが、体験コースの中には、既に先を曲げてある材料を使って行うものもあります。
ポピュラーなものとしては、竹を削って作る「My箸」作りです。自分のお箸を、竹を削って作るといった体験は、殆どの工房で行われています。箸つくりのコースとしては、既にほぼお箸の形状をした竹を、やすりで削って作る初心者コースと、竹の棒をナイフで削ってお箸の形状を作るところから始めるコースがあります。
大分県の湯布院には、竹工芸家の高見八州洋氏が工房を構え、作品を作っています。
彼の作る竹籠バッグ「買い物かご」は、一昔前、サザエさんやちびまる子ちゃんに出てくる、お母さんが持って歩く買い物かごに似ています。
彼のお嬢さんが服飾デザイナーで、「Crafty」という竹細工カゴバッグブランドを立ち上げ、作品を作っています。
京都の竹籠バッグの殆どが、竹籠の中にシルクや綿、麻などの素材でできた巾着を入れています。ですが、彼女のカゴバッグは、キャンパス地やレザーなどを組み合わせ、トートバッグやショルダーバッグなどを作っています。
竹籠には特に色を付けず、そのままの経年変化を楽しめるようにしています。そのため、黒いレザーを合わせても、それほど重いイメージはなく、カジュアルな洋装に合わせることが出来ます。
篭に合わせている素材によっては、夏だけでなく秋や春にも使うことが出来ます。
caedeのZimaというバッグは、レザーバッグなのですがそのデザインが京都の竹垣を想起させます。
白のレザーを網代で編んだような竹垣が、洋の中に和を感じさせるデザインとなっています。またチャームに同じ白のレザーで作られたカエデの葉が数枚使われており、和のイメージを強めてくれます。
竹籠のバッグではありませんが、その色とデザインは、シーンを選ばず和装・洋装でも持つことが出来る、涼しげなバッグです。
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Zima