京都の紅葉が美しいには理由がある?!紅葉する葉の主な種類とおすすめ紅葉スポットをご紹介!

京都の紅葉は、日本のみならず世界的にも美しい事で有名です。この美しさを作り出しているのは、京都に数多く存在する歴史ある建物が織りなす景色はもちろんですが、そこに色を加える様々な木々と言っても過言ではありません。紅葉の美しさを作り出す木々の事を、あなたはどのぐらいご存知でしょうか?様々な種類の木々の葉が作り出す、天然の芸術作品の秘密をご紹介するとともに、京都らしい美しい紅葉の景色を見ることが出来るおすすめの名所をいくつかご紹介いたします

日本全国にある紅葉の名所の中でも、特に京都の紅葉は美しいことで、国内のみならず海外でもとても有名です。平安時代からその美しさが謳われるほど、遥か遠い昔から現在まで受け継がれています。京都の紅葉が美しいと言われる理由は、木々の葉が緑から黄色、赤、そして深みのある赤へと移ろいでいくコントラストの素晴らしさが理由の一つのようです。それは、もみじの種類や角度によって様々な風景をつくりだす自然が生んだ芸術作品でもあります。

京都を彩る紅葉の葉について

植物には、秋になると赤や黄などに紅葉するものと、そうでないものがありますよね。紅葉する植物は多数あり、イロハモミジの仲間だけでも世界で約150種類も存在すると言われています。この数を聞いて驚いた方も多い事でしょう。さて、京都では何種類の美しいイロハモミジが、見られるかお分かりになるでしょうか?正解は…なんとその数14種類にもなります。 美しい紅葉を見られる様になるには、気温が大きく関わっていると言われています。最低気温が8度以下の日が続くことで、葉っぱが緑色から赤色や黄色に変化し、最低気温が5~6度になることで一気に色付きが濃くなると言われています。夏から秋へのイロハモミジの衣替えにより、秋の京都を色鮮やかに飾り付けてくれると言えるでしょう。

モミジ

京都で多く見られる代表的なモミジは、「イロハモミジ」と呼ばれる3㎝~7㎝のものです。葉が小さめで、葉のふちのギザギザが大小不揃いなのも特徴です。イロハモミジにも花言葉があり、その中に「大切な思い出」という花言葉がありますイロハモミジが色づき、人々の心を楽しませる事から、この言葉が付いたとも言われています。またその他には「自生」「遠慮」などの花言葉が付いており、これらもイロハモミジが、山々に静かにひっそりと佇む様子から付いたとも言われています。なんとも素敵な意味合いが詰まっていますね。イロハモミジよりも大きな葉が特徴な「オオモミジ」も、京都の紅葉の名所でよく見られます。やや厚みのある葉で、ふちに細かいギザギザがあります。 ここで豆知識ですが、モミジとカエデは似ていると感じた人も多いのではないでしょうか?この違いは、「葉の切れ込みの深さ」にあります。モミジは葉の切れ込みが「深い」のに対して、カエデは葉の切れ込みが「浅い」特徴があります。このふたつはカエデ科のカエデ属なので植物の中で分類としては同じではありますが、小さな特徴によって呼び名が変わる様です。 [hr][/hr]

イチョウ

イチョウもモミジと同様に、秋になると紅葉する植物として有名ですよね。多くの方が銀杏をイメージするかと思います。おいしい実が付くだけではなく、黄色く色づくイチョウの葉はとても美しい物です。美しく色付く見頃は、10月~12月と言われています。イチョウは害虫に強く寿命が長く、木々の高さがなんと30ⅿにもなる巨木もある物もあります。 [hr][/hr]

ウリハダカエデ

葉の大きさは10㎝~15㎝で、やや厚めの葉が特徴です。葉は大きく五角形であるのが特徴です。葉の裏には細かい毛があり、黄色から赤へ紅葉します。ウリハダカエデは、樹皮に青緑の模様があるのが特徴とも言えます。この色合いが、クワウリの熟していない実の色に似ているという事で、ウリハダカエデと呼ばれるようになりました。 [hr][/hr]

ヤマウルシ

葉の両面に細かい軟毛が生えているのが特徴です。標高の高い場所に多く見られ、樹高は、3m~8mになります。10月を過ぎると葉っぱが、美しい赤色へと色付きます。漆液が出ることが「ヤマウルシ」という名前の由来です。

紅葉が美しい京都の名所は?

