毘沙門堂へ動く襖絵を見に行ってみませんか

出典:毘沙門堂 – Wikipedia

毘沙門堂(びしゃもんどう)というお寺をご存知でしょうか。京都には神社が約800社、寺院が約1700社あると言われています。清水寺や金閣寺をはじめとした有名で魅力的なお寺がある中で、ここ毘沙門堂は平家縁の由緒あるお寺で、動く襖絵や紅葉、種類豊富な御朱印など様々な魅力で人気のある寺院として人々に愛されています。沢山の見どころがありますので、厳選して毘沙門堂の魅力をご紹介します。

毘沙門堂の名は京の七福神の一つとされている毘沙門天を祀っていることが由来です。文武天皇の命により僧であった行基が開山した天台宗の寺院で、当時は出雲寺という名前だったそうです。荒廃や再生、移転と様々な歴史の上に今の姿があり、商売繁盛や家内安全のご利益があるとされています。この寺院は2011年のJR東海「そうだ、京都 行こう」で紅葉の風景がポスターに使われたことで有名にもなり、春は桜、秋は紅葉とドウダンツツジを求めて多くの人が訪れます。毘沙門堂は三千院、妙法院、青蓮院、曼殊院と共に京都五ヶ室門跡に数えられています。門跡とは皇室などの高貴な人が住職をして受け継がれてきたお寺のことです。毘沙門堂は気品があり、心がほっとするような雰囲気を持ったお寺です。

毘沙門堂の見どころ

勅使門

勅使門とは天皇の代わりに天皇の言葉や意思を伝える役目を持った役人だけが通ることのできる門で、1693年に宸殿と共に移築されてきました。勅使は天皇の言葉を伝えるため、天皇と同等のおもてなしを受けており、天皇を迎えるにふさわしい立派な門として勅使門ができました。秋の紅葉した木々も美しいですが、毘沙門堂で話題となる景色はある程度紅葉した葉が落ちてしまった後の敷きもみじです。勅使門への緩やかな広めの階段が赤い葉で埋め尽くされとても美しい景色が楽しめます。勅使門の近くには樹齢100年を超える毘沙門しだれ桜があり、春は大変美しい花を咲かせています。 [hr][/hr]

宸殿襖絵

宸殿は1693年に新書院となった場所で、宸殿襖絵は動く襖絵として話題です。左から右に歩いていくと描いてある机が向きや大きさを変えたように見えるなど、常に鑑賞者が中心にいるような錯覚に落ちる逆遠近法が使われています。狩野益信という江戸時代前期に活躍した絵師の作品で、宸殿内部の障壁画百十六面は全て狩野益信の作品です。このだまし絵は解説を聞かないと分かりにくいですが、各部屋に説明してくれる方がいらっしゃり、丁寧に鑑賞の仕方を教えてくださるので、襖の素晴らしさを堪能することができます。 [hr][/hr]

天井龍

天井龍は霊殿という歴代の位牌などを保管している場所に描かれています。霊殿は1563年に建立されました。天井龍は、狩野永叔主信の作品で、この霊殿を守護している龍です。見る角度によって目の向きや顔が変化し、部屋を一周すると龍に追いかけられているような錯覚に陥ります。 [hr][/hr]

晩翠園(ばんすいえん)

晩翠園は江戸時代初期に造られた回遊式庭園で、谷川の水を引いてきて滝を造ったそうです。裏文字の形の池には千鳥石や亀石などが置かれた四季を楽しめる美しい庭園です。 [hr][/hr]

御朱印

毘沙門堂はかわいい御朱印が沢山あることでも有名です。中には期間限定や数量限定のものもあります。御朱印料は300円で、季節限定の御朱印は手すき和紙などの色紙にグラデーションのついたスタンプなどが押してあるそうです。例えば秋の紅葉の頃の御朱印には紅葉のスタンプが押してあり、この紅葉の色は実際の紅葉に合わせて毎日少しずつ変わっていくのだそうです。毘沙門堂を訪れるたびに思わず買ってしまいます。常に数種類の御朱印が置いてあり、どれでも購入することが可能ですが、人気のものはすぐに売り切れてしまうそうです。また、御朱印帳を買った人のみがいただける御朱印もあるらしく、すでに御朱印帳を持っていらっしゃる方もこの限定の御朱印が欲しくて御朱印帳を購入される方もいらっしゃるようです。

毘沙門堂 詳細

住所:京都府京都市山科区安朱稲荷山町18 アクセス:JR、地下鉄東西線 山科駅 徒歩20分 拝観時間:8:30~17:00      ※16:30に締まる場合もあるので詳しくはホームページをご確認ください。 拝観料:(宸殿・霊殿) 500円 ホームページ:http://bishamon.or.jp/ [hr][/hr]

いかがでしたか。格式高い毘沙門堂は風情と品のある静かで美しいお寺です。名所として名の知られている紅葉の頃の美しさはもちろんのこと、動く襖絵など魅力的な鑑賞ポイントが沢山あります。京都にお越しの際はぜひ毘沙門堂を訪れてはいかがでしょうか。