
春の桜シーズンと並び、紅葉の頃は京都の超繁忙期のため、大変混雑が予想されます。国内だけでなく、海外からも多くの観光客が訪れて、嵐山など名のある観光地の人混みはたいへんなものとなっています。そんな混雑を甘く見ていると、せっかくの旅行が雑踏に振り回されただけの思い出になりかねませんので、対策は講じておきましょう。
繁忙期の京都が混雑することはよく言われていますが、具体的にはどんな感じなのでしょう。混雑の目安でよく使われるのは、満員電車の乗車率です。座席・吊革・手すりのすべてが使用中の状態が「乗車率100パーセント」。押しくら饅頭までは行きませんが、この状態になると自由に動き回ることが難しくなります。では、列車のような閉ざされた空間ではなく、青空のもとで同じような状態が起こるのでしょうか。答えは、イエスです。もちろん、ごく一部の場所ですが、繁忙期の京都、とりわけ有名な観光地に限っていえば、乗車率100パーセントに匹敵するぐらいにはなっています。
嵐山や清水寺の場合
とりわけ有名な観光地、具体的に名前を挙げるのなら嵐山と清水寺です。嵐山では嵐電・嵐山駅の前の商店街から竹林の小径あたりは、そうした雑踏になる可能性はあります。清水寺なら五条坂の上部から仁王門前あたりまでの区間が乗車率(混雑率)100パーセントの危険性を孕んでいます。11月下旬の週末ぐらいで天気予報に晴マークが並んだタイミング、そんな時の昼下がりから夕方にかけての時間帯なら、周囲の動きに合わせて半歩ずつ進むしかできないといった事態になりかねません。かなり特殊なケースでしょうが、多くの方が訪れたいと思う紅葉シーズンの嵐山や清水寺で、私自身が何度か経験したことなので指摘しておきました。これに加えて最近では、海外での人気が影響してのことでしょう、伏見稲荷大社の界隈、とりわけ一の鳥居前の参道は、このグループに加わってきているようです。拝観券購入の順番待ちは当たり前?
嵐山や清水寺は特殊だとしても、紅葉シーズンの京都ではお寺の拝観券売場に行列ができるのは、ありふれたことです。清水寺よりは認知度が低くなると思いますが、例えば一乗寺の詩仙堂ならどうでしょう。本堂に腰を下ろして庭の紅葉を愛でる、時おり響く鹿威しの音が心に染みていく・・・・・・のを期待していたのに、実際は庫裏入口での拝観券購入にも時間が掛かり、やっと中に入れたかと思うと、静けさどころか、他の観光客のおしゃべりばかりが気になって幻滅してしまったなんてこともあり得ます。ここまで混雑を軸に、マイナス面からのお話をしていますが、だから京都は面白くないという方向には考えないでいただきたいのです。紅葉シーズンの繁忙期に、静かで穏やかな古都の風情を求められても難しいかも知れないということを、最初から知っておいて欲しいのです。むしろ、期待どおりにならないのを分かった上で、それに対処することで、本来の美しい京都にも近づきうるのではないでしょうか。バスは避けたいし、マイカーはほぼNG
平日、なるべく週の中頃に出かける
早朝にゆっくり紅葉を楽しむ
いつ訪れる?どうやって訪れる?どこを通って訪れる?
こうした混雑や渋滞が紅葉シーズンの京都に付いてくるのなら、それに出くわしたことで京都を悪く言うのではなく、それに出くわさないように工夫してみてはいかがでしょうか。極端な混雑が発生するのが、繁忙期の週末であり、天候的にも人出が予想され、かつそうした時の午後、昼下がりから夕方というのなら、それを避けるだけで、事情はかなり変わります。まったく混雑がないとまでは言いませんが、いくらかはマシになるはずです。渋滞にしても、マイカーは使わないとか、使うにしても市街地には乗り入れないとかの対策を講じることはできるはずです。結局のところ、紅葉シーズンの京都において、紅葉を楽しむのなら、相応の計画性をもった行動をお願いするところです。いつ訪れるのか(=混雑が少なくなるタイミングで)、どうやって訪れるのか(=京都の交通事情で悩まない方法で)、どこを通って訪れるのか(=渋滞や混雑が起こりそうなルートは避けて)、といったあたりを意識すれば、京都はもっと楽しくなります。そして、不幸にして混雑や渋滞に巻き込まれたのなら、それも含めて繁忙期の京都なのだと割り切ることができれば、なおベターと言ったところです。穴場を狙って観光する
いかがでしょうか。京都の紅葉シーズンは混雑必須ですが、少し工夫をして混雑を緩和することはできます。京都の紅葉の魅力はなんと言っても京都らしい町並みや歴史的建造物と紅葉が織りなす景色です。混雑の中出かけるのは少し疲れてしまうかもしれませんが、他では味わえない美しい光景に満足できると思います。京都には紅葉名所が沢山あるので、素敵な秋の京都を楽しんではいかがでしょうか。
