絞りの名店片山門三郎商店は、大正4年1915年、絞り染の着物製造を主とした絞り屋として創業されたのが始まりです。現在では、疋田絞りのほか、唄絞り、突出し絞り、杢絞り、手筋絞り、三浦絞りなどの絞り技法を使って、着物だけでなく、洋服やバッグ、アクセサリーなどのファッション雑貨や、インテリア雑貨の製造・販売も行っています。片山文三郎商店の絞りの特徴は、華美にならず柄の少ないシックなデザインで、当時としては最先端を行っていたそうです。現在でも柄のない絞りだけで表現するデザインは変わっていません。
片山文三郎商店のバッグは、布を使った絞りの形状を活かした総絞りのものから、牛皮や鹿革を使って絞りの形状を染めたものまで、幅広くあります。大きな唄絞りの突き出した形状が、まるで星やハリセンボンのような変わったフォルムとなり、とてもユニークなデザインです。特に、1色で染められた総絞りですので、その形状にインパクトを置くことが出来ます。布製のバッグの中には、がま口を付けたがま口バッグや、持ち手に牛側を使ったハンドバッグなどもあります。絞り方によってその表情も変わり、布が大きく突出したものから、細かい鹿の子状のものまで、色とりどりです。