京都の紅葉が美しく見られる時期は、例年でいくと、11月上旬頃から12月上旬と言われています。京都は数多くの紅葉の名所がありますが、中でも緑や赤、黄のコントラストが美しい紅葉の名所をいくつかご紹介します。

天龍寺

今から25年程前に「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録された天龍寺。天龍寺は、天皇が亡くなった後、その魂を慰める為に足利尊氏によって建てられました。足利家と共にお寺は繁栄し、滅びていったと言われています。天龍寺は火災により、何度も焼失しては再建を繰り返し、現在の建物の多くは、今から84年前に建てられました。その中でも火災から逃れた建物が、塔頭の松厳寺、慈済院、弘源寺になります。そして、天龍寺は京都五山のひとつとしても有名です。京都五山とは、鎌倉時代にお寺の格式を定めた制度と言われ、臨済宗の五大寺である南禅寺、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺になります。 こちらは、秋になると京都らしい色鮮やかな紅葉で訪れる観光客の目を楽しませてくれます。天龍寺では、周辺の山々の色鮮やかな紅葉を借景にした美しい庭園が一番の見どころです。その他に、京都市内を一望する事が出来る「望京の丘」もおすすめです。その名の通り、見晴らしがとても良く、京都市内の紅葉を一気に楽しむことも出来ます。紅葉を上から眺める事はなかなかありませんので、ぜひ多くの方に体感していただきたいものです。同じ年の秋でも、期間を少し開けて2度、3度と訪れると、そのたびに葉の色が変化して印象の異なる風景を鑑賞することも出来る場所とも言えるでしょう。

天龍寺

住所:〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68

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永観堂

永観堂とは、禅林寺の通称です。京都の中でも多くの人が一度は耳にした事のある、有名な観光地「哲学の道」の出発点付近に位置しているお寺になります。永観堂の由来とは、禅林寺の大きな発展に貢献した永観律師に関係していると言われています。永観律師は、境内に無料で貧しい人の病気を治療する施療院を建て、困っている人々の為に、慈善事業を積極的行っていました。これらの事から永観律師は多くの人々から慕われ、それらの人々が「永観堂」と呼び始めたのがきっかけと言われています。 多くの人々に慕われていた永観堂は、古今和歌集で「もみじの永観堂」と詠まれるほど美しい紅葉で有名です。その美しさは遥か昔の1000年も前から現代に続いているという事は奇跡とも言えるでしょう。例年の見頃とされる11月中旬を過ぎると、約3000本のイロハモミジやオオモミジが庭園を彩ります。また、多宝塔から臨める京都の街の風景にも所々赤や黄にそまった紅葉をみることができます。

永観堂

住所:〒606-8445 京都府京都市左京区永観堂町48

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もみじのトンネル

その名の通り、赤や黄、橙などの紅葉がまるでトンネルのような紅葉の名所です。叡山電鉄の「市原駅」から「二ノ瀬駅」の間の約250mが「もみじのトンネル」と呼ばれ、紅葉の見頃となる11月には期間限定でこのトンネルを通過する際は車内の灯りが消され、ゆっくりと走行してくれるので、幻想的な紅葉を車窓からゆっくりと鑑賞することができるのです。期間限定のライトアップは、混雑が予想されます。穴場の時間としては、平日20時過ぎの鞍馬行きの電車を狙っていくと、紅葉の景色を思う存分感じる事が出来るでしょう。また展望列車「きらら」はとてもおすすめです。もちろん一般の車窓からも紅葉を楽しむ事は出来ますが、景色が見えやすいように考えられた大きな窓から見える紅葉は圧巻と言えるでしょう。昼間の壮大な景色と夜の幻想的な景色、どちらもとても魅力的ですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

もみじのトンネル

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まとめ 京都の紅葉は日本のみならず世界的にも美しいことで有名ですが、その美しさには理由があります。いろんな種類の木々の葉が作り出す天然の芸術作品の秘密は、緑や赤、黄、橙と色とりどりの葉が織りなすコントラストです。自然が作り出す美しい景色は、同じ場所でも、その時々で違う景色を見せ、これもまた魅力とも言えるでしょう。何度も足を運びたくなる…その魅力をあなたも体感していただきたい物です。今年は、木々のひとつひとつに着目してみるのも新しい紅葉の楽しみ方とも言えるでしょう。京都らしい美しい紅葉を見ることができるおすすめの名所である、「天龍寺」「永観堂」「もみじのトンネル」を訪れて、素敵な思い出を作ってみてはいかがでしょうか。