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LEON1月号にデザイナー「ガブリエール・カンデローニ」のインタビューが掲載されました。
LEON1月号にデザイナー「ガブリエール・カンデローニ」のインタビューが掲載されました。
2019/11/17
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目次
1
初めに必要なのは紙とペン。手を使うことが大切なのです。
2
”手で作る”ことの大切さ
3
「エリシア」のコルテオ トートバッグ
初めに必要なのは紙とペン。手を使うことが大切なのです。
イタリアのバッグ界で”マエストロ”の称号をもつデザイナー、ガブリエール・カンデローニさん。マエストロとは日本流に言えば巨匠。そして、モノ作りを重んじるイタリアでは、デザイナーにこの称号が与えられることはまずない。アルチザン(職人)としての豊富な経験と確かな腕を備えたデザイナー、その最高峰に位置する存在がマエストロだ。「10歳の頃から祖父と母のバッグ作りを手伝いました。そのあと18歳で独立してからはスケッチや型紙など、どんな仕事もやりました」そう語るガブリエールさんは、今や世界の名だたるブランドでデザイナーやモデリストを務めるプロフェッショナル。だが、その礎は、馴染みのある作業だけにとらわれず、バッグ作りに関することならなんでもやった若き日の経験によって築かれていたのだ。そんなガブリエールさんが、イタリア政府の要請で南米諸国におけるデザイナー育成プロジェクトの講師に任命されたのは2015年のこと。それから2年間、アルゼンチンとウルグアイで行われた彼の講義は両国で教科書にもなり、イタリア前大統領からは感謝状が贈られた。その際、ガブリエールさんが生徒たちに伝えたのは、何よりもまず”手で作る”ことの大切さだったという。
”手で作る”ことの大切さ
「はじめに必要なのは紙とペン。コンピューターじゃありません。頭の中のアイデアをまずは手で描く。それがアルチザンの第一歩です」そして今、ガブリエールさんの最大の関心は”京都”をテーマにしたブランド『エリシア』に注がれている。なぜ京都なのか?そこにはデザイナーの心を動かす共感と発見の物語があった。「最初に京都を訪れた時、特にコレクションを作るつもりはありませんでした。でも街を見た途端、自分の内側から湧き上がってるくような感覚を覚えました。まず目についたのは、家の戸も窓も塀も全て格子担っていること。軒下や極端に小さなドア(にじり口)までもみんな格子です。よく見ると街並みも道がスクエアに組んである。この”整然”とした様子にとにかく心を動かされました」さらに彼は、その整然が1300年前から受け継がれていることに感銘を覚える。”四角い街”を構成する通りにも番地ではなく通り名が与えられており、それも1300年前からのものなのだ。「受け継がれている街並みの多くは木や紙でできています。それを千年以上受け継ぐというのはズゴイことです。また、街並みだけでなく人々の礼儀作法なども整然としていて、それらも昔からずっと受け継がれている。しかも、ごく普通に暮らしの中に溶け込んでいるのです。私は古くて良いものを手の仕事で伝えたいと思いながらこれまでずっと仕事をしてきました。京都の文化はまさにその想いにフィットするものでした」彼の心を動かしたのは、その街並みだけではない。次に足を運んだ庭園では秋の紅葉を目にする。「赤く染まった楓の葉にイタリア人の魂たるイタリアンロッソを見ました。しかも黄色からオレンジ、そして赤へと美しいグラデーションを描いています。イタリアでは一つの植物の色は一つです。だからガーデニングの際は作り手が配色を考えなくてはなりません。でも、京都の紅葉はその作業を自然がやってしまっている。これではデザイナーの出る幕がないじゃないか!と思いましたね(笑)」デザイナーが胸打たれると、その衝撃はペンから紙へと伝えられる。ガブリエールさんの京都滞在中のスケッチはすでにコレクションを構成するのに十分な量に達していた。京都の伝統文化と自然の美しさを表現するためにはイタリア伝統の天然素材と色出しが必要不可欠であることも直感した。こうして「エリシア」は誕生した。
「エリシア」のコルテオ トートバッグ
京都で感銘を受けた紅葉の美しさを上質なイタリアンレザーで仕上げたトートバッグ。「生きている自然の色彩を表現するには、使う素材も生きている革でなければならないと感じました」そう語るガブリエールさんが選んだのは、ベジタブルタンニンのみを使って鞣されたクィーオと呼ばれる革。中でも色艶の変化を楽しめることで知られる、トスカーナ地方伝統のヴァケッタレザーを使用。それをハンドクラフトを駆使した縫製で仕上げた味わい深い逸品だ。
Linea: “CORTEO”
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