鈴虫寺へ行って幸福地蔵様に願い事を叶えてもらいませんか。

鈴虫寺、1度はこの名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。現在は臨済宗の禅寺となっている鈴虫寺。本尊は大日如来ですが、他にも地蔵菩薩が安置されていて、全国各地からたくさんの人が祈願のために訪れます。実は鈴虫寺という名前は1年を通してスズムシが飼育されていることから呼ばれるようになった通称で、正式には華厳寺といいます。そんな鈴虫寺には沢山の人気の秘密があり、近年は観光客が絶えることがありません。今回はその人気の理由と併せて鈴虫寺の楽しみ方をご紹介します。

春にスズムシの鳴き声を聞いたことはありますか。本来であればスズムシは8月~10月頃に生息する生き物です。しかし鈴虫寺では、成虫や卵の温度管理の試行錯誤が行われ管理が徹底されていることから、1年を通してスズムシの鳴き声を聞くことができます。先代住職が始めたとされるこのスズムシの飼育が、今やここまで有名となり多くの参拝客が訪れるきっかけの1つとなりました。

鈴虫説法

鈴虫説法では、鈴虫寺の住職や副住職をはじめとした数名の僧が、日々の心の持ち方や、お寺のことやお参りの仕方などについて笑いを交えながらお話をしてくださいます。その一部ではありますが、太平洋戦争が終わりを迎えた頃、住職・桂台厳が坐禅をくんでいた際、鈴虫の音色を耳にしたことが悟りを開くきっかけになり、それから鈴虫が飼育させるようになったそうです。説法と聞けば少し堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、鈴虫寺で行われている鈴虫説法は堅苦しいものではありません。「茶礼」に基づいてお茶とお菓子を頂きながら、お話を聞くことができます。その説法を聞く際に通される座敷には非常に沢山のスズムシが飼育されており、秋以外の季節でも涼しげなスズムシの鳴き声を聞くことができます。虫が苦手な方でも後ろの方に座ればあまり見えませんので、後ろに座ってゆっくりお話を聞いてみてください。日頃から抱えている悩みから解放され、穏やかな心で過ごせるようにと願いが込められている鈴虫説法をぜひ1度体験してみてはいかがでしょうか。

願いを叶えてくれるお地蔵様

鈴虫寺を訪れる方の多くはこのお地蔵様を目当てに訪れると言われているほど人気のスポットです。そんなわらじを履いた幸福地蔵様は鈴虫寺の石段を上った山門脇にいらっしゃいます。本当の名前は「幸福地蔵菩薩」と言い右手には錫杖(しゃくじょう)、左手には宝珠(ほうじゅ)を持っています。このお地蔵様は日本で唯一わらじを履いたお地蔵様だそうです。わらじを履いている理由は、参拝者が願い事をすると「幸福地蔵様がその願い事を叶えるために歩いて来て下さると伝えられているからです。そんな幸福地蔵様が叶えてくれるお願い事は1つだけです。今どうしても叶えたいお願い事を1つお願いしてみてください。特に恋愛成就の可能性が非常に高いと言われており、若い女性から人気を集めています。

幸福のお守り

出典:【鈴虫寺(華厳寺)】- じゃらんnet
幸福のお守りはご存知でしょうか。お守り・お札は仏様の化身と言われています。このことから、鈴虫寺で購入できるお守り・お札は幸福地蔵様の姿が入っているそうです。詳しいことは鈴虫説法の中で説明していただけるそうなので、そこもまた楽しみの一つかと思います。

鈴虫寺の紅葉

自然豊かな松尾山麓に佇む鈴虫寺は、京都市街を一望できる景色も見どころのひとつです。また境内では四季折々に花や樹々が彩りを添え、歴史が刻まれた石や苔、竹林などがそれぞれ美しく、見事な調和を魅せてくれます。一年中鈴虫の美しい音色を聞くことができることで有名な鈴虫寺ですが、秋になると素晴らしい紅葉の風景を見ることができる名所でもあります。美しい自然に囲まれた境内はもちろん、正門前や階段の周辺でも色鮮やかな紅葉を鑑賞することができます。例年、11月上旬頃から色づきはじめ、11月中旬 ~ 12月上旬の時期に見ごろを迎えます。鈴虫の音色と共に、赤や黄に染まった木々を眺めて、秋の深まりを味わってみてはいかがでしょうか?

