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京都の紅葉エリアは、街区(洛中)を取り囲む馬蹄形。昔も今も紅葉名所として名高い東山&嵐山エリアは、その代表格なのですが、京都の紅葉エリアは他にもたくさんあります。東山&嵐山ばかりに目を奪われていると、洛中の魅力的なスポットを見落とすことにもなりますので注意しておきたいものです。
京都は、三方を山が取り囲む街です。紅葉シーズンを前に、有名な紅葉スポットをマーキングしていくと、みごとに街区を囲むような感じになってしまうのも、紅葉が山際エリアに多いのと無関係ではありません。それと、もう一つ、大きな敷地を持つ寺院が周辺部に集中していることも、理由の一つです。これには歴史的な背景があって、平安京が建設された段階では中心部には大きな寺院を作ることが許されませんでした。奈良の東大寺や興福寺のように、街のど真ん中に大きな敷地を占める寺院がない替わりに、周辺部に建てられていった、もしくは周辺部の貴紳邸第が寺院に改められていったのが、京都の事情なのです。東山の清水寺しかり、嵐山の天龍寺しかり、大原の三千院しかり、有名スポットは馬蹄形に京都の街を包み込んでいることが、紅葉地図を見ればよくわかるはずです。そうした京都の紅葉地図を見ながら、ポイントになる紅葉スポットのいくつかを紹介しておきましょう。
東山&嵐山エリア

東山・嵐山エリアの紅葉の名所
清水寺
「清水の舞台」で有名な清水寺は、京都屈指の紅葉の名所としても知られています。本堂の清水の舞台から下を見下ろせば、錦雲峡と呼ばれる鮮やかな紅葉が雲海のように広がっている素晴らしい風景を鑑賞することができます。夜間ライトアップでは、光に照らされた幻想的な紅葉が京都の夜空に浮かびます。夜間特別拝観は21:30まで。【所在地】京都市東山区清水1-294【電話】075-551-1234【拝観時間】6:00~18:00(秋の夜の特別拝観:受付時間17:30~21:00)【拝観料】400円【アクセス】阪急電鉄「河原町駅」または京阪電気鉄道「祇園四条駅」からバスで「清水道」下車、徒歩10分。JR京都駅からバスで「五条坂」または「清水道」下車、徒歩10分東福寺
京都随一の紅葉スポットとして有名な東福寺。一番の見どころは、本堂と普門院、開山堂を結ぶ「通天橋」から臨む「洗玉澗」の紅葉の風景です。他にも、東福寺では国宝に指定されている三門に加えて、苔と敷石が市松模様をつくる本坊庭園など、見どころが満載です。【所在地】京都府京都市東山区本町15丁目778【電話】 075-561-0087【拝観時間】9:00~16:00(受付終了16:00)※11月~12月初旬は8:30~、12月初旬~3月は15:30まで(受付終了15:30)となっています。【拝観料】通天橋と開山堂:600円※【秋季は1000円】・本坊庭園:500円 上記の共通拝観料は1000円(※秋季は設定なし)【アクセス】JR東福寺駅から徒歩10分・京阪電鉄鳥羽街道駅から徒歩8分渡月橋
嵐山のシンボル的存在の渡月橋は、赤や黄色に染まった周囲の山々と風情ある渡月橋との調和を楽しむことができる、人気の紅葉スポットです。【所在地】京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町【電話】075-861-0012(京都嵐山保勝会)【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」下車徒歩約13分天龍寺
天龍寺では、嵐山を借景とした素晴らしい紅葉の景色を鑑賞することができます。世界文化遺産に登録されている「曹源池庭園」や、曹源池庭園の西側の「紅葉のトンネル」が見どころです。【所在地】京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68【電話】075-881-1235【拝観時間】庭園・諸堂 8:30~17:00諸堂 8:30~16:45(10/21~3/20は17:00) ※北門受付は30分前に終了法堂「雲龍図」 9:00~16:30(10/21~3/20は16:00)【拝観料】高校生以上:500円・小・中学生:300円 ※諸堂参拝料300円の追加、法堂「雲龍図」の特別参拝は別途500円が必要です。【アクセス】嵐電嵐山本線嵐山駅からすぐ常寂光寺
