右京区は観光地ばかりだから、シーズンは混雑だらけ、なんて愚痴をよく耳にします。嵐山界隈は確かに混雑することが多いですけど、混雑と無縁なスポットがないみたいな言い方はどうでしょう。1を見て10を語るような思い込みから抜け出して、シーズンでも空いているスポットをいくつか訪ねてみましょう。
一般的な地図を広げて京都市域を眺めた時、西側すなわち左の多くを占めるのが右京区です。左側なのに右京区とはこれ如何に?・・・・・・なんて小咄にも出てきそうな話題ですが、種明かしをすれば、いたって簡単、天子様の御在所、京都御所から見て右側だから右京となるだけのことです。もともとは左京も右京も都城造営の際に、南面する玉座を基準にした言葉ですので、中国の隋唐時代、日本では藤原京や平城京の時代から存在していました。平安京でも同じ理屈は適用されたわけで、その名残が近代の行政区名に見られるまでの話です(行政区としての左京区および右京区の成立はともに昭和時代の初期)。ところで、大文字こと五山の送り火では、東側の如意ヶ岳にあるのが「大文字山」で、西側が「左大文字山」。今度は西側、すなわち向かって左側が文字通りの「左」になるわけですね。送り火はシモジモの行事だから、ということなのでしょうか。観光シーズンは混雑しているところばかりと思われがちの右京区より、スッキリ快適なスポットをお届けします
- 2019/4/29
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