東寺は京都の世界遺産。五重塔だけでない魅力を一挙ご紹介!

東寺という京都のお寺をご存知でしょうか。東寺といえば桜や紅葉の名所として毎年上位に入る有名スポットですが、季節を問わず東寺には様々な魅力があります。今回は東寺の建物や池、柳に纏わる本当とも嘘ともわかっていない小話などをご紹介します。

東寺は正式名称を教王護国寺といいます。平安京で正門である羅城門の東西に東寺と西寺が作られましたが、西寺は歴史の中無くなってしまいました。東寺と西寺は国家鎮護という大事な役割があり、現在残っているのはこの東寺だけです。東寺は嵯峨天皇が唐で密教を学んで帰ってきた弘法大使空海に預けました。日本で最初の密教寺院はこうして誕生したそうです。空海は大日如来を主尊に置いて、この寺院を真言宗総本山として確立したそうです。 2017年のJR東海「そうだ 京都、行こう。」秋のキャンペーンに使われたほど景色が美しく人気の観光スポットです。

宝蔵

出典:東寺 – Wikipedia
宝蔵は重要文化財に指定されており、東寺の宝物を守り続けてきた建物です。宝蔵の周りは堀で囲ってあり、これは火事が起こった際にこの建物だけは守れるようにと作られたものだそうです。建物は校倉(あぜくら)造となっており、東寺最古の建造物です。宝蔵の近くには立派な柳があります。この柳には小野道風という平安時代の書道の達人の逸話があります。書道の才がないことに落ち込んでいた小野道風はこの柳の下で、カエルが必死で柳の葉に掴まろうと何度も挑戦し成功した姿を見て、元気づけられたそうです。カエルの姿にあきらめずに努力すれば必ず道は開けると決心を固めて遂には書道の達人になったといわれています。この姿は花札の11月の「柳に小野道風」にも描かれている有名なものだそうです。

金堂

出典:東寺 – Wikipedia
東寺の本堂である金堂は796年に東寺が建てられた際最初に造られた建物です。この建物は1486年の土一揆という民衆の起こした暴動により残念ながら焼失してしまいました。現在の建物は1603年に豊臣秀頼によって建てられたものです。

講堂

講堂の中心がお寺全体の中心となっています。ここに大日如来が安置されており、寺域の中心に大日如来を置くことで宇宙の中心を表したといわれています。最初に建てられていた講堂は金堂と廊下で繋がっていたそうです。1486年の火事の際に金堂、南大門と一緒に焼け落ちますが、講堂の重要性から5年後に最優先で再建されたそうです。

五重塔

高さ55mある五重塔は東寺の象徴ともいえます。ここで密かに有名なのが初層の屋根の下、四隅に置かれた邪鬼です。魔除けか守護神か分かりませんが、ユニークな表情の邪鬼が四隅で塔を支えています。この邪鬼は四天王像などに踏まれている邪鬼と同じなのだそうですが、少し可愛らしくて一つ一つ表情が違うので訪れた際にはぜひ見てみてください。

瓢箪池

東寺は桜と紅葉の名所として知られますが、夜のライトアップがとても人気です。その理由は、ライトアップされた桜や紅葉、五重塔が瓢箪池に鏡のように映り豪華な景色が広がるからです。また、初夏にはサツキの花が咲き、風流な景色を楽しめます。瓢箪池は観賞用に造られたのか、火災などの際の防災のために造られたのか理由は不明で、いつ造られたのかも定かではありません。この瓢箪池にはある謎が残っています。これは三浦俊良氏の「東寺の謎」という本に載っています。江戸時代に五重塔が強風で傾きどうやって元に戻そうか思案しているときにこの傾きを戻した方法が、傾いていない反対側の地面を掘ってしまえば元通りになるという方法でした。その穴が今の瓢箪池であるというものです。なんとも信じがたいのですが、否定する証拠もなく今でもこの謎は残っています。

東寺 詳細

住所:京都府京都市南区九条町1番地 アクセス:市バス 東寺東門前 下車      JR京都駅下車 徒歩15分 開門時間:5:00~17:00※ライトアップ期間は夜間に再度開門します。 拝観時間:金堂・講堂 8:00~17:00(受付は16:30まで)      宝物館、観智院 9:00~17:00(受付は16:30まで) 拝観料:特別拝観の有無やライトアップの開催により変動していますので、     詳しくはホームページの拝観のご案内をご確認ください。 ホームページ:http://www.toji.or.jp/index.shtml [hr][/hr]

まとめ いかがでしょうか。東寺は平安京にとって街を守るために無くてはならない重要なお寺でした。そんなお寺には見どころが沢山あり、あらかじめ知っておけばより楽しめる小話もあります。東寺は他の観光スポットも沢山ある場所にありますので、他のスポットと合わせて思い出に残る京都の旅を楽しんではいかがでしょうか。