日蓮宗の寺院で、小倉山の山麓にそびえ立つ常寂光寺は、嵯峨野の風景を一望することができます。塀のないお寺という点もポイントです。本尊には十界大曼荼羅が祀られています。また、重要文化財に指定されている高さ12mの多宝塔は和様と禅宗様の両方の様式を取り入れた檜皮葺きとなっています。京都随一の紅葉名スポットと知られ、紅葉シーズンには境内はもちろん石段に沿うようにしてイロハモミジやオオモミジが美しい彩りを魅せてくれます。近くには温泉もありますので、紅葉鑑賞で冷えた体を温めて帰るのもまた楽しみの一つとなります。【所在地】京都府京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3【電話】075-861-0091【拝観時間】9:00~17:00(受付は~16:30)【拝観料】拝観料大人500円・小人200円。【アクセス】JR山陰本線嵯峨嵐山駅から徒歩15分宝厳院
臨済宗大本山天龍寺の塔頭寺院である宝厳院は、回遊式山水庭園の「獅子吼の庭」が見どころとなっています。庭園内にある岩が獅子に見えることから「獅子岩」と呼ばれています。通常非公開のこちらは桜のシーズンと紅葉シーズンにのみ公開され貴重な景色となっています。ライトアップも行われ、光に照らされた紅葉はまた一層趣が溢れます。【所在地】京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36【電話】075-861-0091【拝観時間】9~17時(本堂拝観受付~16時30分)庭園受付~16時45分) ライトアップ拝観時間は17時30分~20時30分(11月9日から12月6日まで) 【拝観料】拝観大人500円、小・中学生300円。ライトアップは大人600円、小・中学生300円【アクセス】京福電鉄嵐山線「嵐山」駅から徒歩3分 JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅から徒歩10分 阪急電車「嵐山」駅から徒歩10分洛中エリアについて

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洛中エリアの紅葉名所いろいろ
北野天満宮
約350本の鮮やかな紅葉が織りなす風景は、風情があり素晴らしいものです。特に、もみじ苑北側の鶯橋の下を流れる清流紙屋川に移りこむ紅葉は、美しいの一言です。【所在地】京都府京都市上京区馬喰町【電話】 075-461-0005【拝観時間】6:30~17:00(10~3月は5:30~17:30)・もみじ苑9:00~16:00(ライトアップ時間は例年11月中旬から12月上旬までの日没から20:00)・社務所・授与所9:00~17:00【拝観料】大人:800円・小人:400円(茶菓子付)もみじ苑入苑は大人¥1000子供¥500【アクセス】JR京都から市バスで北野天満宮前下車、徒歩すぐ東本願寺
京都駅から徒歩圏内でありながら、風情ある美しい紅葉を楽しむことができる東本願寺。御影堂門の周囲を取り囲むように色づいたイチョウや、飛地境内「渉成園」の紅葉が見どころです。【所在地】京都府京都市下京区七条上る常葉町754【電話】075-371-9181【拝観時間】3月~10月5:50~17:30 11月~2月 6:20~16:30【拝観料】境内無料【アクセス】JR京都駅下車、徒歩7分龍安寺
龍安寺は、宝徳2年に細川勝元が徳大寺家の別荘を禅寺に改めたのが始まりとされる寺院です。2度もの火災で焼失してしまったため、現在の方丈は慶長11年に建てられた西源院の方丈を移築したものだそうです。方丈前庭の枯山水庭園は、史跡・特別名勝にも指定されており、白砂に15個の石組を配置して、虎の子渡しの庭とも呼ばれ、石庭といったら龍安寺というほど有名です。境内には秀吉が絶賛したとされる侘助椿の古木だったり、水戸光圀寄進の「吾唯足知-われただたるをしる-」と刻んだ蹲踞(つくばい)などがあります。夏は鏡容池の水蓮が見事に咲き誇り、秋は石庭油土塀ごしにみる紅葉、庫裏(くり)石段の赤や黄色のモミジのトンネルがとても美しいです。龍安寺の紅葉の見頃は例年11月中旬~12月上旬とされ、主に紅葉する樹種はサクラ・モミジになります。【所在地】京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13【電話】075-463-2216【拝観時間】8時~17時(12月~2月は8時30分~16時30分)【拝観料】大人(高校生以上)500円、小・中学生300円【アクセス】京阪本線三条駅から市バス59系統山越行きで40分、龍安寺前下車してすぐ。または嵐電北野線龍安寺駅から徒歩7分仁和寺
