【更新:11月19日現在 紅葉の状態:青紅葉】
平安時代より、貴族や武士たちにとっての安らぎの郷として愛されてきた八瀬の地、、、そんな八瀬エリアに佇む「瑠璃光院」は、普段は文化保護のため公開していませんが、春と秋の期間だけ特別拝観を行っています。普段は拝観すらできないということもあり、特に秋の紅葉シーズンには、こちらで見られる「リフレクション紅葉」は非常に人気です。その美しさから京都府内の紅葉スポットとしてはいつも上位にランクインしています。
最も美しく見える見ごろになると、コロナ禍以前は待ち時間が2,3時間というケースも。それほど待ってまで見る価値のある素晴らしい瑠璃光院の紅葉についてご紹介致します。 今年令和5年春夏の特別拝観は、4月15日ー5月13日と、7月1日ー8月17日の間で、10時から17時迄にて。予約制ではなくなり、期間中に直接、訪問すれば大丈夫です。
京都・瑠璃光院とは?
平安時代から貴族や武士に愛されてきた八瀬の地にひっそりと佇む京都・瑠璃光院。 数寄屋造りの建物は格調高く落ち着いた雰囲気で、周囲の自然と調和した名庭は日本情緒にあふれています。 瑠璃光院はもともと天武天皇が壬仁の乱でケガをしたときに窯風呂で傷を癒し、その後も平安貴族や武士たちに安らぎの郷として親しまれてきた場所なのです。 特に、秋は「幻の紅葉」とも呼ばれる見事な紅葉を楽しむことができます。
京都・瑠璃光院の紅葉の見ごろは?
京都・瑠璃光院の紅葉の見ごろは、標高が高い位置にあるという理由から、例年やや早めの11月中旬から11月下旬頃です。 赤や黄など色鮮やかに染まった木々の葉は、圧倒的な美しさです。
紅葉シーズンの瑠璃光院の大混雑!整理券が配られることも!
瑠璃光院は、2014年から文化保護のために通常は非公開なのですが、春の青もみじと秋の紅葉の時期には特別拝観を行っています。
開門前の混雑状況
期間限定の公開のため、春と秋の特別拝観を行っている時期は非常に混雑するのですが、秋は美しい紅葉を一目見ようと多くの観光客が訪れるため、特に秋の特別拝観の時期は常に混んでいる状態です。 秋の紅葉シーズンには、10時の開門前から多い時で200人から300人もの観光客が長蛇の列を作っているというほどで、土日や祝日での待ち時間は2~3時間かかることもあります。 大混雑時には整理券が配布され、入場制限がかかることもありました。瑠璃光院の開門は10時ですが、昨年からは混雑防止のため、特別拝観期間などは事前予約制となりました。 今年令和4年の春の特別拝観は、春の期間と更には、夏の特別拝観期間もあり、事前予約不要で直接、瑠璃光院へ向かえば拝観できます。
瑠璃光院の拝観料
一般的な京都の観光スポットの拝観料は、数百円程度の場所が多いのですが、こちら瑠璃光院の拝観料は2000円とお高めです。 その理由は、近隣にある「ルイ・カール美術館」の入場料が含まれているからです。 高めの設定の拝観料でも多く観光客が見たいと思える景色は、格別な美しさです。
瑠璃光院の紅葉の見どころは?
