天龍寺の北側は野宮地区と呼ばれます。奥嵯峨の入口にあたるこの一帯はかつて広範な竹藪に覆われていました。現在、「竹林の小径」と名付けられて、嵯峨野のシンボルとなったスポットも、もとはそのごく一部だったのです。この「竹林の小径」を歩いて、奥嵯峨の歴史を垣間見ていきましょう。
天龍寺に北接する路地のうち約500mの区間が、通称「竹林の小径」です。以前は「竹の道」とか「嵯峨野の竹林」とか、人によってさまざまに呼ばれていましたが、現地に設置された道標に「竹林の小径」と明記されてからは、それが正式の名称となったようです。嵐電・嵐山駅からなら、道路の反対側に渡って北上、約300m先の角を左折して道なりに進めば、ほどなくして路地の両側に竹林が目立ち始めます。そして分岐(件の道標の設置場所)で野宮神社方面と分かれると、本格的に竹林の中に突き進んでいくこととなります。路地の両側を小柴垣で飾り、その奥には優に10mは越える丈の竹林が長く先まで続き、昼間も薄暗さを保つその景観は多くの人の感興をくすぐること間違いありません。奥嵯峨の入口にあたる「竹林の小径」、微かな笹の葉擦れに耳を傾けると、失われた大竹藪が見えるかも
- 2019/4/29
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