神護寺というお寺をご存じですか?このお寺は最澄や空海にも関係のあるお寺で、日本三大名鐘の1つである梵鐘が置いてあることでも有名です。紅葉が京都の他の場所より早く見られるので、その時期になると大変混雑する人気の紅葉名所です。そんな神護寺の魅力をご紹介します。
出典:神護寺 | 京都の観光スポット | 京都観光情報 KYOTOdesign
神護寺の正式名称は神護国祚真言寺(じんごこくそしんごんじ)といい、この名称は824年に神願寺と高尾山寺が合併した時から使われています。また、弘法大師(空海)が14年の月日を過ごしたお寺としても知られています。神護寺の元となる神願寺は、和気清麻呂によって781年に建てられました。神護寺には日本三大名鐘の1つで国宝の梵鐘や、国宝の薬師如来像などがあります。神護寺は紅葉が美しく、他の場所よりひと足早く紅葉することでも有名です。
硯石は空海が「金剛定寺」と書いた際の伝説から名付けられた石です。嵯峨天皇の命を受けた勅使が空海に「金剛定寺」の書を依頼しに行った際、清滝川が増水しており渡れなかったそうです。その際に、空海はこの石を硯にして墨を筆に含ませ、その筆を勅使のいる対岸の額に向かって投げただけで、「金剛定寺」の字を書いたといわれています。
神護寺の入口の門ですが、ここにたどり着くまでが大変です。清滝川を渡り楼門
を目指す道のりに立ちはだかるのは400段の階段です。これを登りきったところにやっと楼門があります。秋はこの階段の紅葉がとても美しいので、もし秋に訪れる際にはゆっくりと紅葉を堪能しながら登ることをおすすめします。
出典:神護寺 - Wikipedia
金堂には本尊であり国宝の薬師如来像が祀ってあります。薬師如来像は170cmくらいの大きさで、腰より下がしっかりした存在感のある出で立ちをしています。薬師如来像の他に重要文化財の日光・月光(がっこう)菩薩立像や四天王立像が安置されています。建立されたのは1934年と新しく、実業家の山口玄洞の寄進により建てられました。また、山口玄洞により多宝塔も同じ年に建てられており、そこには国宝の五大虚空蔵菩薩像が置いてあります。
梵鐘は江戸初期に鐘楼に造られ、900kgの重さがあります。序詞を橘広相が手がけ、銘文を菅原道真の父である菅原是善が書き、文字を揮毛したのは藤原敏行とされており、当時の優れた人々によって銘が刻まれたことで、三絶の鐘と言われています。他の2つは平等院にある姿の平等院という名前の鐘と園城寺・三井寺にある声の三井寺という名前の鐘です。
素焼きの土器や小さなお皿を投げて厄除けをするもので、神護寺が発祥の地とされています。神護寺では清滝川に向かって素焼きの皿を投げますが、他の場所では的に向かって投げるなど様々なところがあります。神護寺では素焼きのお皿は雨が降れば土に還るので、厄も一緒に土に還すのだそうです。

他のお寺の紅葉より少し早いとされており、神護寺の高雄、西明寺の槙尾、高山寺の栂尾で三尾と呼ばれており、紅葉の名所として有名です。神護寺から高山寺までは徒歩15分ほどで行くことができるので、紅葉の時期が合えば一緒に回るのもおすすめです。神護寺では、楼門への参道と金堂から見下ろす眺め、地蔵院の周辺が紅葉の美しいところとして有名です。紅葉の頃は夜のライトアップも行っており、昼とは違う呼ばれる妖艶な雰囲気の紅葉を見ることができます。
住所:京都府京都市右京区梅ヶ畑高雄町5
アクセス:JRバス 山城高雄 徒歩20分
拝観時間:9:00~16:00 年中無休
拝観料:中高生・一般 600円 小学生 300円
※30名以上の場合は団体割引もあります。
まとめ
いかがでしたか。
空海が入山した神護寺は、日本の仏教の歴史の中で大切な役割をしたことでしょう。400段の階段を登り切るためにも歩きやすい靴を履いて、ぜひ神護寺を訪れてみてください。