哲学者気分で歩きたい琵琶湖疎水沿いの小路と 緑豊かなオアシス・鴨川の三角州で京の四季にふれる

銀閣寺橋を北端に、熊野若王子神社までの疎水沿いを南に約2kmにわたって続く「哲学の道」 近代日本を代表する哲学者で京都大学教授の西田幾太郎が、思索にふけるたびに歩いたことから名づけられといわれ、「日本の道百選」にも選出されています。現在は疎水沿いが散策路として整備され、木々がアーチを描く中を30分ほどかけて歩くことができます。観光客でにぎわう寺社やカフェ、雑貨店が周辺に点在するロケーションでありながら、閑静な雰囲気に包まれているのも魅力。

3月下旬~4月上旬頃には道沿いに約400本ものソメイヨシノが咲き誇る、桜の名所としても知られています。日本画家・橋本関雪の夫人によって寄贈された「関雪桜」もトンネルのように桜のアーチを描き、散策路や疎水に薄紅色の花びらが浮かぶ様子も絵になります。ゆっくりと桜見物を楽しみたいなら早朝を狙うのがベスト!

夏の哲学の道

桜やカエデ、クスノキなどの木々が青々と茂る新緑の季節は清涼感たっぷりで、歩くだけでリフレッシュできそう。初夏はアジサイが咲き、ゲンジボタルが飛び交うなど、豊かな自然を感じながら散策することができます。

秋の哲学の道

秋はカエデやイチョウが色づき、落ち葉を踏みしめながら歩くのもおすすめ。川面に浮かぶカモや道沿いを歩くネコなど、哲学の道で暮らすいきものの姿を見ることもできます。

冬の哲学の道

人通りが少なく、凛とした空気感に包まれる冬は、一年を通してもっとも物思いにふけるのに適した季節かも知れません。一帯が白銀の世界になる雪の日も格別です。

四季折々の自然の中を哲学者気分で歩く

哲学の道の途中にある歌碑には、「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾行くなり」という西田幾太郎の哲学が刻まれています。季節ごとに表情を変える哲学の道は、訪れるたびに新しい発見がありそうです。

全長約23kmの賀茂川(鴨川)

京都の四季の移ろいを楽しみたいなら、鴨川へ出かけるのもおすすめ。鴨川は京都市北区の北端・桟敷ヶ岳に源を発し、雲ヶ畑川が賀茂川となり、鞍馬・大原からの流れを入れて高野川と下鴨の南で合流し、鴨川と名称を変えます。さらに、下鴨から市街の東部を南へと流れ、四条あたりで白川、最下流部で堀川・西高瀬川と交わって下鳥羽で桂川へと注ぐ、まさに京都の顔といえる川です。

京阪出町柳駅を拠点に楽しむ鴨川デルタ

池田屋騒動の際につけられた刀傷が残る三条大橋や出雲の阿国像が立つ四条大橋など、架かる橋にも歴史や逸話が残されています。賀茂川と高野川の合流地点となる三角州は「鴨川デルタ」ともよばれ、映画のロケ地などでもおなじみのスポット。気候のよい季節にはピクニックや川遊びを楽しむ人でにぎわい、川の両岸をカップルが等間隔で座る姿も名物となっています。

飛び石もかわいい

春から夏にかけて芽吹く木々やそこに集まる野鳥、秋から春先にかけてやって来る渡り鳥など、鴨川は生きものにとっても憩いの場。両岸をつなぐ飛び石には亀や千鳥をモチーフにしたものもあり、ピョンピョンと飛び越えるのも爽快です。 鴨川に架かる橋にもそれぞれ特徴があり、賀茂大橋は石造りの灯籠が備え付けられた高欄が印象的。京都大学の設計でも知られる建築家・武田五一が手がけたもので、昭和6年(1931)に施工されました。賀茂大橋から一望できる鴨川デルタの奥には縄文時代から自生する原生林の糺の森が広がり、下鴨神社へとつながっています。 [hr][/hr] 哲学の道(てつがくのみち) ●市バス停銀閣寺道から徒歩7分(北端)、市バス停南禅寺・永観堂道から徒歩10分(南端) ●散策自由 ●Pなし 鴨川デルタ ●京都市上京区今出川通 ●市バス停出町柳駅前からすぐ ●散策自由 ●Pなし