夏の京都を訪れたことはありますか。京都の観光シーズンは、春は桜、秋は紅葉を見る日本人・外国人の観光客でにぎわい大変混雑してしまいますが、夏は季節的には穴場と言っていいほど、比較的空いていて、ゆっくり観光を楽しむことができます。夏の京都で楽しめる季節の花や自然が演出する贅沢な避暑地としての京都など、夏に人気の京都のスポットや魅力情報をご紹介します。
三千院
三千院京都・洛北の名所 大原エリアの「三千院」は涼しげなエリア
三千院が建つ大原地区は、京都市街地から北側に位置し、山手エリアなので、夏場の気温も街中よりも低めです。比叡山から吹き降りる清々しい風が「風の道」をつくります。
●アクセス:京都バス 大原 徒歩10分(詳しくは三千院の公式HPをご確認ください)
バス停から三千院までの道中は、呂川沿いののどかな自然が美しく、来る人の心を癒してくれます。三千院の見どころは、聚碧園(しゅうへきえん)と瑠璃光庭というお庭です。聚碧園では、夏には青もみじ、秋には紅葉の名所として知られています。むせ返るような若葉の香りともみじの青が、情緒ある夏の京都を演出してくれます。清流・律川から流れ込む水を池に満たし、夏の暑さを和らげてくれます。
客殿に座れば、時がたつのを忘れて、いつまでもお庭を眺めていられます。瑠璃光庭に行くと、一面の青苔が目にまぶしく、小さな童地蔵が来院者を温かく迎えてくれます。こちらに足を運んだ際には、童地蔵は小さいので、ぜひ青苔の中を探してみてください。また、大原地区を同時に散策してみましょう。夏の時期は大原名産の「赤じそ」の畑が赤紫蘇色に染まる季節です。また晩夏頃には彼岸花がたくさん咲き出し、美しい花の道をつくります。
天龍寺
天龍寺涼を求めて・・・夏の蓮の花と緑の木々の奥深い色に感嘆
足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために建てた歴史ある寺院が天龍寺です。渡月橋から続く嵐山のメイン道路に沿って歩くと「天龍寺の総門」にたどり着きます。
●アクセス:京福電鉄嵐山線 嵐山駅 すぐ市バス利用 嵐山天龍寺前 すぐ(詳しくは天龍寺の公式HPをご確認ください)
天龍寺は日本で最初に史跡・特別名勝に指定された場所としても有名。平成6年(1994)には、世界遺産「古都京都の文化財」の1つに認定・登録されています。嵐山に行ったらぜひ参拝に訪れてほしいおすすめの観光スポットです。池を中心として後ろに嵐山と亀山を望むことのできる、約700年前の夢窓国師作庭は見事なまでの借景池泉回遊式庭園です。天龍寺は春に桜が有名で、秋には紅葉が美しく、観光客でにぎわいます。そして、夏には放生池の水面にスイレンが美しく咲き誇ります。スイレンは一日の中で、早朝に最も美しい花を咲かすといわれております。夏は外に出たくなくなるほど、日中は気温が上がるので、涼しい早朝の過ごしやすい空気を感じるの中、スイレンを見に出かけてみてはいかがでしょうか。またこの時期には大方丈前に咲く桔梗の花も趣があります。例年6月下旬~7月下旬と9月上旬から下旬に咲くので期間中は比較的長い間見ること可能なので忘れずに確かめてください。
観修寺
勧修寺は真言宗山階派の大本山。正式な呼称は「かじゅうじ」と読みます。
勧修寺の夏におすすめするメインスポットは「氷室池」です。氷室の字の通り、氷に関する歴史をもっています。ここの氷を宮中に納め平安の時代には政治や宮中内行事や決め事に欠かせなかった「占い」に使われていました。この氷室池に咲く蓮や睡蓮・半夏生を眺められる美しく咲く花々を満喫できるのがこの夏から晩夏の季節だけなのです。
●アクセス:地下鉄東西線 小野 徒歩6分
勸修寺は、後醍醐天皇の建てたお寺で、観光客で混雑する春には美しい桜の見られる穴場スポットとして知られています。庭園は、氷室池を中心とした池泉回遊式庭園で、5月中旬から6月にかけて、白や紅の美しいスイレンが咲き誇ります。また、蓮の花も咲くので、タイミングが良ければ、スイレンと蓮の美しいコラボレーションを見ることができるかもしれません。
保津川下り
暑い夏だからこそ、水辺へ!涼を求めるなら王道のアトラクション
お盆を過ぎても一向に涼しくならない昨今の夏。晩夏といわれる8月中頃~9月になっても1日中暑い日々が続きます。こんな時期にこそ京都観光で訪れたい場所が保津峡です。 この保津峡で通年を通して開催されているのが「保津川下り」です。
●アクセス:JR 亀岡 徒歩8分トロッコ亀岡より京馬車で25分
(京馬車とはJR亀岡・トロッコ亀岡周辺を馬車で周遊する観光馬車です。期間限定(1・2月以外は運行)で運行しています。スケジュール・運行時間やコースも公開されていますので、「京馬車」のホームページをご確認ください、ゆったり風に吹かれて馬車で移動して保津川下りを楽しむ旅行も「旅のプランナー」おすすめのようです。
