京都にはたくさんの観光スポットがあって、大人目線では退屈を感じることはほとんどありません。しかし、家族でお出かけをした場合、もしかすると子供が退屈を感じているのではと考えたことはありませんか。そうした不安を解消すべく、子供目線で楽しめるスポットの数々を一堂に取りそろえてみました。
京都には2000を越える神社仏閣があります。歴史や文学に興味がある人であれば、それらにさまざまな方向性から興味を向けることになるでしょうし、人文学的な側面からではなくて春の桜や秋の紅葉の折などの自然散策といった美的関心の方向からアプローチをする人もいるでしょう。
興味・関心の持ち方は十人十色、人それぞれなのです。では、成人のそうした関心ではなく、家族で出かけて小さな子供でも楽しめる場所となるとどうでしょうか。デパートで催されるヒーローショーのような最初から子供を対象に計画されたアトラクションが用意されている神社仏閣は、普通は思いつきません。
時には、六道珍皇寺などのように地獄絵を題材に子供向けにアレンジされた法話が実施されるケースがあったり、はたまた北野天満宮の大黒天灯籠に彫られた大黒様のお顔をお子様の方が主体的に面白がってくれたりするケースもあるでしょうが、レアなパターンです。より一般的には、広いスペースがあって子供が元気に走り回ることができる場所、あるいは遊園地並みとまでいわなくてもそこそこの遊具が揃っている場所、そうした所が子供も楽しめる観光スポットということになるはずです。
そうした視点で京都を眺め回すと、真っ先にノミネートされるのが岡崎の京都市動物園です。子供は基本的に動くもの、動物が大好きと相場が決まっています。某アニメとのコラボ云々など「大きな子供」も含めた企画もありますが、そういった邪道的な方向でなくても動物園は子供にとっては楽しい場所です。
サル山でニホンザルたちの挙動を見ているだけでも面白いし、トラやライオンなどお馴染みの猛獣を実物で眺めるのは、スリリングな経験となります。飼育されている動物を見るだけでなく、展示施設(動物資料室)やふれあいのできる施設(おとぎの国)などもあり、楽しみ方のバリエーションも豊富です。
岡崎の動物園に比べると静的で子供向けの訴求力は少し下がりますが、北山の植物園も子供にとって楽しめる場所です。こちらは園内中央に設けられた大芝生地が大空の下でのピクニック気分を演出してくれますし、思いっきり全力で走り回るという遊び方もできます。
大芝生地の広さは、地形図上でおおよその測定すると2000㎡を越える程度になりますので一般的な学校の体育館程度でしょうか。街々によくある都市公園と比べると、総面積ではなくて2000㎡(0.2ha)の空閑地が施設や植木等に遮られることなく確保されている場所は多くありません。また園内南西隅には「未来くん広場」と名付けられた遊具広場もありますので、そちらで遊ぶのもいいでしょう。
次のノミネートは、宝ヶ池公園の子どもの楽園です。地下鉄烏丸線の国際会館駅降りてすぐの宝ヶ池公園、その東端(地下鉄駅から北出入口までは徒歩10分くらい)にあります。敷地内は大広場ゾーンと遊具ゾーンのほかに、雑木林を活用して紅葉ほか、四季折々の自然とふれあうことができるように設計されたプレイパークゾーンがあります。府立植物園同様、青空の下でのびのび走り回ることのできる場所の1つにカウントしておいていいでしょう。
こうして並べていくと、京都市域には、いわゆる遊園地が少ないような雰囲気です。数十年昔なら八瀬に遊園地(八瀬遊園~スポールバレー京都~森のゆうえんち)がありましたが、それが閉鎖されて後は、遊園地らしい遊園地はひらかたパークが最寄りとなっています。ジェットコースターやメリーゴーラウンドのような伝統的イメージの遊具ではありませんが、比較的規模の大きな遊具がある場所なら、淀の京都競馬場を挙げるのもいいでしょう。
場内に併設された遊具には、ひだまり広場のふわふわドーム、緑の広場の大型遊具(すべり台など大型アスレチック遊具)などがあり、レース開催日には開放されますので家族連れで出かけて遊ぶことも可能となっています。なお親がレースに夢中になるあまり、子どもが迷子になって呼び出しが掛けられるケースがよくあるので、気をつけたいものです。
なお、最近は規模の大きな屋外施設は少なくなりつつありますが、デパート等の商業施設にテナントとして入る屋内遊園地は増加の傾向にあるようです。
これらは小規模遊園地というよりは、大規模ゲームセンターという方が実情を言い当てているようで、京都市域ではnamcoイオンモールKYOTO店やサードプラネットBiVi京都二条店、あるいはモーリーファンタジー京都桂川、ピュアハートキッズランド伏見桃山などがそれに該当します。