
秋の京都を楽しむことができるのは、お寺や神社だけではありません。比較的人が少なくゆったりと散歩気分で美しい紅葉を満喫できるハイキングコースは、紅葉の穴場的なスポットです。「ハイキング」と聞くとなんだか疲れてしまいそうな気がしてしまう方も多いかと思いますが、今回は登山のような急な坂道がなく歩きやすいハイキングコースをいくつかご紹介いたします。
紅葉シーズンの京都は、どこへ行っても観光スポットは多くの観光客で混雑していますが、鞍馬寺から貴船神社へのハイキングコースは比較的観光客が少なく、紅葉をゆったりと堪能することができる穴場的な紅葉スポットです。鞍馬寺はパワースポットとしても知られている人気の場所で、京都最強とも言われています。本当に良い運気が漂っているような雰囲気です。鞍馬寺から貴船口まで約2~3時間と、ハイキングコースとしては短い距離ですので、ハイキング初心者やお子様連れの方にもおすすめです。京都駅から鞍馬寺までのアクセスは、まずJR奈良線にて東福寺駅まで行き、そこから京阪電車で出町柳駅へ。そこから比叡電鉄に乗り換えればハイキングコースの出発地点である鞍馬寺駅に到着します。鞍馬寺鞍馬寺は今からおよそ650万年前に魔王が降り立った場所とされており、祀られている三尊には護法魔王尊がおられ、負のパワーを吸い取ってくれるとされています。また他の2体は毘沙門天と千手観音で、護法魔王尊を大地の精霊、毘沙門天を太陽の精霊、千手観音を月輪の精霊して祀っており、訪れるだけでエネルギーが頂けそうなお寺です。鞍馬寺は牛若丸(後の源義経)が天狗と修業した場所とも言われており、紅葉だけでなく見どころも沢山あります。肝心の紅葉ですが、鞍馬寺は鞍馬山自体が寺と言っても過言ではなく、鞍馬寺駅を降りたところから自然の豊かさが織りなす壮大な錦の景色を見ることができます。夏には避暑地としても知られており、秋に訪れたことがある方は夏に訪れてみるのもおすすめです。貴船神社貴船神社も鞍馬寺同様にパワースポットとして有名です。貴船神社では水の神として龍神を祀っています。こちらの神社には水占みくじと言って、おみくじを御神水に浸けて占う珍しいおみくじがあり、ハイキングの休憩がてら楽しんでみてはいかがですか。紅葉の絶景スポットは本宮に繋がる参道で、夏には青もみじの名所と謳われる貴船神社のもみじが一斉に赤くなり、朱色の灯籠と共に鮮やかに風景を彩ってくれます。また貴船界隈には美味しいお食事を食べられるところも多いので、一日をゆっくり過ごすのもおすすめです。紅葉の季節に歩きたい隠れ紅葉スポット:佛教大学~然林坊
清滝川に沿って楽しむ紅葉:清滝~高尾
「清滝・高尾ハイキングコース」は、清滝バス停から清滝川に沿って歩き、清滝川上流の「高尾」までの約4キロのコースです。「錦雲渓(きんうんけい)」と呼ばれる渓谷が、「清滝・高尾ハイキングコース」での紅葉の絶景スポットとして知られ、比較的人が少ないことから隠れ家的な紅葉スポットとされています。また、三尾地区にある「神護寺」「西明寺」「高山寺」の3つのお寺も鮮やかな色に染まった紅葉を楽しむことができるスポットとなっています。「清滝・高尾ハイキングコース」は道のアップダウンが少ないので、ハイキング初心者の方でも歩きやすいコースです。神護寺高雄山の中腹にある神護寺は、京都の中でも比較的早く紅葉を楽しめる場所として有名です。高雄、槇尾、栂尾の3か所を三尾と呼び、紅葉名所として知られています。参道の入り口では朱色のアーチ状の橋が紅葉と共に来訪者を迎え入れてくれて、その後には350段の石段があります。この石段を上るのは中々大変ですが、道中紅葉を楽しみながら歩けるので、ゆっくり歩けばそれほどでは大変でもないとおっしゃる方もいるかもしれません。途中には茶屋もあり、休憩がてら立ち寄るのもおすすめです。紅葉は、拝観受付を行って、門をくぐった後も、至る所で楽しめます。神護寺は空海と縁の深いお寺で、素焼きの土器などを投げて厄払いを行うかわらけ投げ発祥の地ともされています。空海の伝説を楽しんだり、かわらけ投げを体験してみたり、紅葉以外の楽しみ方もぜひしてみてください。西明寺西明寺は832年に神護寺の別院として開かれたのがはじまりだそうです。小さなお寺ですが、真っ赤な紅葉が印象的で、お茶をいただきながらゆっくり紅葉を楽しむこともできます。高山寺日本最古の茶園と日本最古の漫画で有名なのが高山寺です。境内が広く、美しい紅葉を楽しむことができます。見頃の頃になると表参道は紅葉のトンネルとなり、大変美しいです。神護寺と西明寺に比べると、紅葉が少し遅いので、どこの紅葉を一番見たいかで日程を決めることをおすすめします。

