平安時代に醍醐天皇も夢中になったわらび餅 ねねの道・花見小路・嵐山の人気甘味処で堪能

京都を代表する和菓子のひとつ・わらび餅。現在のようなわらび餅は鎌倉時代に誕生したといわれていますが、平安時代には醍醐天皇がわらび餅を愛するあまり、わらび餅に「太夫」の称号を与えてしまったという逸話まで残されています。ツルンとした食感のわらび餅は、できたてを味わうのがベスト。そこで今回は、京都でわらび餅を楽しめるお店を3軒ご紹介します。高台寺・ねねの道、祇園・花見小路、嵐山といずれも風情豊かな観光地にあるので、名所めぐりの休憩スポットとして押さえておきたいですね。

豊臣秀吉の妻・ねねゆかりの高台寺の北隣・ねねの道沿いにある甘味処「高台寺 洛匠」。木々や灯篭が配された庭を望む店内は、テーブル席と座敷が用意され、素朴な甘味を味わいながらひと休みできます。 こちらでぜひ味わいたいのが、宇治茶の老舗・丸久小山園の抹茶がふんだんに練り込まれた草わらび餅720円。とろけるような食感に抹茶ときな粉の風味がマッチした創業当時からの名物で、口の中にやさしい甘みが広がります。イートインはもちろん、店頭ではテイクアウト用の商品も540円~用意されているので、おみやげにもおすすめ 周辺の景観に溶け込む数奇屋造りの建物も風情たっぷり。春は桜やツツジ、夏は菖蒲、秋は紫式部やツワブキ、冬は椿といった季節の花が庭を彩り、池には錦鯉の泳ぐ姿も見られます。

花街で行列必至ができる人気店「ぎおん徳屋」

「ぎおん徳屋」が店を構えるのは祇園のメインストリート・花見小路通。かつて、お茶屋に上る芸舞妓さんの教育や管理を行った検番所の跡地で、入口にお稽古の時間割が記された黒板が掲げられるなど、お茶屋の名残も興味深い一軒です。 素材の質を何よりも大切にする同店の看板メニューは、上質な本わらび粉を使い、自家製きな粉と黒蜜でいただく「徳屋のわらび餅」1200円。オーダー後にわらび粉を練り上げるため、とろけるような食感でありながらしっかりとしたコシを楽しめます。わらび餅は持ち帰り用も用意されています。 紅殻格子や提灯、暖簾など、花街らしい風情あふれる店の前はいつも行列ができています。開店直後なら、比較的スムーズに入店できそうですよ。

「老松 嵐山店」

京都・上七軒に本店を構える京菓子司「老松」は、明治41年(1908)から続く和菓子店で、古くから朝廷に伝わる儀式や典礼で提供される有職菓子の御調新所としても知られています。婚礼菓子や茶席菓子のみならず新しい菓子も日々生み出され、職人さんによって一つずつ丁寧に作られる和菓子は四季折々の情景をまとった品のある味わいが魅力です。 嵐電嵐山駅から徒歩5分の嵐山店では店内奥に坪庭を望む茶房が設けられ、季節の和菓子や甘味をゆっくり楽しむことできます。 茶房でいただける本わらび餅1296円は、貴重な本わらび粉を使い、もっちりとしたコシのある食感を堪能できる看板メニュー。特製きな粉と黒蜜をかけて召し上がれ。 [hr][/hr] 高台寺 洛匠 TEL:075-561-6892 ●京都市東山区高台寺北門前下河原東入ル鷲尾町516 ●市バス停東山安井から徒歩5分 ●9時30分~18時 ●不定休 ●Pなし ●http://rakusyou.co.jp/goaisatsu ぎおん徳屋 TEL:075-561-5554 ●京都市東山区祇園町南側570-127 ●市バス停祇園から徒歩3分 ●12~18時(売り切れ次第終了) ●不定休 ●Pなし ●http://www.gion-tokuya.jp/ 老松 嵐山店(おいまつ あらしやまてん) TEL:075-881-9033 ●嵐電嵐山駅から徒歩5分 ●9時30分~16時30分(販売は9~17時) ●不定休 ●Pなし http://oimatu.co.jp/