瑠璃光院は、1万2千坪の広大な敷地のお寺になります。 岐阜市に本坊を置く浄土真宗無量寿山光明寺の支院であり、ご本尊は阿弥陀如来です。 瑠璃光院は、当初別荘として作られ、数寄屋造りの建物と日本庭園が3つあります。 瑠璃光院の紅葉は、どこを切り取っても絵葉書のような美しさなのですが、特におすすめの見どころをご紹介いたします。
「瑠璃の庭」
こちらの庭を見る事が出来るのは、書院1階になります。 ここはお茶席が設けられており、お抹茶と和菓子を頂きながら、景色を楽しむ事が出来ます。(1000円)
「苔と紅葉が美しい山露地の庭」
「机に映し出されるリフレクション」
瑠璃光院と言えばこの景色は、外せません。 書院2階にある漆塗りの机の天板・床板に、窓全体に広がる紅葉が映し出された景色は、通称:逆さ紅葉(鏡の紅葉)と呼ばれますが、まさに息を飲むほどの美しさ。 吸い込まれてしまいそうな幻想的な空間とでも言いますでしょうか。来た人ずべての人の心を魅了すると言っても過言ではありません。
リフレクションで有名な書院2階ですが、1階にも素敵な庭園が広がります。 こちらは美しい苔が広がり、紅葉とのコントラストが素晴らしく、庭園内に清らかなせせらぎが響き渡ります。
臥龍の庭
順路に従って進むとたどり着くのが臥龍の庭です。こちらは、苔・石組み・池といった点が見どころとなっており、ゆっくりと眺めたくなる景色です。また、こちらでもリフレクションに出会うことができます。黒く輝く縁側に紅葉が映し出されていますのでお見逃しなく。 眺める人の運気をアップされるとも言われている臥龍の庭は、水と石で天に昇る龍を表した庭園です。 池の周りを取り囲むように紅葉した木々や、池の水面に浮かぶ赤い葉にも風情があります。
「自分自身の心を映し出す写経」
瑠璃光院では、拝観料を支払った際に、入場券とともに写経用の紙とボールペンが渡されます。 この写経は、書院2階の写経用のスペース行う事が出来ます。誰でも自由に写経を体験することができ、出来上がったら1階の本尊に納めることも出来ます。 ところで、みなさん写経をする意味をご存知でしょうか? せっかくこちらで写経を体験するのであれば意味合いも知っておくと尚いいことでしょう。 写経とは「しゃきょう」と読み、仏教において仏教の教えを書き写す事を指します。遥か昔は、これを行う事で信仰、祈願、供養が出来るとされてきました。今では精神の安定を心がける一環として写経に取り組む人も増えてきました。 少し砕いた言い方をすれば、この写経を行う時間で、自分自身と向き合う事が出来るとも言えます。 字を書く為に、準備を心を整え机に向かい、字を書き写す。 この時書いた字は、今の自分の心情が表れていると言います。 感情が、書かれた字の濃さや、字体に現れ、それを自分自身で見つめる。 これが現代の写経の意味になっているとも言えます。 日頃字は書いているけれども、ここまで意識して書くと言った事はないので、瑠璃光院に訪れたい際はぜひ体験していだたきたい内容です。 とてもいい体験になる事は間違いないでしょう。
「御朱印」
旅の思い出や参拝した証のために、御朱印帳を持参してお出かけする方も多いかと思います。通常の御朱印は、お寺の方にハンコを押していただいて日付を書いてもらう、と言う流れですが、瑠璃光院では「自分で完成させる」ユニークな御朱印なのです。 「自分で完成させる」とは言っても、心配する必要はありません。手順はいたって簡単ですし、見本も一緒に置いてありますので、ハンコを押す向きにだけ注意すれば大丈夫です。 写経が終わったら、ぜひこちらの御朱印も体験してみてはいかがでしょうか?
「借景」
こちらは書院2階の窓から、見る事が出来ます。 瑠璃光院と八瀬の山々の紅葉が合わさった借景は、奥行きがあり、とても壮大な景色と言えます。これを計算して庭を造った先人のセンスには脱帽です。 ここで、借景という言葉をあなたはご存知でしょうか? 借景とは漢字からもわかるように、庭園外にある山などの景色を庭園の構成に取り入れるということを差します。 瑠璃光院には見所が各所にあり、どこも時間を忘れていつまでも眺めていたいほどの絶景を見ることができます。この景色を見られるのは、約2か月間だけということもあり、幻の紅葉とも言われる程なのです。
夜にはライトアップも
夜になると、色鮮やかに彩られた紅葉がライトに照らされ、昼間とは違った幻想的な表情を見せてくれます。 ライトアップされた紅葉が床に映る様子もまた圧倒的な美しさです。
参道
