金閣寺の奥の山を越えて、更に奥に存在する「桜の名所原谷苑」とは、一体どんなところか…とても気になります。訪れた人によれば「桃源郷」や「シダレザクラのジャングル」など、美しいのは間違いないようですが、気になることばかりです。さて、この「原谷苑」について詳しく見ていきましょう。
「原谷苑」は、桃源郷そのもの。春の京都の桜の新名所とも言えるそんな場所。
「しだれ桜のジャングル」とも表現されるほど、圧倒的な桜の美しさに浸ることができる、京都の「原谷苑」。しかし、原谷苑はそもそも個人が所有している土地ですので、常に一般公開されている場所ではなく、桜や紅葉のシーズンのみ一般に公開されます。されます。
原谷苑の広さは、なんと4,000坪になります。東京ドームで表すと、約0.3個分の広さとなり、とても広大な敷地になります。苑内には、ソメイヨシノ・シダレザクラ、ベニシダレザクラなど、約20種400本の桜が植えられています。樹齢60年をこえるベニシダレザクラにおいては、日本一とも言われるほどの数になります。数にすると200本以上と言われています。
このように、原谷苑ではさまざまな種類の桜が植えられているため、濃い目のピンクや淡いピンク色、または白い桜の花が共演している様子を鑑賞することができるのです。
どのように桜の名所とも言われる「原谷苑」は出来たのか?
原谷苑は、その昔、この地を開拓した花好きの村岩2代目が、この景色を作り出したと言われています。原谷苑の中でも、景色のいい丘を選び、数百本の桜や紅葉、数十種類の樹木を植えて、育ててきたと言われています。最初は桃や栗、そして柿などの果樹木も植えたようですが、果樹木は育つことなく、桜の種類のみ大きく育っていったそうです。
こんなにも立派な苑にするのは、さぞ大変なご苦労と花や木々への愛情の深さがうかがえます。最初は、身内のみでお花見していたのが、やはりこれだけの景色になると、どんどんと評判が広がり、一般の人にも開放して頂けるようになったのです。
苑内に入っていきなり目の前に現れる大きなシダレザクラ。苑内に一歩足を踏み入れると、そこは一面にピンク色のシャワーが出迎えてくれます。驚くかもしれませんが、「原谷苑」のシダレザクラは、とにかく枝の垂れ方が、他のシダレザクラとは全く違います。顔のところまでも枝が垂れているのは、普通なのです。長いものであれば、なんと足元までも枝が垂れています。シダレザクラをこんなにも近くに見られることは、滅多にないと言ってもいいでしょう。
「原谷苑」にいると本当に桜の世界に迷い込んだ気分になります。「原谷苑」は食べ物などの持ち込みが禁止されています。当然ですが、ゴミの問題などもあるので、綺麗に保つには得策と言えます。その代わりに売店があります。ビールや花見団子、飲み物も甘酒などもあります。苑内には、ベンチが多く設置されているので、こちらの売店で買った物を食べながら、お花見も出来ます。お弁当もあるので、本格的なお花見も楽しめます。
もちろんいけないことはありません。公式のサイトによれば、市バス北1系統源光庵バス停より約2.5kmほど、所要時間は約30~40分と書いてあります。ただ、平坦な道ではないので、歩き慣れている方ならばまだしも、ハイキングを普段しない方は避けた方がいいかもしれません。その他、鹿苑寺金閣より、約2.2kmほど、所要時間は約30~40分。御室仁和寺より、約2.1kmほど、所要時間は約30~40分になります。
一般的に「原谷苑」の見頃は、京都市内より1週間ほど遅めになります。桜の開花についてお話しするとわかりやすいのですが、ソメイヨシノは、2月1日以降の最高気温の合計が600度を超えると開花すると言われています。そして、800度を超えたときに満開になると言われています。山あいにある「原谷苑」の桜は、やはり気温が上がりづらい場所でもあるので、遅めの開花になります。わかりやすい目安としては、京都の遅咲きの名所とも言われている「仁和寺の見頃と同じ頃」と覚えておくといいでしょう。
原谷苑へお出かけの際は、次の注意点を守って美しい桜を鑑賞しましょう。
■飲食物の持ち込み禁止
■三脚や敷物などの持ち込み禁止
■ペット同伴での入苑禁止
また、原谷苑では桜の育成を大切にしているため、道の舗装がされておらず段差などもあるため、散策の際は十分に注意してください。
■住所
京都府京都市北区大北山原谷乾町36
■電話番号
075-461-2924
●令和6年度 原谷苑 【一般公開】のお知らせ】
梅まつり 3月16日(土)~3月23日(土)
桜まつり 3月24日(日)~4月25日予定(木)
■開苑時間
9:00~17:00(入苑受付は16:30まで)
■入園料
変動制 ~1,500円(現金のみ)
※桜の開花状況により、変動します。
■アクセス
原谷苑は、金閣寺の裏の山を越えた山間部に位置していてアクセスしにくいため、事前に利用する交通手段を確認しておく必要があります。また、公開されている時期に自家用車で行くことはできませんので、必ず公共交通機関を利用しましょう。
原谷苑へアクセスする方法は、3パターンあります。
(1)市バス
市バス「原谷」で下車するとすぐです。
「立命館大学前」~「原谷」の間を結ぶM1系統の市バスは、1時間に1~2本ですので、お出かけの際はあらかじめ時刻表を確認しておくことをおすすめします。また、「北大路バスターミナル」~「原谷」を結ぶ市バスでもアクセス可能です。ただし、こちらのバスの本数は1時間に1本程度ですので、いずれにしても事前の確認が必須となります。
(2)タクシー
バスを逃してしまった場合などは、タクシーを利用しすることも一つの方法です。
一緒に行く人数が多ければ、料金が割安になります。
(3)シャトルバス
3月27日(木)~4月14日予定(日)までの予定です。
西大路通沿いのわら天神鳥居前付近から発車します。(わら天神前バス停ではありませんので御注意ください)
原谷苑のガードマンがおりますので、整列してお待ちください。やむを得ず乗り場の移動や中止することもあり得ますが、その際にはご容赦下さいませ。
●運行時間は9:00~16:00
●原谷苑西門からのわら天神行き最終便は16:30です。
これを読んでいると「桜の世界」に行ってみたくなりませんか?原谷苑は、山間部に位置していることから決してアクセスしやすいとは言えないところに位置しているのですが、その不便さが逆に特別感を高めているのかもしれませんね。ぜひ、みなさまもこの絶景を確かめにいってみてはいかがでしょうか。
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