仁和寺は、仁和4年に宇多天皇によって創建された門跡寺院であり、御室御所とも呼ばれました。現在は真言宗御室派の総本山となっています。1994年12月には古都京都の文化財として世界遺産に登録されました。9万平方mにもなる広い境内には、国宝にも指定される優美な金堂をはじめとして、重要文化財にも指定される二王門・五重塔などが点在します。また、御所の名残りを感じさせる旧御室御所や池泉式庭園もあったりと、みどころが盛りだくさんです。名勝に指定される背丈の低い御室桜は、京都随一の遅咲きの品種として有名です。また、中門から金堂に向けての道がモミジのアーケードのようになっていて、桜だけでなく秋の紅葉も見事です。仁和寺の紅葉の見頃は例年11月中旬~12月上旬とされ、主に紅葉する樹種はモミジです。【所在地】京都府京都市右京区御室大内33【電話】075-461-1155【拝観時間】9~17時(受付は~16時30分、霊宝館は春・秋のみ公開。12~2月は~16時30分、受付は~16時)【拝観料】御殿拝観料 大人・高校500円、中学・小学300円。霊宝館拝観料 大人500円、高校・小中学無料。御殿・霊宝館拝観料共通券 大人800円、高校700円、中学500円【アクセス】電車の場合→京福電気鉄道北野線御室仁和寺駅から徒歩5分。JR京都駅からバスで御室仁和寺停留所下車、徒歩1分。JR京都駅からタクシーで約25分 車の場合→名神高速道路京都南ICから約40分。京都縦貫自動車道大原野ICから約30分西本願寺
京都駅から徒歩15分ほどの場所に位置する西本願寺は、世界遺産に登録されています。ここでは紅葉ではなく黄葉が見どころとなっていて、中でも京都の天然記念物に指定されている「逆さイチョウ」は個性的な形をしているため一見の価値ありです。また、有名な大銀杏ですが、台風の被害により迫力ある姿は見れなくなってしまったようです。【所在地】京都府京都市下京区門前町堀川通花屋町下ル【電話】075-371-5181【拝観時間】5:30 – 17:00【拝観料】境内無料【アクセス】市バス停 西本願寺前下車、徒歩すぐ晴明神社
晴明神社は、有名な陰陽師である安倍晴明公の屋敷跡に、晴明公を祀るために創建された神社です。境内の至るところに星のマークがありますが、これは「五芒星」といって、晴明が呪術を用いて陰陽道における強力な“魔よけ”として考案したものだといわれています。紅葉シーズンには、イロハモミジがきれいに色づき、京都の紅葉をイメージして作られた「もみじ守」が秋季限定販売(11月中旬〜12月中旬)で授与されます。【所在地】京都市上京区堀川通一条上ル晴明町806【電話】075-441-6460【拝観時間】9:00〜16:30【拝観料】境内無料【アクセス】市バス「一条戻橋・晴明神社前」下車 徒歩約2分 または市バス「堀川今出川」下車 徒歩約2分相国寺
相国寺は、臨済宗相国寺派の大本山の寺院です。室町幕府の3代目将軍である足利義満が創建を発案したとされ、金閣寺・銀閣寺は、相国寺の塔頭寺院になるそうです。境内でいうと鐘楼付近の紅葉が見どころですが、秋季のみ特別公開される相国寺の開山堂庭園では、枯山水と紅葉の組み合わせが風情があって素敵です。【所在地】京都府京都市上京区 今出川通烏丸東入相国寺門前町701【電話】075-231-0301【拝観時間】秋季特別拝観2020年の秋季特別拝観は中止となりました。(変更が有る場合はホームページでお知らせ)【拝観料】大人800円/高校生・中学生700円/小学生400円【アクセス】市営地下鉄烏丸線「今出川駅」より徒歩5分 または市バス59系統・201系統・203系統のいずれかで「同志社前」下車後に徒歩5分京都御苑
京都御所を囲む京都御苑では、広大な敷地内に広がる紅葉を贅沢にも無料で楽しむことができ、凝華洞跡付近にある大きなイチョウの木が黄葉した姿が美しく一見の価値ありです。京都御苑は広いうえに砂利道も多くあるため、歩きやすい靴を履いていきましょう。また京都御所を訪れるにあたり、平成28年から申し込みが不要になりました。 【所在地】京都市上京区京都御苑3番【電話】075-211-1215【拝観時間】入苑時間は無休ですが、苑内施設により異なります。【拝観料】無料【アクセス】地下鉄丸太町駅、または今出川駅からすぐ三尾エリアについて
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