建物まで続く参道でも色鮮やかな紅葉を楽しむことができます。 この参道には百種類以上のカエデが植えられていて、建物に続く参道を歩く人々の目を楽しませてくれるのです。
2024年瑠璃光院、夏の特別拝観
●期間: 令和6年7月13日(土)~8月18日(日)
●拝観時間:10時~17時(16時30分受付終了)
●予 約:予約制ではございませんので直接お越しください
2024年瑠璃光院、秋の特別拝観
●拝観時間:10時~17時(16時30分受付終了)
●予約期間:10月は直接お越しください。11月以降の予約は決まり次第お知らせいたしますので発表をお待ちください
●拝観料金:お一人様 2,000円
●休館日:特別拝観期間中の休館日はございません。
瑠璃光院までのアクセスについて
瑠璃光院は、京都市の中心部から少し離れた八瀬(やせ)に位置していて、複数のアクセス補法があります。予定や日程などに合わせて、ベストなアクセス方法を選びましょう。
例えば、2回乗り換えする必要がありますが、道路の混雑を避けることができる「全て電車移動ルート」や、特に混雑するところを地下鉄で移動できる乗り換え1回ルート、または道路混雑によって時間はかかってしまいますが、乗り換えなしの直通で行ける「バスで1本コース」といった3通りです。
・【全て電車移動】乗換2回 少し手間だけど所要時間削減したい人向け
①JR「京都駅」→JR奈良線「東福寺駅」で乗換
②京阪本線(鴨東線)「東福寺駅」→「出町柳駅」で乗換
③叡山電車叡山本線「出町柳駅」→「八瀬比叡山口駅」を下車してからは徒歩約5分
・【渋滞エリアのみ地下鉄】乗換1回 混雑するエリアだけは電車で!少し時間はかかるけど混雑回避
①JR「京都駅」→地下鉄烏丸線「国際会館駅」で乗換
②京都バス19系統「八瀬駅前」を下車してからは徒歩約7分
・【バスで一本】乗換なし 時間はかかっても良いから楽に向かいたい人向け
JR「京都駅」→京都バス17系統「八瀬駅前」下車→徒歩約7分
秋の京都は、観光名所だけでなく道路も混雑必至です。駐車場はなく近くにコインパーキングもないため車で行くことは避け、いずれにしても公共交通機関を使いましょう。
瑠璃光院周辺の紅葉の名所
瑠璃光院の周辺にも、美しい紅葉を見ることができる名所が点在しています。アクセスしやすい周辺の名所をいくつかご紹介いたしますので、ぜひこの機会に足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
大原三千院
天台宗の寺院で大原散策にはかかせない名所となっている大原三千院には、国宝の阿弥陀三尊などといった数多くの文化財が置かれています。有清園と聚碧園の二つの庭園が紅葉に包まれる秋には美しい景色を楽しむことができます。有清園の杉苔の見どころとなっているのが、各所に見え隠れする杉村孝作のわらべ地蔵です。優しい表情で迎えてくれるお地蔵さんを探して歩くのも散策の楽しみといえます。約50mの参道には沿うように枝を張るカエデが見事で、そんな境内には美しい緑色の苔庭に赤や黄といった鮮やかに色づいた紅葉が降り積もり、コントラストがとても美しいです。
【住所】京都府京都市左京区大原来迎院町540
【電話番号】075-744-2531
【参観時間】9:00~17:00(11月 8:30~17:00、12月~2月 9:00~16:30)
【参観料】一般700円、中高生 400円、小学生150円
【アクセス】瑠璃光院からは「八瀬駅前」バス停から「大原」バス停下車
宝泉院
宝泉院は、仏教音楽の根本道場の勝林院の中の僧坊として800年以上前から存在するお寺です。 お寺のシンボルである樹齢700年の富士山をかたどった大きな「五葉の松」と周囲の鮮やかな紅葉との美しい調和は、ここ宝泉院ならではの景色です。 宝泉院では、心地よい水琴窟の音を聞きながら抹茶とお菓子を楽しむこともできます。 またこちらでは秋のシーズンは紅葉のライトアップがありますので、ぜひ夜にも訪れてみるのもおすすめです。
京都府京都市左京区大原勝林院町187
【電話番号】
075-744-2409
【拝観時間】
午前9時~午後5時
【拝観料】
大人800円
抹茶、茶菓子付き
【ライトアップ情報】
期間
11月中旬~12月上旬
※紅葉の見頃によって変動がある為、足を運ぶ前に公式ホームページなどで確認をしましょう。
時間
午後5時45分~午後8時45分
【アクセス】
JR京都駅より17系統・18系統に乗車、「大原」バス停留所まで約65分
寂光院
