京都の紅葉を見る際にはパークアンドライド駐車場の利用が推進されていることをご存知ですか?
秋の京都、紅葉の美しさを求めて京都を訪れる人たちを悩ませるのが交通渋滞です。有名観光地に、国内国外を問わず、各地からたくさんの観光客が押し寄せるので致し方ないのですが、電車で行けるところを中心に巡るなど、立ち回り方次第で対応できる部分もありますので、そうしたスポットをご紹介していきましょう。
京都市はパークアンドライドを積極的に推進しています。そもそもパークアンドライドとは何でしょうか。マイカーと公共交通機関を使い分けて都市部の渋滞を緩和する取り組みです。京都市の場合、市バスが渋滞の原因にもなっていますので、マイカーと電車の効果的な利用と言い換えた方が良さそうです。また使い分けの実際はマイカーによる混雑エリアの乗り入れ自粛という形になります。
そこで問題になるのは、混雑エリアがどこかということです。初めて京都を訪れる観光客に混雑エリアを答えさせることはできませんので、田の字地区とか、嵐山界隈とか、東山界隈とかの言い方になってきます。これらを渋滞警戒という文脈で使われた場合で説明するなら、次のような感じでしょうか。田の字地区は京都市の道路が碁盤目になっているエリアで、広めに設定すれば東大路通−葛野大路通、今出川通−九条通ぐらいの範囲(元来はマンション規制が多い中心部を指して不動産業界で使われていた言葉、範囲もこれより狭い)。
嵐山界隈というのは帷子ノ辻より西側の三条通、東山界隈とは東大路通の東山三条と東山七条の間です。これらのエリアには車の進入を控えて駅近くの駐車場を利用を推奨しています。こうした流れを踏まえるなら、混雑を避ける云々にかかわらず、まずは電車や地下鉄のみでアクセスできるところがどこかを知っておくに越したことはないと言えそうです。
パークアンドライドのメリット
メリットとして挙げられるのは、途中で電車に乗り換えすることから、時間が読みやすく計画を立てやすいという点ではないでしょうか。また、京都の中心部から少し離れた場所の方が駐車場の空きを見つけやすいので、駐車場を探す手間や時間を費やす必要もありません。
さらに、パークアンドライドを利用すると一日の駐車料金は200~400円程度で済むので、コストの面でもメリットがあります。
パークアンドライドのデメリット
一方で、パークアンドライドのデメリットとして挙げられるのが、対応している駐車場が京都の観光地から離れているという点です。また、パークアンドライド割引が適用されるためには、交通系ICカードが必要だということも知っておきましょう。
嵐山は混雑と渋滞のど真ん中のような印象ですが、電車のみでのアクセスも可能です。嵐山渡月橋を目的地とするなら、京福・嵐山駅または阪急・嵐山駅が最寄駅です。
京福電鉄は、路線のほぼ全線が渋滞警戒ゾーンに含まれますので難しいところもありますが、阪急・嵐山駅から歩く場合は、阪急・桂駅でマイカーから電車に乗り換えることができ、パークアンドライドの実践になります。
海外での人気が抜きんでている伏見稲荷大社。ここも電車のみでアクセス可能のスポットです。
JR奈良線の稲荷駅または京阪本線の伏見稲荷駅が最寄りになるので、パークアンドライドの設定も大津だろうと丹波橋だろうと、かなり融通が利きます。
街のど真ん中と言っていいロケーションの二条城は、地下鉄東西線の二条城前駅が最寄駅なので、竹田駅で乗換などパークアンドライドの設定は簡単にできます。大手門前の大型駐車場の印象が強くマイカーでのアクセスが早そうでも、そうした発想が結果的に渋滞に巻き込まれたり、コインパーキングを探して二条城のまわりでウロウロという事態を招いてしまうことに・・・。
二条城のエリアは、100台以上駐車が可能な大きい駐車場が多く、1日駐車料金が1000円以下であるという点も魅力です。
世界遺産に登録されているところについて、電車によるアクセス条件はどうなっているでしょうか。二条城のように、鉄道駅から徒歩圏内と言えるのは、以下の6箇所です(カッコ内は最寄駅)。下鴨神社(京阪・出町柳)、東寺(近鉄・東寺)、仁和寺(京福・御室仁和寺)、天龍寺(京福・嵐山)、龍安寺(京福・龍安寺)。
しかしどのぐらいの範囲を徒歩圏内と考えるかは個人差が著しいので、最寄駅より10分そこそこで到達可能な西本願寺(JR・京都駅)、平等院(京阪・宇治)、宇治神神社(京阪・宇治)などをリストに加える人も出てくることでしょう。
20分ぐらいなら大丈夫と主張する人なら、金閣寺へは京福・北野白梅町駅から歩きますし、清水寺へも京阪・清水五条駅から歩くに違いありません。醍醐寺(地下鉄・醍醐)や西芳寺(阪急・上桂駅)も歩くことのできる距離です。
さらに30分ぐらいはちょうどいい運動だと言う健脚にかかれば京阪・出町柳駅からの銀閣寺は徒歩圏内です。
こうして見ていくと、徒歩圏内を捉え方次第で、ほとんどの観光地が鉄道駅から届くことにもなってきます。
もちろん、5分ぐらい、せいぜい7〜8分というのが常識的な範囲での徒歩圏内ですので、上に記したような無制限は広がり方にはなりませんが、京都を訪れるにあたってはパーク&ライドの可能性を計画段階で考えておくのがいいでしょう。
最後に鉄道利用のみで訪れることのできる場所を一覧で並べておきます。1回の乗降で完結するのがベストですが、それでは数も少ないので2回までを許容範囲としました。
[徒歩圏内]西本願寺、東本願寺、渉成園、梅小路公園
[1回]京都御所(地下鉄烏丸線・今出川)、東寺(近鉄京都線・東寺)、東福寺(JR奈良線・東福寺)、伏見稲荷大社(JR奈良線・稲荷)、京都国際マンガミュージアム(地下鉄烏丸線・丸太町)、妙心寺(JR・円町)
[2回]南禅寺(地下鉄烏丸線・烏丸御池→東西線・蹴上)、醍醐寺(地下鉄烏丸線・烏丸御池→東西線・醍醐)、二条城(地下鉄烏丸線・烏丸御池→東西線・二条城前)
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いかがでしょうか。
車での移動は京都の観光地では渋滞に巻き込まれる可能性が高く、紅葉の時期は尚更です。少しの徒歩と電車を利用するだけで、渋滞に巻き込まれる可能性を低くしたり、駐車場にスムーズに停まれる可能性を上げてくれます。パークアンドライドを上手に利用して、快適に京都の紅葉を楽しんでください。