滝口寺で今も尚言い伝えられている平家物語の伝説とは

滝口寺出典:滝口寺 – Wikipedia

滝口寺は、京都市右京区嵯峨亀山に位置しています。滝口寺という名を聞くと、滝があるのでは?と思われる方も多いと思いますが、滝はこの寺院にはありません。平家物語の実らずに悲劇に終わる恋の伝説が残された寺院の歴史や魅力について見ていくとしましょう。

滝口寺の歴史とは

滝口寺出典:京都散歩ナビ~滝口寺へのアクセス、地図、周辺情報など~
滝口寺は、京都の中でも名所や知名度が高い寺院ではありません。ですが、日本古来の風情溢れる景色が今も尚残っている寺院になります。こちらのお寺を建てたのは、浄土宗の開祖法然のお弟子さんになります。その名は、良鎮上人と言います。建てられた当初は、本寺に属する寺院であり、寺院の名前も三宝寺でした。この三宝寺の時代に、平家物語の実らずに悲劇に終わる恋の悲恋伝説が生まれたと言われています。その伝説の主人公は、平重盛の家来であった斉藤時頼と横笛という侍女の物語です。時頼は、花見の席に来ていた建礼門院徳子に仕えていた横笛という女性に一目惚れをしました。時頼は気持ちを手紙にしたため、彼女に送りますが、この恋文が原因で彼は出家させられてしまいます。この恋文の気持ちに答えようと横笛が訪ねてきても、出家した身なので追い返す他ありません。そんな切ない気持ちを断ち切る為に名前を滝口へ変えて、山へ入り修行へ打ち込み思いを忘れようとします。そして、横笛も出家をし、ふたりが交わる事は生涯なくなってしまいます。もちろん様々な諸説が飛び交っており、どれが真実かははっきりとしていないとも言えます。この事は伝説として言い伝えられ、滝口寺と呼ばれる様になったと言われています。この滝口寺は明治時代に入ると、歴史の荒波に揉まれ、すたれ、絶えてしまいました。しかしながら、昭和の初め頃に、再建されたのが今の形になりますその際に叶わなかった思いを、叶えて欲しいと思う気持ちからか本堂には、二人の木造が並んで安置されています。遥か遠い未来で、二人が一緒になっている事を願ってやまないですね。[hr][/hr]

滝口寺の御朱印

御朱印は、拝観受付にて頂く事が出来ます。種類は1種類になります。墨書きで日付と滝口寺と描かれているシンプルな物になります。[hr][/hr]

滝口寺の魅力とは

本堂は、なんとも風情溢れる茅葺屋根の古民家とも言える作りになっています。その庭には、多くの木々が植えられており、紅葉の季節は軒下から庭を眺めると、ついつい時間を忘れてしまいます。さてその本堂には、平家物語の伝説にも出てきた横笛の絵などが飾られています。その伝説の歴史を感じる事が出来るとも言えるでしょう。先ほど少しお話ししましたが、この伝説の主人公でもある二人の姿は本堂では見る事ができ、坐像の目には水晶が入っているのでそこもぜひ見て頂きたい所になります。また、横笛が時頼に会いに来た際に、追い返されてしまった時の気持ちを、自分の指を切り、血で石に歌を書いたと言われており、それが歌碑として今も残されています。この気持ちを想像すると、なんとも切ない気持ちになります。[hr][/hr]

滝口寺へのアクセス

滝口寺へと行くにはおすすめの方法は、バスになります。JR京都駅の中央改札口を出ると、目の前にバスターミナルがあります。C6乗り場より28号系統の嵐山・大覚寺行きに乗車し、嵯峨釈迦堂前で下車しましょう。そこから徒歩約15分で滝口寺へ到着となります。京都駅からの所要時間は、バスの乗車時間が約50分と徒歩約15分の1時間5分程になります。電車で行く事も出来ますが、最寄りの嵯峨嵐山駅からだと徒歩約25分も掛かる為、バスで行く方をおすすめします。[hr][/hr]

滝口寺の詳細

■住所〒616-8387 京都府京都市右京区嵯峨亀山町10-4■電話■時間午前9時~午後5時■拝観料300円■駐車場なし