静寂漂う太古の森に抱かれた 京都の古社の代表格、「下鴨神社」

京都三大祭のひとつ「葵祭」の舞台として知られる下鴨神社。長い参道を覆う糺の森は、静寂とマイナスイオン漂うパワースポットです。凛とした空気が流れる鎮守の森で、神聖なパワーを感じましょう。古代豪族・賀茂氏が護国豊穣の神として信仰したことを起源として、京都でも随一の歴史を誇る古社です。崇神天皇7年(紀元前90年)に神社の修造が行われた記録が残り、『続日本記』にもその名が記されています。その後も『源氏物語』や『枕草子』などの文学に登場していることから、この時代の文化や宗教の中心地であったことが伺えます。正式名称は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」といい、鴨川の下流に社が祀られていることから「下鴨神社」の名前がつきました。祭神の賀茂健角身命を祀る西殿と、玉依媛命を祀る東殿の二棟が国宝に指定されており重要文化財に指定される社殿も53棟あります。

糺の森の先に現れる楼門は、高さ30m。色鮮やかな朱塗りが、糺の森の緑と美しいコントラストを作っています。現在の門は、寛永5年(1628年)に再建されたものです。入母屋造で、門の西と東にそれぞれ回廊が続き、西回廊の一間は、葵祭で使用される「剣の間」になっています。

縁結びの相生社(あいおいしゃ)

楼門の南側に立つ社。この社に祀られる「連理の賢木(れんりのさかき)」は、2本の木が1本に結ばれ、さらにその根元には子供の木が芽生えるという縁起のよいご神木です。この木の恋愛成就や安産などを祈願すると叶うといわれており、この社を目指して多くの参拝客が訪れます。

美人になれる河合神社

河合神社は糺の森の中にある、女性守護として信仰を集める下鴨神社の摂社です。玉のように美しいと言われ、美麗の神として信仰される玉依姫命を祀っています。手鏡の形をした絵馬に自分の化粧品やクレヨンでメイクをして美人祈祷する鏡絵馬は、外見だけでなく内面も美しくなれると言われています。

太古から続く糺の森

糺の森は南に位置する河合神社から、北側の本殿まで、参道を中心に境内全体を覆う原生林です。国の史跡に指定されており、4つの小川も流れています。夏には木々が影を作り涼しく、散歩を楽しむ地元の人も多くみかけます

神聖な御手洗池森

御手洗池は、葵祭の際には斎王代契の儀が、土用の丑の日には御手洗祭が行われる神聖な池です。境内近くの茶屋で売られているみたらし団子は、この池に浮かび上がった水泡をモチーフに誕生したといわれています。 [hr][/hr]

下鴨神社(賀茂御祖神社) しもがもじんじゃ(かもみおやじんじゃ) TEL.075-781-0010 ●京都市左京区下鴨泉川町59 ●市バス下鴨神社前から徒歩すぐ ●境内自由、本殿6時30分~17時 ●無休 ●拝観無料 ●200台