岡崎を見守る大鳥居 平安京を再現した「平安神宮」

京都三大祭のひとつ「時代祭」の時代行列の舞台としても知られる平安神宮。神宮道にそびえ立つ朱塗りの大鳥居や、平安朝の大内裏の一部を模した大極殿など、平安絵巻さながらの華やかな迫力に圧倒されること間違いなしです。

平安神宮は明治28年(1895)に平安遷都1100年を記念し、第50代桓武天皇を祭神に創建されました。当時、明治維新により都が東京へ移ったことで京都の町が著しい衰退を見せる中、千年以上栄え続けた都を後世に伝えるべく、市民の総社として建造されたのがはじまり。平安京を8分の5スケールで再現した朱塗りの大極殿や応天門、池泉回遊式庭園の神苑などが往時の華やかさを今に伝えています。また、明治36年(1903)の大極殿での結婚式を機に本殿や儀式殿が建てられ、現在までに5万組の結婚式が古式ゆかしく執り行われています。華やかな朱塗りの大鳥居は、昭和天皇の即位の礼を記念して昭和4年(1929)に建てられました。高さ約24m、柱の直径約3.5mは京都一の規模。応天門の真南に立ち、岡崎エリアのシンボルとして圧倒的な存在感を誇っています。

美しい社殿に華やかな平安京が偲ばれます

平安神宮の社殿は、桓武天皇が開いた当時の平安京の正庁、朝堂院を8分の5スケールで再現しています。碧瓦本葺・丹塗りの大極殿、二層楼碧瓦本葺・丹塗りの応天門、大極殿の東西に立つ白虎楼、蒼龍楼などは明治28年(1895)創建当時の姿。朱塗りの美しい社殿から1200年前の華やかな雰囲気を感じることができます。写真は、白砂に鮮烈な朱色が映える「大極殿」 平安朝大内裏の一部を再現しています。春は枝垂桜が一層華やかさを添えます。 大極殿前の「右近の橘」。初夏に白い花をつける橘の実は橘酒や橘菓子として授与されます(有料)。 こちらは当時のままの姿を見せる「左近の桜」。今も大極殿のシンボル的存在です。 大鳥居をくぐり参道をすすむと、平安京大内裏の正庁を模した「応天門」が迎えてくれます。勾欄を設けた丹塗りの二層楼で国の重要文化財です。 創建当時に造営された建造物の一つで大極殿の西に立つ「白虎楼」。東の蒼龍楼と共に鮮やかな朱で塗られた楼閣は、華やかな当時を偲ばせます。

平安朝様式を模した美しい神苑

近代庭園の先駆者・7代目小川治兵衛が手がけた池泉回遊式庭園で、国の名勝に指定されている「神苑」。本殿の東西に広がる33000㎡の敷地は東・中・西・南の4苑にわかれていて、春の紅しだれ桜、初夏の杜若・花菖蒲、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々それぞれに美しい姿を見せてくれます。 神苑の栖鳳池にかかる「泰平閣」は御所から移築されたもので、ここからの花の眺めは特に綺麗です。

「献菓祭」や「時代祭」でも有名

毎年11月24日に開催される「献菓祭」と、その前後の日を含めて3日間開催される「献菓展」。全国から奉献された銘菓を神前に供え、菓子業界の繁栄を祈願する祭儀です。境内額殿には各地の銘菓や京都の伝統の技が織り込まれた工芸菓子が展示され、一部販売も行われます。また、毎年10月22日に行われる「時代祭」は、京都三大祭のひとつ。明治維新時代の維新勤王隊が奏でる笛や太鼓を先頭に、延暦時代の延暦文官参朝列まで、時代絵巻さながらの行列は約2km、2000人に及びます。各時代行列に使用する衣裳や祭具が、厳密な時代考証をもとに作製された「本物であるところ」がみどころです。ほかにも、2月3日の「節分祭」、2月11日の「紀元祭」、4月15日の「例祭」など、たくさんの行事があります。 [hr][/hr]

まとめ 平安神宮(へいあんじんぐう) TEL.075-761-0221 ●京都市左京区岡崎西天王町 ●市バス岡崎公園 美術館・平安神宮前から徒歩すぐ ●6 時~18時(神苑8時30分~17時30分)※季節により変動あり ●無休 ●拝観無料(神苑600円) ●市営駐車場(有料)