京都の中心部から離れた大原に位置する大原三千院は、秋になると色鮮やかに染まった紅葉と深緑の苔の美しいコントラストを鑑賞することができます。他にも大原三千院ならではの見どころがあり、秋の京都を心行くまで堪能することができる紅葉絶景スポットとしても知られています。今回は、大原三千院の紅葉の魅力や見頃、アクセス方法などをご紹介いたします。
大原三千院とは?
京都市左京区大原に位置しているお寺で、苔が美しい2つの古い庭や四季折々の美しい自然を楽しむことができます。三千院門跡とも呼ばれ、青蓮院、妙法院とともに天台宗の三門跡寺院の一つとして数えられています。燃えるように美しい紅葉で彩られる紅葉の絶景スポットとしても知られ、他の観光スポットに比べてアクセスしにくいにもかかわらず、紅葉のシーズンになると多くの観光客が訪れます。
「もみじ祭」の期間中には、お茶席が設けられるので、お茶を堪能しながら紅葉を眺めることができ、奥ゆかしい京都の秋を体感することができます。また、苔寺で知られる三千院には、様々な苔のアートが展示されています。苔で形を作った大きな御朱印「モシュ印」や、金魚鉢の中に苔の世界を模造した「コケ寺リウム」などがあり、コケ寺リウムの中にはわらべ地蔵までが忠実に再現されています。また、重要文化財にも指定されている往生極楽院は、こけら葺きの屋根を持つ入母屋造りの建物です。中には国宝である阿弥陀三尊像が安置されています。建物のぎりぎりいっぱいの大きさをした仏像で、右に観世音菩薩、左に勢至菩薩、中央に阿弥陀如来が配置されています。「人を救いたい」という思いの強さを表すため前のめりの姿勢となっているのだそうです。この前のめりな座り方を「大和座り」や、跪坐(きざ)と呼びます。はっきりは見えにくいですが天井に極楽浄土が描かれており、これが色彩豊かに再現されているのが三千院を回って最後に訪れる「円融蔵」です。ぜひチェックしてみてくださいね。
紅葉の見ごろは?
大原三千院の紅葉は11月の上旬ごろから色づき始め、見ごろは例年11月中旬から11月下旬です。その時期になると、色鮮やかに染まったカエデやモミジ、ヤマザクラなどの木々の葉を堪能することができます。山間の盆地に位置している大原は、寒暖差が大きい為、くっきりと紅葉が色づきます。
紅葉の見どころは?
有清園
往生極楽院のある有清園は、あたり一面に広がった深い緑の苔が見どころです。あたり一面に広がる緑の苔と、鮮やかに色づいた紅葉とのコントラストが非常に美しい見どころの一つです。
同じ見頃の時期でも色づき具合はどんどん変わっていきます。日によっては黄色と赤の絶妙なグラデーションが見られますし、少し見頃を過ぎると緑の苔の上に真っ赤なモミジが散り落ちて、よりコントラストの美しさが際立ちます。杉の木漏れ日が苔を照らして輝く光景もまたきれいです。手を濡らすと福が得られるとされている、金色水と呼ばれる福寿延命の水も要チェックです。
聚碧園
茶人の金森宗和が作庭したとされる聚碧園。池泉回遊式の庭園で、濃い緑や鮮やかな緑、さまざまな色味をした苔が趣き深い庭の世界観を創り上げ、随所に見える赤い紅葉が際立ちます。中央にさりげなく配置された池には散った紅葉が浮かび、太陽に照らされた様子はとても上品で風情のある景色となっています。
わらべじぞう
多くの人がカメラを向ける先にあるのが、「わらべじぞう」です。つい見逃してしまいそうな位置に佇んでいますが、看板もあるので見つけたら写真におさめておきましょう。優しく微笑むものから、なんだかドヤ顔のようにも見えるもの、律川沿いに置かれているの六体の「おさな六地蔵」は、往生極楽院の「わらべ地蔵」よりもより一層表情豊かなものとなっています。お気に入りのお地蔵さんを見つけるのも楽しみのひとつになりそうですね。また、緑の苔に埋もれたお地蔵さんと、そこに散り落ちた真っ赤なモミジ、さらにはお地蔵さんに降り積もったモミジなんかも見られます。ぜひ写真におさめてみてくださいね。
朱雀門
有清園の南側にある朱色の門が「朱雀門」です。門とモミジのそれぞれ色味のことなる赤色が美しいです。
紅葉の混雑状況
やはり見頃を迎えると人気のスポットなので、割と混雑は必須と考えておくべきでしょう。ゆっくりご覧になりたい方は、平日がおすすめです。平日であればほとんど混雑を回避することが出来るでしょう。土日になる場合は、開門時間には到着しているようにすれば、割とスムーズに鑑賞する事も出来ます。
大原三千院の詳細
京都府京都市左京区大原来迎院町540
【電話番号】
075-744-2531
【拝観時間】
3月~12月7日 8:30~17:00
12月8日~2月 9:00~16:30
【拝観料】
一般700円(団体30名以上600円)
中学生・高校生400円(団体30名以上300円)
小学生150円
【アクセス】
京都駅から京都バス大原行きに乗り、終点まで1時間乗車。終点で下車してから徒歩10分
車の場合には、名神高速道路京都東ICから湖西道路(国道161号線)、国道367号経由で1時間
駐車場はあるの?
