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お茶請けとして発展してきた京都の和菓子、その歴史的な背景から見た目の美しさが話題となる一方、自ら食べるための美味しさを最優先にする和菓子ファンもいます。平べったく言えば、王道派と実利派の対立みたいな感じですが、そうしたことが話題になるのも和菓子を愛する人々の多さを物語っているのかも知れません。
まずは王道派の和菓子についてお話ししましょう。和菓子は、茶道のお茶の席で、必ず出されています。最初に甘い和菓子を食べて、それからドロッとした抹茶を飲むことにより口の中で甘みと苦み、お茶の香りのバランスが取れてなんとも幸せな瞬間です。日本人は昔からその楽しみを知っていました。和菓子はお茶を引き立たせるという役割と、もう一つ私達にとって大切な役割がありました。それは、季節を感じるということです。四季がある日本では、俳句を詠むときに季語を入れるのと同じように、和菓子にも季節を持たせ、四季折々の見た目や色、味わいを楽しんできました。そこで、それぞれの季節の代表的な和菓子をご紹介していきましょう。春は日本では桜の季節です。春の季語にもなっている桜餅は、塩漬けした桜の葉に餅菓子を入れてくるんだ和菓子です。桜の香りとあんこの甘みが口いっぱいに広がり、長かった冬がようやく終わりをつげ、温かい春の訪れを感じることができるでしょう。夏は涼しげな水饅頭や羊羹があります。秋は実りの季節で、その季節の果物である柿や栗の形をしたものや、紅葉を表した物などがあります。冬には雪うさぎの和菓子で季節の移ろいを感じていきます。このようにして私達は和菓子の中に四季を感じてきました。
存在理由をめぐって

ふたばの豆餅、仙太郎の栗むし
出町ふたば
創業1899年(明治32年)の、京都を代表する老舗の和菓子屋さんです。【住所】京都府京都市上京区出町通今出川上ル青龍町236【電話番号】075-231-1658【営業時間】8:30~17:30【定休日】火曜・第4水曜(祝日の場合は翌日)※お正月休みあり【アクセス】京阪本線「出町柳駅」下車 徒歩7分・京都バス・市バス4・(17・59系統)バス停「河原町今出川」下車 徒歩2分・市バス(37・205系統)で バス停「葵橋西詰」下車すぐ仙太郎
素材が持つ本来のおいしさを最大限に引き出したお菓子が魅力です。【住所】京都市下京区寺町通仏光寺上る中之町576【電話番号】075-344-0700【営業時間】8:00-18:00 ※1月5日~2月28日は17:30閉店【定休日】1月1日【アクセス】阪急京都線「河原町」駅から徒歩5分ブランド和菓子
鶴屋吉信(つるやよしのぶ)
【住所】京都府京都市上京区 堀川西入ル【電話番号】075-441-0105【営業時間】(1F:店舗)9:00~18:00・(2F:お休み処・菓遊茶屋)9:30~18:00(当面の間は10:00~17:00)【定休日】1F店舗は元日定休、2Fお休み処・菓遊茶屋は水曜日定休(祝日は営業)【アクセス】四条河原町より京都市営バス12系統「堀川今出川」バス停下車から徒歩1分・京都市営地下鉄「今出川」駅から徒歩約15分とらや(京都一条店)
【住所】京都府京都市上京区烏丸通一条角広橋殿町415【電話番号】075-441-3111【営業時間】(平日)9:00〜18:00(月度により変更有り)【定休日】元日/毎月最終月曜日 ※4月・12月・2月を除く【アクセス】京都市営地下鉄烏丸線「今出川駅」より徒歩約7分きぬた長久堂
きぬた長久堂
【住所】京都北区上賀茂畔勝町97-3【電話番号】075-712-4405【営業時間】10:00~19:00【定休日】火曜日【アクセス】京都バス「畔勝町」下車、徒歩1分以内・京都市バス「深泥池」徒歩1分程度八ツ橋をめぐる法廷論争
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