シダレザクラやソメイヨシノは春の王者ですが、秋には秋の営みに勤しんでいます。桜葉の落葉、いわゆる「さくらもみじ」の演出です。春に桜スポットとしてたくさんの観光客で賑わっていた場所を秋季に訪れてみれば、落葉を前に色あせていく葉の移ろいを目にすることができます。
京都の秋、その見どころが赤く染まる木々の色づきであることには異論はありません。しかし、観賞の対象は品種でいうところのカエデ科の木々ばかりと決めつけていたりはしませんか。春の主役である桜も、実は秋シーズンには少しばかり目を惹く演出をしてくれます。もちろん10月や11月に花が咲いたりするわけではありません。ジュウガツザクラのように秋にも開花する品種もありますが、ここでは春の主役中の主役であるソメイヨシノを話題にしているので、開花ではない演出、すなわち落葉直前にみせる葉の染まり具合のことです。紅葉の季節に桜の魅力を語るのは天邪鬼でしょうか、いいえ、桜にも秋ならではの楽しみ方があります
- 2020/10/31
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