半端な時間を有効に。半日でも楽しめるお奨め紅葉スポット〜地下鉄のみを使うことで移動時間を削ることがコツ

京都にはたくさんの観光物件がひしめいています。たっぷり時間をかけ、それらを見て回るのも有意義なことでしょうが、時間的な余裕が少ない人は、半日でも楽しめる京都メニューを知っておくのもいいでしょう。移動は地下鉄のみとしながらも十分に楽しめる半日プランを実現するのは、これも京都の懐の深さと言えるかも知れません。

机に向かって旅行の計画を考えるのは楽しいものです。ガイドブックをめくりながら、せっかくの京都だから、金閣寺も訪れたいし祇王寺の苔も眺めたい、そうだ清水寺も外せないかな、せっかくだから伏見稲荷の千本鳥居も・・・・・・とか考え始めたら、もう時間はいくらあっても足りなくなってきます。しかしは自由に使える時間は限られています。そうなると取捨選択が求められるのですが、その中でより効果的に京都の紅葉を楽しめる行程を紹介します。 肝は移動時間を減らすこと。 訪れた先でゆっくりすることなく弾丸ツアーよろしく駆け抜けるのであれば、市バスを使ったとしても不可能ではありませんが、見どころは見どころとして堪能するのなら、スポットではじっくり時間をかけたいものです。そうすると移動に要する時間を削るのが眼目。ということで地下鉄のみで移動できるスポットに限定することにします。 まずは南禅寺から。 京都駅を13:00に出て17:00までに帰ってくるプランで、それなりの充実度を期待するのなら、ここが一番でしょう。地下鉄烏丸線で烏丸御池へ、そして東西線に乗り換えて蹴上駅で下車。1番出口から地上に出て右手に進めばすぐにレンガ造りのトンネルが見えてきます。ねじりマンポと呼ばれる近代遺構でこのトンネルをくぐった先を道なりに進めば南禅寺の境内に入ることができます。地下鉄での移動時間が乗換を含めて約20分に徒歩約10分ということでほぼ30分程度の所要時間で目的地着となります。この南禅寺をお奨めの筆頭に挙げるのは、交通の便がいいというのはもちろんですが、それだけではありません。狭い範囲に見どころがたくさんある点もまた大きな理由となっています。南禅寺の本坊庭園を筆頭に三門、絵になる近代遺構の水路閣。これらだけでも十二分なボリュームかと思いますが、これらに公開されている塔頭寺院を加えていくことになります。基本的には常時公開となっているのが南禅院でしょうか。 他にも特別公開の形で公開されることの多い金地院と天授庵があります。 仮にこれらの拝観スポットの全部に立ち寄るとして、一箇所で30分ほどを費やすとすれば3時間はかかっていますので半日プランとしては十分な内容です。拝観料の関係もありますので、機械的に全部覗いて廻るのはお奨めできる話ではないにしても、水路閣まわりでのんびりした後、本坊庭園を拝観しておくぐらいでもそこそこの充実感は得られます。ちなみに紅葉スポットという観点で選ぶとすれば、水路閣まわりや三門を見上げるところの境内のフリースペースは外せません。ということは、拝観料が発生しないところだけでも十分に楽しめるという美味しさがあるわけです。それを良しとするかどうかは各自の判断にお任せしますが、とにかく南禅寺は交通の便に加えてアレンジの融通が幅広いという点で、お奨め度がかなり高い場所と言えます。 ほかに、京都駅をスタートして半日そこそこで終わらせるとすれば、やはり地下鉄のみで到着できる二条城や京都御苑がリストに挙がってきます。二条城であれば烏丸線で烏丸御池まで行き、東西線に乗り換えて1駅、そして改札から徒歩5分で二条城の東大手門に到着します。京都御苑の場合はもっと簡単で、烏丸線1本だけで完結しています。堺町御門など南から攻めるのなら丸太町駅ですが、近衛邸跡など北の方からアクセスするなら今出川駅が最寄りとなります。南禅寺に比べるとアレンジの自由度は限られてきますが、二条城にしても京都御苑にしても2〜3時間くつろいでいて問題となる場所ではありません。いわば整備の行き届いた公園でゆっくり過ごすような感覚で楽しめる場所です。ちなみに拝観料ですが、二条城は数年前までは二の丸御殿まで含めて600円でしたがが、昨年の4月からは入城料620円を含め二の丸御殿観覧には1030円がかかります。 最後にもう一つ、半日プランにちょうどいい候補を挙げておきましょう。 京都駅からなら徒歩圏内に入る渉成園がそれです。京都駅より徒歩で約15分ぐらいのところにある東本願寺の飛び地庭園で、広大な園内は普通の拝観で所定のルートを歩き抜けるだけでも小一時間はかかります。これを所々で写真をとったり、くつろいだりしていると優に2時間近くの時間を要することになります。泊まりで訪れて、おもだった見どころを総なめにするのも京都攻略のあり方でしょうが、こういう形で限られた時間を使ってちまちま潰していく京都観光もまた乙なものと言えるのではないでしょうか。