「平家物語」ゆかりの寺院である寂光院では、周辺の色とりどりの山々と共に素晴らしい紅葉を鑑賞することができます。「尾張のもみじ寺」と呼ばれるほどの美しい紅葉は、まるで絵葉書のような美しさ。特に、展望台からの眺めは見事なものです。 秋の風情が漂う境内では、ゆったりと山里の秋を堪能できます。
京都市左京区大原草生町676
【電話番号】
075-744-3341
【拝観時間】
9:00~17:00
※12~2月は16:30、1/1~3は10:00~16:00
【拝観料】
600円
【アクセス】
京都バス「大原」下車徒歩約15分
名鉄犬山線犬山遊園駅から徒歩20分
蓮華寺
蓮華寺は、山門をくぐった参道の石畳が美しく山内にはカエデ・イチョウなどが植えられています。約400坪もの池泉廻遊式庭園(池泉鑑賞式庭園)が見どころのひとつとなっていますが、紅葉シーズンには庭園と紅葉の美しい景色を眺めることができます。書院の柱などを額縁に見立てて紅葉を眺めることで知られる「額縁紅葉」も有名です。
【住所】京都府京都市左京区上高野八幡町1
【電話番号】075-781-3494
【参観時間】9時~17時
【参観料】400円(高校生以上)
【アクセス】瑠璃光院から蓮華寺までは徒歩約15分(1.5km)になります。もしくは叡山電車で1駅、「三宅八幡」下車、そこから徒歩約6分(550m)で到着です。
赤山禅院
赤山禅院の山内にはモミジ・カエデなどが植えられています。山門から拝殿・本殿などの社殿に続く参道では、見事な紅葉のトンネルを見ることができます。不動堂の隣にある寛老池を取り囲むように飾る紅葉も美しく、水鏡に紅葉が映りこむ様子もまた違った趣を魅せてくれます。
【住所】京都府京都市左京区修学院開根坊町18
【電話番号】075-701-5181
【参観時間】9:00~16:30(閉門17:00)
【参観料】境内無料
【アクセス】瑠璃光院から赤山までは徒歩22分(1.7km)になります。もしくは、叡山電車で3駅、「修学院」下車、そこから徒歩約20分(1.5km)で到着です。
八瀬もみじの小径:瑠璃光院から300m
八瀬もみじの小径は、ケーブル八瀬駅のすぐ横に位置している散策道です。豊かな自然が広がる比叡山麓の紅葉を楽しめる他にも、「平安遷都紀念橖」や「ラジオ塔」など、京都近代化の遺産も見ることができます。秋の紅葉シーズンには、夜間ライトアップも行われ、幻想的な風景を楽しむことができます。
【住所】京都府京都市左京区上高野東山八瀬もみじの小径
【電話番号】075-801-5315(京福電鉄)
【アクセス】叡山電車「八瀬比叡山口駅」下車、徒歩約5分または、叡山ケーブル八瀬駅すぐ横
叡山ケーブル・ロープウェイ:瑠璃光院から400m
比叡山中腹までの1.3kmを9分で結ぶ「叡山ケーブル」では、紅葉のトンネルを楽しむことができます。また、比叡山中腹から比叡山頂までの486mを結ぶロープウェイでは、鮮やかに紅葉した風景と共に京都の街並みを一望することも可能です。紅葉シーズンに行われる八瀬もみじの小径の夜間ライトアップに合わせて、叡山ケーブルの夜間運行も行われます。ぜひ、夜の京都観光を楽しんではいかがでしょうか?秋の京都は、日中晴れて暖かくても夕方以降は冷え込みますので、防寒対策を万全でお出かけしましょう。
【住所】京都府京都市左京区八瀬 野瀬町
【営業時間】9:00~18:15
【アクセス】叡山電車「八瀬比叡山口駅」下車、徒歩約5分または、叡山ケーブル八瀬駅すぐ横
修学院離宮:瑠璃光院から1.2㎞
日本庭園の最高傑作ともされている修学院離宮は、京都市内全体を借景としている雄大な庭園です。
入場には人数制限があり、特に紅葉シーズンの週末は行列が必至ですので、早めにならぶことをおすすめします。
【住所】京都府京都市左京区修学院藪添1−3
【電話番号】075-211-1215
【参観時間】13:30、15:00(当日受付の場合)
※月曜日は参観休止日参観です。(祝日の場合は火曜日)
【参観料】無料
【アクセス】「修学院駅」から20分
まとめ
幻の紅葉が見られる瑠璃光院の魅力をお伝え出来たでしょうか。やはり人気スポットだけあって、混雑は必須です。2020年よりは特別拝観の紅葉シーズンは事前予約制になっています。
予約の混み具合にもよりますが、特別拝観の期間以外でも、確実に混雑を避けたいのであれば早めに(開門30分前頃には)現地に着いておくことが安心かと思われます。どうしても土日になる場合は、8時頃くらいにでも、並んでおくことが無難と言えます。これだけの混雑がありますが、その待った時間分以上の景色が広がっているので、ぜひ多くの方にこの感動を味わっていただきたいものです。