平日だから空いているとは言い切れないのが京都の秋。それを承知で、平日vs休日の立ち回り方をご案内。

紅葉のシーズン、京都の観光地は平日でも混雑します。11月の下旬、勤労感謝の日の前後では、祝休日と比較すれば差はあるでしょうが、平日なので空いていると言えるレベルではありません。とりわけ有名スポットでは、平日でも休みの日と同じくらいに混雑すると覚悟しておいた方がいいでしょう。

京都の観光地は、その繁忙期の混雑ぶりには凄まじいものがあるのは事実です。しかし、11月と12月上旬の紅葉シーズンを通して、あらゆる場所で休日・平日の区別なく混雑すると言っているわけではありません。超の付く人気スポット、そのピークの時季であれば、平日・休日の別がなくなるくらいに混み合うという話です。それが前提になるのであれば、一案ですが次のような考え方をしてはいかがでしょうか。まず目的地を混雑度によってA〜Cに分類します。分類の基準は、最高に混み合う危険性がある場所がAランク、天気や時間帯次第では混み合いかねない場所がBランク、基本的に混雑することが考えづらい穴場がCランク、といった感じになります。次に立ち回り方を以下のように決めます。(1)休日とりわけ11月下旬の休日はAランクの場所を避ける。(2)Aランクの場所は平日に訪れるのが原則、かつ開門一番を狙う。(3)平日ならA+BもしくはC、休日ならB+Cが基本の組み合わせ。もっとも、結局はA〜Cのランク付けがポイントになるわけですし、その区分が主観に基づくので意味が薄いのかも知れませんが、無計画で混雑に突入する危険は避けられます。ちなみに、個人的な見通しであることをお断りしたうえで紅葉シーズンにAランクとなる場所(季節を問わず混雑する場所も含む)を挙げるなら、清水寺・永観堂・東福寺・渡月橋・竹林の小径・二尊院・祇王寺・金閣寺・銀閣寺・哲学の道・龍安寺・伏見稲荷大社といった感じです。

東山の場合、清水寺や永観堂を訪れるなら平日限定?

紅葉永観堂この立ち回り方を適用して清水寺のあたりを廻るとすれば、どうなるでしょう。訪れる日が休日なら清水寺は諦めて高台寺(B)→長楽寺(C)→青蓮院門跡(B)といった組み合わせになるでしょうし、平日なら清水寺(A)→清閑寺(C)→八坂の塔(C)といったようなイメージになります。ここで肝心なのは休日の高台寺や平日の清水寺を訪れるのを、できるだけ早い時間帯に設定するということです。清水寺は、実際は6:00から拝観可能となりますが、8:00や9:00に入れば、混雑に飲み込まれる危険性はさほど高くありません。同じような考え方で永観堂を目指すのなら、永観堂はAランクですので訪れるのは平日の開門一番になります。そして近くのBランクもしくはCランクの場所ということで、永観堂(A)→金戒光明寺(B)もしくは真如堂(B)→吉田神社(C)といったようなイメージです。吉田神社をCランクとしていることに、あれ?と思う人がいるかも知れませんが、節分祭の期間以外なら混雑とは無縁の場所だと思います。

嵐山の場合、渡月橋や竹林の小径が目的なら、こちらも平日?

渡月橋の紅葉こうした立ち回り方は、嵐山ではどうなるでしょう。訪れるのが平日ならいくらか融通も利きますが、休日だとすれば渡月橋や竹林の小径、あるいは二尊院や祇王寺といった京福・嵐山駅から徒歩圏内の場所は軒並み、ターゲットから外さざるを得ません。それなら嵐山を訪れる意味が無くなってしまうとのお叱りも出てきそうですが、次のようなコース設定はどうでしょうか。京福・嵐山駅→大堰川左岸→嵐山公園亀山地区展望台(C)→嵐山渡船→大堰川右岸→大悲閣千光寺(C)→阪急・嵐山駅。この設定の眼目は亀山地区の展望台と大悲閣です。しかし、大堰川を越えるのに春秋の観光シーズンだけ運行される渡船を利用するところもポイントです。あるいは、これも休日に訪れるパターンでAランクのスポットを全部外しておいて、清涼寺(B)→宝筐院(B)→常寂光寺(B)、あるいは大覚寺(B)→直指庵(C)。清涼寺や大覚寺は、嵐山というよりは、嵯峨野もしくは北嵯峨といっていいのですが、永六輔作詞「女ひとり」では3番の歌詞で「♪京都〜、嵐山大覚寺〜」と歌われますので許していただくこともしましょう。なお、二尊院や祇王寺は開門一番を狙うことになるので渡月橋や竹林の小径は8:30とか、そのあたりの時間帯に通過することになります。これなら、おそらくは雑踏の煩しさからも解放されるはずです。モデルコースを挙げるなら、京福・嵐山駅→竹林の小径(A)→二尊院(A)または祇王寺(A)→滝口寺(C)となります。開門一番を狙う意味から、二尊院と祇王寺のどちらか一方に設定しましたが、ある程度の混雑を覚悟で両方という選択も可能です。秋の天龍寺ところで、世界遺産「古都京都の文化財」にも名前を連ねている天龍寺ですが、境内が広大であること、諸堂拝観の際に庫裏受付の前後で混雑に遭遇したとしても、すぐに広々とした庭園に抜け出すことができるので、案外混雑知らずなスポットという認識になっています。