遅咲きの御室桜が咲き誇る 皇族ゆかりの典雅な「仁和寺」

仁和寺

平安の頃から高い格式を誇ってきた門跡寺院。遅咲きの御室桜の美しさで有名で、花に埋もれるようにして立ち並ぶ宮廷風の諸堂が雅な雰囲気を漂わせます。欄間や襖絵などの美しい意匠がちりばめられた御殿の造形は必見です。

仁和寺-桜仁和寺2年(886年)に光孝天皇の勅願により着工され、2年後に宇多天皇が完成させた真言宗御室派の総本山。寺号の由来は年号だが、宇多天皇が出家後に入寺し、御座所である「御室」を設けたことから御室御所とも呼ばれました。代々皇族が門跡を務めてきた寺院で、平安~鎌倉期に最盛期を迎えましたが、応仁の乱で伽藍の多くを焼失してしまいました。江戸時代に入り、徳川幕府の援助を受けた第21世覚探法親王の尽力によって再建。その際に紫宸殿や清涼殿が京都御所から下賜され、雅で格式高い雰囲気を今に伝えています。1994年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されました。京都一遅咲きと言われる御室桜は、かたい粘土質の土中で根が伸ばせないため、丈が低く花も根元からつくといわれています。約200本の桜が境内を薄桃色に染め上げる風景が見事で、大正時代に国の名勝にも指定されました。

歴代天皇の御座所となった御殿

歴代皇族の御座所となった御殿は、黒書院や白書院、宸殿、霊明殿などからなり、それぞれ画家・堂本印象らの襖絵や松の襖絵などで飾られています。床、欄間、違い棚などの様々な意匠がみられ、御殿を結ぶ入り組んだ廊下も必見です仁和寺儀式や式典に使われた御殿の中心的建物。部屋の襖や壁に描かれた極彩色の大和絵や、床・違い棚に施された精緻な螺鈿細工が見事。縁側から北庭を眺めれば、遠く五重塔が望めます。仁和寺御殿をつなぐのは、段差や曲がりの多い渡り廊下です。左右非対称な建築美が見事で、その優美な姿は王朝文化を偲ばせます。角を曲がるたびに移り変わる左右の庭園の風景を楽しめます

国宝の金堂

仁和寺-金堂仁和寺再建の折に御所・内裏紫宸殿を移築した金堂。紫宸殿は慶長年間(1596~1615年)に造営されたもので、現存最古の紫宸殿遺構と言われています。入母屋造、本瓦葺で、堂内には本尊の阿弥陀三尊像(国宝)や四天王像、梵天像などを安置しています。カエデ京都マエストロページへ

京の三大門の一つ・二王門

仁和寺-二王門左右に阿吽の金剛力士像を安置することからその名がついた二王門。入母屋造、本瓦葺の構造をした高さ18.7mの巨大な楼門で、造営は寛永年間(1624~1644年)と伝わっています。仁和寺-金剛力士像

内部に大日如来を祀る五重塔

寛永21年(1644年)建立の五重塔。高さ約36mのすっきりとした細見の佇まいで、上層から下層にかけて大きさの変わらない屋根は江戸時代の塔建築の特徴をよく表しています。内部には大日如来や無量寿如来などを安置しています。[hr][/hr]

仁和寺(にんなじ)TEL.075-461-1155●京都市右京区御室大内33 ●市バス御室仁和寺から徒歩2分 ●9時~16時最終受付(12~2月は16時最終受付) ●無休 ●駐車場100台