国宝・鳥獣戯画で有名な「高山寺」は、京都洛北の紅葉名所

【更新:11月19日現在 紅葉の状態:色付き始め】

高山寺は京都洛北の栂尾山に位置する境内の広いお寺です。境内の中は山そのもので、森林浴が楽しめます。ここには日本最古の茶園や漫画で知られており、日本の歴史を今に伝えている大切なお寺です。秋の紅葉時期には真っ赤に染まる三尾栂尾山の高山寺は紅葉の名所です。そんな高山寺の魅力をご紹介します。

高山寺は神護寺の別院として奈良時代に創建され、1206年に後鳥羽上皇により賜り明恵上人が高山寺として再興したと言われています。参道を上がると石水院があり、更に開山堂や金堂、御廟や日本最古の茶園などが境内の山腹に続きます。高山寺では国宝とされている日本最古の漫画として知られる甲乙丙丁の4巻からなる鳥獣人物戯画など約1万点に上る多くの絵画や文章を保管しています。そして京都屈指の紅葉の名所であり、紅葉が美しく他の場所よりひと足早く紅葉することでも有名です。

● 拝観時間:8:30~17:00 
● 石水院 拝観料 800円 ***秋期入山料500円
● 駐車場: 50台 ***11月のみ有料
● アクセス:京都駅からJRバス高雄・京北線『栂ノ尾』行で55分、四条烏丸駅より市バス8系統で約50分、栂ノ尾下車。バス停・駐車場付近から裏参道有り。

高山寺

住所:〒616-8295 京都府京都市右京区梅ケ畑栂尾町8

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詳細:詳細はこちらから

高山寺の紅葉の見ごろ

例年、高山寺の紅葉は11月ぐらいから徐々に色づき始め、高雄全体で紅葉を楽しめるのは、11月上旬から11月下旬です。2023年は少し早い様で、10月後半から色付き始めて、見頃もそれから2週間くらいと思われます。2024年も他の市中の紅葉スポットより早めに色付き始めるので、混雑をずらした時期に訪れるのもオススメです。

高山寺の紅葉の見所は?

神護寺の高雄、西明寺の槙尾、高山寺の栂尾で三尾と呼ばれており、京都屈指の紅葉の名所として有名です。他のお寺の紅葉より少し早いとされており、高山寺では、表参道に並ぶ紅葉と、金堂までの石段と周辺が紅葉の美しいところとして有名です。

高山寺の見どころは?

高山寺にあったとされる三重塔や鎮守社など8つ以上の建物が長い歴史の中焼失されてしまいました。今日の高山寺には、、その後再建された開山堂や金堂と、石水院には国宝の日本最古の漫画として知られる鳥獣人物戯画が展示されており、収蔵庫には1000点以上の重要文化財と12000点の典籍を保管しています。

石水院の南縁から眺める静かなる絶景

国宝で鎌倉時代からの流れをくむ石水院。明治22年に現在の地へ移築された。廂の間には善財童子像が置かれ、南面には清滝川をこえて三尾の尾根を臨む。

教科書でおなじみ、国宝の鳥獣人物戯画

高山寺には多くの大事な文献や絵画がありますが、中でも有名なのが鳥獣人物戯画です。作者は天台宗の僧である鳥羽僧正覚猷という説が有力ですが、はっきりしていません。甲・乙・丙・丁の4巻はどれも墨で書かれた巻物で、擬人化されたウサギや猿、カエルなどの動物の絵で構成されており、言葉はありません。平安時代後期から鎌倉時代にかけて制作されたとされており、高山寺で見られるのは本物ではなく摸本です。鳥獣人物戯画以外にも国宝や重要文化財があるので、訪れた際にはじっくり見てみてください。

日本最古の茶園

高山寺の茶園は日本最古で、作られたのは鎌倉時代らしく日本臨済宗の開祖である禅僧栄西禅師が宋から持って帰ってきたお茶の実を明恵上人に渡したからとされています。お茶には眠気を予防し目を覚まさせる効果があるので、それが修行の助けになるとして衆僧に勧めたそうです

広い境内にある開山堂、御廟、金堂

開山堂は、室町時代に焼失したが江戸時代に再建されたもの。明恵上人坐像が安置されているそう。紅葉時期の散り紅葉は風情ある景観となる。 金堂はかつての本堂の位置に建つそうで、境内の最も奥まった場所にあります。表参道から金堂までの石段が続き、人里離れた高山寺らしい静かな佇まいである。境内から望む向山の景観は素晴らしく、広く視界が抜けている。

高山寺周辺の紅葉スポット

愛宕山の東のふもとにある清滝から清滝川をさかのぼった高雄、槇ノ尾、栂ノ尾の3つの集落は、それぞれ名前に「尾(雄) がつくことから「三尾(さんび)」とも呼ばれています。高雄には神護寺、槇ノ尾には西明寺、栂ノ尾には高山寺とそれぞれ山間に名刹がたたずむ、京都屈指の紅葉の名所です。体力や時間に余裕があれば、神護寺、西明寺、高山寺とめぐってみてはいかがでしょうか。

高雄山の神護寺

高雄の山腹にある「神護寺」。このお寺は最澄や空海にも関係のあるお寺で、国宝の薬師如来像をはじめ、日本三大名鐘の1つである梵鐘も有名です。
【時間】
●拝観時間:9:00~16:00(年中無休)
●拝観料: 大人600円 中・高校生600円 小学生300円
●アクセス:車ー 国道162号線 仁和寺さんを通り越して、「副王子」交差点を右手「京北高雄」方向6キロ 参道入口手前の麓に、市営駐車場有り 500円
バスー 京都駅前よりJRバス「高雄・京北線」で約50分、高雄下車徒歩20分。 四条烏丸駅から市バス8号系統で約45分、高雄下車徒歩20分。

神護寺

住所:〒616-8292 京都府京都市右京区梅ケ畑高雄町5

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拝観時間:9:00~16:00(年中無休)拝観料大人600円 中・高校生600円 小学生300円

詳細:平安時代からの歴史を伝える高雄の名刹「神護寺」


神護寺の麓、槇尾山西明寺

三尾の古刹のひとつとして知られる真言宗の寺。空海の高弟、智泉が神護寺の別院として創建したという。新緑、紅葉、雪景色と、四季折々の豊かな自然と静寂を大切にしている山寺である。

住所:〒616-8291 京都府京都市右京区梅ケ畑槇尾町1−1

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花の天井で推す「平岡八幡宮」

弘法大師が神護寺の守護神とし創建された山城国最古の平岡八幡宮です。内陣天井は極彩色の花絵44面が描かれ、「花の天井」とよばれ、毎年、春、秋の2期公開されます。境内は高雄もみじの参道が有名。

住所:〒616-8271 京都府京都市右京区梅ケ畑宮ノ口町23 平岡八幡宮

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まとめ
いかがでしたか。 高山寺では最古の茶園や漫画だけでなく、多くの日本の文化に重要な影響を与えてきた資料を見れます。国宝や重要文化財に指定され、世界遺産にも登録されており、全世界でも著名です。そんな由緒ある高山寺。京都の奥座敷にて、清閑な高雄山。清滝川の渓流にそって、全山一帯が紅葉に覆われて色付き、それは素晴らしい景観で、京都の紅葉シーズンには是非、訪れてみてはいかがでしょうか。