峠道バイクで楽しむ京の秋。高雄−嵐山パークウェイほか、ツーリングファン目線にも適うコース大集合。

峠道バイクで楽しむ京の秋。高雄−嵐山パークウェイほか、ツーリングファン目線にも適うコース大集合。

バイクに乗って京都の紅葉を堪能、と言ってもバイクマニアにすれば景観は二の次かも知れません。バイクに乗ること自体が目的になるからです。でも走りを楽しんだところに紅葉の景観が加わるのなら、それはそれで楽しみ方の一つです。高雄−嵐山パークウェイなど、紅葉を愛でる京都のツーリングスポットをまとめました

サイクリングを兼ねた紅葉狩りなら、見どころとなるスポットをどう繋ぐか、自転車のメリットをどう発揮させるかといった観点からのセレクトでしたが、バイクの場合は事情が異なります。徒歩や自転車に比べて移動効率がいいのだからと言って東山と嵐山と大原を1日で回ろうなんて言い出したらトンチンカンもいいところ。もちろんバイクを使えばできなくはないでしょうが、普通にバイクが好きな人ならそんなことはしません。バイクは移動のためのツールではなく、乗ること自体を楽しむためのものなのですから。離れた場所を繋ぐのがバイクに課せられた役割ではなく、ライダーを楽しませることのできる道かどうかが問われるのです。そこに秋という属性を加えるのが当面の目標、ということで走りが楽しめて、かつ秋の魅力がプラスαされるところが大切になってきます

高雄−嵐山パークウェイ

紅葉風景嵐山清滝道はあだしの念仏寺付近にある嵐山清滝口ゲートと、高雄は梅ヶ畑で国道162号線に接続する高雄口ゲートの間の約10キロに及ぶ有料道路です。嵐山と高雄ともに紅葉の名所で、山腹を開いて敷設された道を走るのですから、紅葉の時季には走行時にも山々の彩りが気分を盛り上げてくれます。また山中には4箇所の展望施設があり、保津峡側や京都盆地側など異なる展望を楽しむことができます。ドライブウェイ上の施設は上記展望台の他にも観空台遊園地などファミリーでの来訪を想定したものも多くあります。ちなみに、原付・スクーター(一般に125cc以下のバイクと記される車種)は全面進入禁止であり、中型以上も土日祝日などは走行不可となるなどの制限がありますので、予めご確認ください。

比叡山ドライブウェイ

比叡山延暦寺比叡山の山中をめぐるドライブウェイで、京都側の田の谷峠ゲートと延暦寺東塔エリアを繋ぐ比叡山ドライブウェイと、東塔エリアから琵琶湖側の仰木ゲートの奥比叡ドライブウェイからなり、総延長は約15キロです。適度なコーナリングも楽しめて、ツーリングのビギナーにも手頃なドライブウェイです。ただ通行料金の算出方法が複雑なのがネックで、同じ縦走でも田の谷峠ゲートからの場合と仰木ゲートからの場合では料金が異なったり、仰木ゲート−四明ヶ岳(山頂)−仰木ゲートの往復が妙に割高になったりのケースがあるようです。コース上の施設は比叡山ドライブウェイの側が充実していて、琵琶湖方面を一望する夢見が丘、京都側と琵琶湖側の両方が眺められる登仙台などの展望台に加え、印象派画家の作品(レプリカ)を配置したフラワーガーデンのガーデンミュージアム比叡が山頂にあります。なお世界遺産の延暦寺は、比叡山ドライブウェイから奥比叡ドライブウェイに連絡するトンネルを抜けた先ですので、これも注意が必要です。ちなみに、国土地理院が三角点を設置する厳密な意味での比叡山山頂は大比叡と呼ばれ、ガーデンミュージアムや山頂駐車場(四明ヶ岳駐車場)から少し離れた場所になります。追記:西日本豪雨の影響で奥比叡ドライブウェイは一区間が片側相互通行となっています(7/13現在)

花脊峠、峰定寺

都鞍馬寺の紅葉高雄−嵐山パークウェイや比叡山ドライブウェイなど、整備の行き届いたドライブウェイをご紹介しましたが、快適なライディングもさることながら、バイク乗りの気持ちとしては、そこそこドラマチックの道もたまには走ってみたくなるものです。そうした目線で京都全域を眺め回すと目に留まるのが花脊峠です。鞍馬街道をどんどん上った先、府道38号線が国道477号線に合流する百井別れを越え、カーブと傾斜の細い道を上った先にやってくるのが花脊峠です。この花脊峠は、昭和の初め頃までは丹波方面から京都の市街地への入口のように見られていました。市街地からこの峠に至るには、鞍馬寺の前を通って鞍馬街道を詰めるか(府道38号線)、または大原から古知谷を経て百井方面に入るか(国道477号線)になるのですが、双方とも走り甲斐のある道です。大原ないしは鞍馬で一息入れた後に花脊峠をめざしてのツーリング、あるいはそこからまだ頑張ることができるのなら花脊の集落へ、はたまたまだ先の佐々里峠を目指すというのはバイク乗りとしては正しい選択でしょう。なお、花脊の集落に入ってさらに北上を続けると、峰定寺方面への分岐に出合います。この峰定寺には日本最古とも言われる舞台建築(懸崖造り)が残っており、市街地より2〜3週間は早く訪れる秋景色を求めて訪れた際には、山中の舞台を忘れずに拝んでおきましょう。