鈴虫寺の基本情報

■住所:京都府京都市西京区松室地家町31 ■電話番号:075-381-3830 ■拝観時間 9:00〜17:00(受付終了16:30) ■拝観料:大人500円(茶菓付)・子供300円(4才~中学生) ■アクセス:【JR・京都駅】京都バス 73系統 終点下車 徒歩すぐ・【京阪電車・三条駅】京都バス 63系統 終点下車 徒歩すぐ・【阪急電車 嵐山線・松尾大社駅】徒歩約15分

隣接する人気の寺院

西芳寺

出典:苔寺 | 京都の観光スポット | 京都観光情報 KYOTOdesign
鈴虫寺へ訪れた際には、併せて西芳寺も訪れてみるのもおすすめです。鈴虫寺から約10分歩いたところに、西芳寺はあります。西芳寺は境内を約120種類の苔が覆っていることから、「苔寺」とも呼ばれています。西方寺庭園は本堂、黄金池、湘南亭、指東庵、枯山水の上下二段に分かれており、史跡・特別名勝に指定されています。四季折々の西芳寺庭園が見せる表情は非常に風情があり、ゆっくり流れる時間の中で過ごすこの瞬間が人気を呼んでいます。ただし、西芳寺を拝観する際は事前に申し込みが必要なため、訪れる際は西芳寺のホームページをご確認ください。事前のひと手間が西芳寺で過ごすひとときを格別なものにしてくれるでしょう。ぜひ鈴虫寺を訪れた際は、少し足を延ばして西芳寺も訪れてみてはいかがでしょうか。

西芳寺の基本情報

■住所:京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56 ■電話番号: 075-391-3631 ■拝観について:西芳寺の参拝には「往復はがきによる事前申込」が必要です。 ■拝観時間(往復はがきによる完全予約制):9:00-17:00 ■拝観料:3,000円

法輪寺

嵐山の中腹に位置する法輪寺は、「十三まいり」といって13歳を迎えた少年少女たちが祈願に訪れることで名が知れています。 参道の両脇に寄り添うように彩りを添える真っ赤なもみじが秋の風情を存分に感じさせ、その石段に立って上方を見上げると目に入るのが鳥居です。この鳥居がまるで額縁のようになって紅葉を囲み、美しい絵葉書のようにも見えます。少し高い位置にある法輪寺は、見晴台から嵐山の美しい景観を贅沢にも一望できます。

法輪寺の基本情報

■住所:京都市西京区嵐山虚空蔵山町 ■電話番号: 075-861-0069 ■拝観時間:9:00〜17:00 ■拝観料:境内無料

大原野神社

桓武天皇が延暦3(784)年に都を奈良から長岡京(現在の向日市)に遷された時、藤原氏の鎮守の神として奈良の春日大社を分祀したことが大原野神社の始まりといわれています。 石段を上って本殿へと続く参道にはもみじや桜が豊富に植えられ、紅葉シーズンには美しい秋の彩りを魅せてくれます。奈良の猿沢池を模倣して作られた「鯉沢の池」の水面には、鮮やかなもみじが映り込み、吸い込まれるような美しさに魅了されます。

大原野神社の基本情報

■住所:京都市西京区大原野南春日町1152 ■電話番号: 075-331-0014 ■拝観時間:境内自由 (社務所受付 9:00〜17:00) ■拝観料:境内無料 [hr][/hr]

鈴虫寺たる所以や人気の秘密をお伝えしてきました。どの季節に行ってもスズムシの声を楽しめる鈴虫寺。非常に人気でGW中や連休中、祝日は鈴虫説法を聞くまでに2~3時間待つこともしばしばあるようなので、鈴虫説法を聞きたい方は少し時間に余裕を持って行かれる事をお勧めします。鈴虫寺のホームページには混雑を予想したカレンダーも公開されていますので、そちらも参考にしながらぜひ大切なお願い事をしに鈴虫寺を訪れてみてはいかがでしょうか。