京都の観光スポットを挙げる際に、意外と盲点になってしまうのが山科界隈。しかし紅葉シーズンなら、山科駅近くの毘沙門堂は確実にチェックをしておきたい場所です。石段を紅葉の絨毯が敷き詰める景色をはじめ、回遊式庭園の晩翠園や高台弁財天まわりの彩りは嵐山や東山の有名スポットに見劣りするものではありません。
その昔、東国へ旅するには東山を越えて京都を出ていました。江戸時代、旧街道と京の市街地を接続する地点に設けられたのが口と呼ばれる関所で、三条大橋の東にある粟田口はその名残の一つです。その粟田口のすぐ向こう側に広がるのが山科エリアです。時代は下って昭和時代。昭和初期の1930年前後に行われた周辺地域の吸収合併は、大京都の時代と呼ばれています。かつての山科村が京都市内の一部となったのもこの頃であり、戦後には山科区として独立した行政区となりました。こうした経緯もあってか、京都の市街地とは別地域のような捉え方もされてきた山科エリアですが、地下鉄東西線で繋がれた今日は、物理距離の隔たりはもちろん、気持ちの上での距離も少なくなっています。そんな山科エリアには、毘沙門堂門跡を筆頭に、紅葉が美しく秋の見どころとなるスポットもたくさんありますので、まとめてご紹介します。