
明治時代の文明開化を語る文脈でも注目されることが多い円山公園。京都の都市公園では知名度ナンバーワンの場所です。秋には紅葉の魅力を心ゆくまで楽しめるのは言うまでもありません。しかし、円山公園の魅力はそれだけではありません。近代史や日本文化を俯瞰するようなところから見えてくる、そんな円山公園の楽しみ方をご紹介します。
明治時代、日本に公園が生まれた
円山公園の秋
現代の観光目線で、この円山公園が注目されるのは、公園中央にあって公園のシンボルとなっている枝垂れ桜が豪華に花咲くシーズンです。3月末から4月上旬の、いわゆるお花見シーズンが円山公園の賑わう季節です。もちろん京都屈指の観光地のど真ん中ですので、お花見シーズンでなくても、年間を通して賑わっています。むしろ、どの季節が1番かといった問い自体が意味をなさないくらいの状況という方が正しいかも知れません。春には春の、夏には夏の、秋には秋の賑わいがあるということです(さすがに冬の寒い頃は人出は減ります)。
このように季節それぞれの魅力がある円山公園ですが、秋に特化するとどうなるでしょう。強調するのは、やはり秋色探しです。ブナやコナラなどの広葉樹が黄色く色づき始める段階から、サクラモミジを含め、モミジやカエデの赤く染まる段階まで、幅広く楽しめるのが円山公園の秋です。10月末から11月上旬なら龍馬像の周辺でも木々が黄色くなり始めていますし、月の後半になると八坂神社境内の北側ゾーンでも紅葉が目立つようになってきます。またこの頃になると、瓢箪池まわりも見映えが増してきます。遠方では将軍塚の木々が色づき、池畔の紅葉が水面に映り込む季節などは格別と言っていいでしょう。