大原三千院の専用駐車場はないので、周辺の駐車場に停める必要があります。比較的、少し離れた場所にある駐車場の方が空きを見つけやすいようです。お車でお越しの場合:名神高速道路京都東ICから国道161号・湖西道路・国道477号を経由し、国道367号を大原方面へ車で37km
大原三千院の御朱印について
三千院でいただくことができる御朱印は何種類かあります。中でも期間限定のゴールドの御朱印はかっこいいのでおすすめです。
①御朱印・薬師如来
②西国薬師四十九霊場第45番礼所の御朱印・薬師如来
③西国薬師四十九霊場第45番礼所の御詠歌
④弥陀三尊
⑤近畿三十六不動霊場第16番礼所の御朱印・金色不動尊
⑥近畿三十六不動霊場第16番礼所の御詠歌
⑦弁財天
⑧聖観音
全てお値段は一律300円、期間限定のものは500円です。授与所は、客殿・金色不動堂・観音堂の3か所です。弁財天から先に進むと現れる金色不動堂は、平成元年に建立された新しい建物で、本尊は重要文化財にも指定されている不動明王像となります。受付時間は、11月が8:30~17:0012月~2月が9:00~16:30となっており、月によって変わるので注意が必要です。
大原三千院周辺のおすすめ紅葉スポット
せっかく大原へ来たのなら、三千院だけでなく周辺の紅葉スポットにも足を運んでみることをおすすめします。
宝泉院
宝泉院は、仏教音楽の根本道場の勝林院の中の僧坊として800年以上前から存在するお寺です。お寺のシンボルである樹齢700年の富士山をかたどった大きな「五葉の松」と周囲の鮮やかな紅葉との美しい調和は、ここ宝泉院ならではの景色です。宝泉院では、心地よい水琴窟の音を聞きながら抹茶とお菓子を楽しむこともできます。またこちらでは秋のシーズンは紅葉のライトアップがありますので、ぜひ夜にも訪れてみるのもおすすめです。
京都府京都市左京区大原勝林院町187
【電話番号】
075-744-2409
【拝観時間】
午前9時~午後5時
【拝観料】
大人800円
抹茶、茶菓子付き
【ライトアップ情報】
期間
11月中旬~12月上旬
※紅葉の見頃によって変動がある為、足を運ぶ前に公式ホームページなどで確認をしましょう。
時間
午後5時45分~午後8時45分
【アクセス】
JR京都駅より17系統・18系統に乗車、「大原」バス停留所まで約65分
勝林院
日本音楽の源と言われる勝林院。1186年(文治2年)には、顕真と法然が宗論をした寺だとも伝えられています。重要文化財になっている梵鐘の周囲を取り巻くように赤く染まるもみじは、秋の京都らしい圧倒的な美しさです。
左京区大原勝林院町187
【電話番号】
075-744-2537(実光院)
【拝観時間】
午前9時~午後4時半
【拝観料】
大人300円
※秋の特別拝観:500円
【アクセス】
京都バス 大原下車 徒歩約15分
実光院
桜と紅葉を一緒に楽しむ事が出来る寺院。三千院から徒歩2分とアクセスのしやすさも魅力的な、実光院。こちらでは、鑑賞式庭園と回遊式庭園の2つの美しい庭園を見る事が出来ます。11月の寒空の中に咲く桜がこちらに植えられている「不断桜」。こちらの開花は紅葉の時期なのです。他ではなかなか見ることのできない、「桜×紅葉」の景色をぜひご覧になってください。
左京区大原勝林院町187
【電話番号】
075-744-2537
【拝観時間】
午前9時~午後4時半
【拝観料】
大人700円
【アクセス】
京都バス 大原下車 徒歩約15分
寂光院
「平家物語」ゆかりの寺院である寂光院では、周辺の色とりどりの山々と共に素晴らしい紅葉を鑑賞することができます。「尾張のもみじ寺」と呼ばれるほどの美しい紅葉は、まるで絵葉書のような美しさ。特に、展望台からの眺めは見事なものです。秋の風情が漂う境内では、ゆったりと山里の秋を堪能できます。
京都市左京区大原草生町676
【電話番号】
075-744-3341
【拝観時間】
9:00~17:00
※12~2月は16:30、1/1~3は10:00~16:00
【拝観料】
600円
【アクセス】
京都バス「大原」下車徒歩約15分
名鉄犬山線犬山遊園駅から徒歩20分
まとめ
大原三千院の苔×紅葉が織りなす絶景は、名所として多くの人が訪れるのも納得の地でしたね。今年はいつもとは違う紅葉の景色を見に、大原三千院に足を延ばしてみませんか?