古来より鎮座する厄除けの神 「玉の輿」の発祥はここ「今宮神社」

平安遷都以前から鎮疫の神として信仰されている今宮神社。「玉の輿」のご利益で人気を集める古社には、願い事を占う神占石や厄除けの奇祭、門前に向い合う名物茶店など、興味深いスポットや祭礼も盛りだくさんです。

今宮神社は、西陣一帯の信仰を集める健康長寿・良縁開運の神社。かつてこの神社を篤く信仰した町娘・お玉が後に徳川5代将軍綱吉の生母・桂昌院となったことから、「玉の輿」という言葉の発祥地ともいわれています。厄除けの社としても知られ、平安遷都以前から疫神が祀られていましたが、平安時代の疫病流行の折に新たに神殿を造営したことから、「今宮」と称されるようになりました。また、境内には「本社」や「疫社」をはじめ、多くの社が鎮座。織物の祖神で技芸上達の神「織姫社」、平安京の守護神「大将軍社」、石清水八幡宮の御祭神を祀る「八幡社」、一棟に八幡社や住吉社など全国の八社が集まる「八社」など、ご利益もたくさん授かれそうです。毎月1日には今宮市手作りフリーマーケットも開催され、地元の人に親しまれています。

叩いて撫でて占う「阿呆賢さん」

境内の一角にあり、「阿呆賢(あほかし)さん」と呼ばれる重軽石。健康の回復を早める石と伝わるとともに、願い事を占う石「神占石(かみうらいし)」としても人気です。まず手の平で3回叩いてから持ち上げ、今度は願いを込めて3度撫でてから再び持ち上げて、1度目より軽くなっていれば願いが叶うそうです。 病気平癒を願いながら石を撫で、その手で体の悪いところを撫でると健康回復が早まるといわれています。

厄除と花鎮めの奇祭「やすらい祭」

4月の第2日曜に行われる「やすらい祭」。重要無形民俗文化財に指定され、「鞍馬の火祭」、「太秦の牛祭」とともに、京の三奇祭の一つとされています。桜や椿などで飾られた花傘を中心に鬼たちの祭りの行列が踊り歩き、無病息災を祈ります。花傘の下に入ると1年健康に過ごせるといわれています。本殿前で赤毛と黒毛の鬼がお囃子に合わせて跳ね躍り鎮疫を願う光景は圧巻です。写真は、緩急をつけて躍動的に安寧の踊りを奉納する鬼たち。

向かい合う今宮名物「あぶり餅」

炭火で焼きあげた餅に、白味噌ベースのタレをかけた「あぶり餅」。今宮神社の東門前で売られる甘味で、参道には「一文字屋和輔」と「かざりや」の2店が向かい合って店を開いています。香ばしい名物餅を、ぜひご賞味あれ! 写真は「一文字屋和輔」のあぶり餅。

「玉の輿お守」をいただいて幸運をGET!

徳川五代将軍綱吉公の生母桂昌院(けいしょういん)は、「お玉」という西陣の八百屋の娘でしたが、三代将軍家光の側室となり、後に将軍綱吉の母として大奥で華やかな日々を過ごし、従一位という女性として最高の地位に昇り詰めました。このことから、「玉の輿」という言葉が生まれたとされています。桂昌院は、故郷西陣にある今宮社が当時荒れているのを嘆き、奉行に命じて社殿や祭礼を復興させました。境内にはその業績をたたえ、レリーフが立てられています。 [hr][/hr]

まとめ 今宮神社(いまみやじんじゃ) TEL.075-491-0082 ●京都市北区紫野今宮町21 ●市バス停今宮神社前から徒歩すぐ ●境内自由(社務所は9時~17時) ●P44台(有料)