夏の暑い日には、亀岡から嵐山までおよそ16kmの保津川を川下りしてみてはいかがでしょうか。保津川の水は、アユが取れることで有名なほど澄んで美しく、周囲の美しい風景の魅力はもちろん、激流や深淵が多いので、スリルも楽しめ、特に夏のシーズンは快適で人気のアクティビティーになっています。トロッコ亀岡駅から京馬車で行けることもあり、嵯峨野トロッコ列車で、嵐山から亀岡まで景色を楽しみながら移動し、川下りで嵐山に戻るというプランが大変人気です。
貴船神社
京都の奥座敷と言われる貴船エリア。超人気の「川床」と神聖な気をも感じる深緑に佇む貴船神社
●アクセス:叡山電車 貴船口 徒歩30分京都バス 貴船 徒歩5分
貴船神社では、水の神様である龍神が祀られており、木陰があるので、真夏でも涼やかで、気持ちよく散歩ができます。また、縁結びのご利益でも有名で、人との出会いやチャンスを求める人がたくさんお参りに来ます。貴船神社で有名なのが、御朱印です。季節によってデザインが異なり、写真のように美しいと人気です。貴船神社は、アクセスが悪いという不便さがあるにも関わらず、夏は特に人気があります。その秘密は、貴船神社までの道に多くある京懐石などのお料理を提供する貴船川に川床を設けたお店です。水面から20㎝のところに床があり、水面は足を伸ばせば届くほどの近さです。美しい自然と涼やかな空気に囲まれて、優雅にお食事をすることができます。日によっては京都市内の気温と14-15度も違う時もあるそう。服装にもお気をつけください。夏にしかできない京都の最高の贅沢を、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。川床は全国的にも超人気なので、予約必須です。貴船川沿いには数多くの料理店が点在していますので、ホームページなどで確認のうえ必ず予約をして訪れることをお勧めします。また、貴船神社では、夏のイベントとして、7月から8月中旬に、七夕笹飾りライトアップが行われ、笹の葉の音を聞きながら、ライトで照らされた美しい社殿を見ることができますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
竹林の小径
陽の光を遮ってくれる背の高い竹の壁=約400Mの小径は別世界
●アクセス:京福電鉄 嵐山駅 徒歩5分
両側に数万本の竹が青々と生い茂るこの小径は、嵐山の撮影スポットとして絶大な人気を誇っています。「野宮神社」と「大河内山荘庭園」を結ぶ散策路です。京都でも絶大な人気を誇る観光スポットとして「祇園界隈」の洛中の繁華街と、この竹林の小径があるエリア「嵐山」は2大スポットと言われます。それだけに観光シーズンにはため息がでるくらいの人出ですが、少し時期をずらして8月のお盆明け頃から、9月までは僅かながら京都のオフシーズンに入り、少し観光客の量が減る時期となります。この機会こそ人気スポットを訪れたいものです。この道に入ると、今まで聞こえていた音が消え、竹のサラサラと鳴る音で辺りがおおわれ、まるで平安時代にタイムスリップしたかのように別世界を体験できます。ここは京都市の管理地で公道になりますので、竹林の小径だけのイベントや特別拝観が有るわけではありませんが、10分から30分、小径を抜けるまでの時間が与えてくれる幸福感は格別な味わいです。また人力車も周辺で営業していますので車夫がガイドブックには載っていない歴史的背景や小話などを教えてくれるので、この機会に人力車を体験するのもおすすめです。
鴨川デルタ
夕涼み、石積み、飛び石渡りや川遊びも!水は人を寄せ付ける?
市内の近郊でオススメなのは、京都市民の憩いの場である「鴨川デルタ」です。京阪電鉄の出町柳駅(でまちやなぎえき)を降りるとすぐの場所にある、三角州です。ここは賀茂川と高野川の合流地点であり、鴨川のスタート地点でもある京都市民の憩いの場。後ろには、下鴨神社(正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ))入り口となる「糺(ただす)の森」が見える位置です。川には亀や鳥の形をした飛び石が並び、休日には子供達も遊んでいて、非常にゆったりとした空気が流れる場所。最近は話題のロックバランシングアート(河原の石を積み上げるアート作品)の発祥地です。神経を集中して皆さんもトライしてみては如何でしょうか。両サイドを川に挟まれているので、京都の暑い夏を涼しく乗り切る避暑地にぴったりですよ。また、デルタからほんの数十メートル川を下ったところには芝生のエリアもあり、レジャーシートを広げてお弁当を楽しむなどピクニック気分も味わえます。
いかがでしたでしょうか。
夏の京都には、他の季節にはない特別な魅力が沢山あります。浴衣など夏の和装を着て、美しい京都を歩いてみるのもおすすめです。京都の夏だからこそできることを探して、素敵な夏を演出してみてはいかがでしょうか。